特集 2012年2月14日

究極の「のり弁」をつくろう

材料を吟味して最高ののり弁を
材料を吟味して最高ののり弁を
のり弁はうまい。
290円とお手頃なのにもかかわらず、満足感が高く、ほかほか弁当の看板メニューだ。
ほか弁ののり弁も十分においしいが、これを一から手作りしてみたらもっとおいしいのではないだろうか。
1973年北海道生まれ。物心ついた頃から飽きっぽい。そろそろ自分自身にも飽きてきたので、神様にでもなってみたい今日この頃。

前の記事:コンビニフードにマスタードをつけよう

> 個人サイト 「月刊 馬泥棒」 ツイッター

食材を集めて手作り

のり弁のおいしさは、290円という値段(ほっともっとの場合)からは考えられないと常日頃から感じていた。
白身フライにちくわの天ぷら、たくあんにおかかと昆布、そして海苔が乗っていて290円なんて信じられないコストパフォーマンスだ。
そのうえうまいときている。
ではもしも、290円という価格にとらわれず、もっとたっぷりの予算でつくったら、さらにうまい贅沢のり弁ができるのではないだろうか。
高級スーパーへ
高級スーパーへ

高級な材料を

ということで、近所の高級スーパーで食材を買い集めた。
普段買わない金額の食材たち
普段買わない金額の食材たち

昆布の佃煮から

のり弁の主役といえばもちろん「海苔」なのだろうが、ご飯と海苔の間にひっそりと挟まっている、昆布の佃煮とおかかが隠れた立役者ではないだろうか。
「一等品」と書かれた日高昆布をつかって、昆布の佃煮を作ろう。
昆布を戻します
昆布を戻します
細く刻んで
細く刻んで
甘辛く炊きます
甘辛く炊きます

ちくわも手作り

昆布が軟らかく炊きあがるまでに、ちくわの天ぷらの準備をする。
もちろんちくわも手作りする。
はものすり身
はものすり身
298円のはものすり身を取り寄せた。
白身魚からすり身を作ることも考えたが、たぶん市販品のすり身を使った方がおいしいのではないかと思うので、楽天でうまそうなのを探して購入した。
手頃な竹の棒がなかったので、かなり悩んだ末にネギをつかって焼くことにした
手頃な竹の棒がなかったので、かなり悩んだ末にネギをつかって焼くことにした
しかし、緩い
しかし、緩い
なので、片栗粉を追加
なので、片栗粉を追加

ねぎのいい香りがただよう

ネギを芯にして作るちくわ、これはなかなかいいアイディアなのではないだろうか。
じわっと焼きネギの香りがただよってくる。
じっくりと炙る
じっくりと炙る
しかし、だんだんとネギが軟らかくなり、しかも熱くなってきてしまったので菜箸を刺して補強した。
菜箸をネギに刺した
菜箸をネギに刺した
そして余分なところをカット
そして余分なところをカット

ちくわを焼くのは難しい

弱火でじっくりと、全体に焼き色がつくまで炙ったのだが、これがなかなか大変だ。
均等にキツネ色にするのが難しいのである。
ちょっと油断をすると焦げてしまう。
しかし、この焦げを取り除いてつまみ食いしてみたら、ものすごくおいしい。
かなりうまいちくわになっていると思う。
焼けました
焼けました
ちなみに芯にしていたネギもかじるととてもうまかった。
偶然の産物だが思いがけぬしあわせを味わうことができた。
半分に切るとかなりちくわっぽい
半分に切るとかなりちくわっぽい

昆布の佃煮にカツオ節をまぜる

ちくわを焼いているあいだに昆布の佃煮が炊けた。
かなり軟らかくなっている。
その間に昆布が炊けた
その間に昆布が炊けた

カツオ節も削りましょう

これとカツオ節を混ぜてご飯の上に乗せるのだが、そのカツオ節も削ろう。
カツオ節削り器と本枯節
カツオ節削り器と本枯節
カツオ節もこのために高知から取り寄せた。
結構減ってしまっているのは、おいしくて我慢できずに撮影前に食べてしまったからだ。
ちなみにカツオ節は一本1100円。
カツオ節削り器はこの記事のときに購入したものだ。
削りたてのカツオ節を
削りたてのカツオ節を
昆布と混ぜる
昆布と混ぜる

メインおかずの白身魚フライ

さて、いよいよメインのおかずである、白身魚のフライにとりかかろう。
627円と超高級なタラの切り身
627円と超高級なタラの切り身
かるく塩を振った後小麦粉をまぶして
かるく塩を振った後小麦粉をまぶして
顔の見えるというちょっとおどろいてしまうキャッチフレーズのかかれた高級卵に
顔の見えるというちょっとおどろいてしまうキャッチフレーズのかかれた高級卵に
さっとくぐらせて
さっとくぐらせて
パン粉を
パン粉をまぶして
揚げる
揚げる

サクサクのフライが完成

さすが高級な切り身だけあって、見るからにふわっとしている。
衣もサクッと揚がって、こりゃいい感じだ。
みたところ大変にうまそうでございます
みたところ大変にうまそうでございます

ちくわも天ぷらに

さて、さきほど焼いたちくわも天ぷらにしなければ。
なんとなくこのまま食べちゃいたい気も、大いにするのであるけれども、やはりのり弁といえばちくわの磯辺揚げだ。
小麦粉に海苔をちりばめて
小麦粉に海苔をちりばめて
ちくわに絡めて
ちくわに絡めて
また揚げる
また揚げる

理想に近づいている

やはり揚げてよかった。
焼いただけのちくわよりもよりうまそうになっている。
僕の理想とするのり弁に着実に近づいているのではないだろうか。
興奮しちゃうほどおいしそう
興奮しちゃうほどおいしそう

ご飯も炊けたので盛りつけましょう

さあ、食材の準備はできた。
炊飯器ではコシヒカリも炊けている。
ちなみにこの炊飯器はこちらの記事で高評価をもらった、ご自慢の炊飯器である。
ご自慢の炊飯器
ご自慢の炊飯器
ふっくらと炊けたご飯に
ふっくらと炊けたご飯に
削り立てのカツオ節と昆布の佃煮をのせて
削り立てのカツオ節と昆布の佃煮をのせて

富津岬産の高級海苔

さてさて、のり弁のキモである海苔をのせる段階がやってきた。
千葉県富津岬産の高級海苔で、599円もした。
これを贅沢にのせよう。
濃紫色に輝いている
濃紫色に輝いている
そして白身魚のフライと
そして白身魚のフライと
ちくわの天ぷらものせる
ちくわの天ぷらものせる

368円のたくあん

のり弁の箸休めとしてなくてはならない漬物も用意した。
たくあんも漬けようかと思ったのだが、これもたぶん買ってきたほうがおいしいと思われるので、スーパーで一番高いのを買い求めた。
レジで袋詰めしてくれるタイプの高級スーパーで購入したのだが、袋詰めの際「おまげいたしますか?」と係のひとに聞かれて、2.5秒ほど何のことかわからずにぽかんとしてしまった。
ぐにゃりと曲げて袋に入れていいかということだった。
「おまげいたしますか」という言葉をかけられるのは、きっとこれが最初で最後だろう。
高級たくあんも
高級たくあんも

究極ののり弁ついに完成

昆布をつけはじめてから3時間ほどで理想ののり弁は完成した。
妥協を廃し、こだわりにこだわりぬいた、究極の逸品である。
華はないが実力派の理想的のり弁
華はないが実力派の理想的のり弁
フライや天ぷらが冷めないうちにはやくいただこう。
僕はのり弁にはソースじゃなくてしょう油派なので、フライにささっとしょう油をかけて、かぶりついた。
がぶっと贅沢に白身フライから
がぶっと贅沢に白身フライから
もうなにも言うことがない。
うまい。うまい。うまい。
ほわほわの白身魚が衝撃的な味わいである。
ちくわの天ぷらも、衣がサクッとして、中身はプリプリだ。
そしてなによりも、昆布の佃煮とカツオ節が身をよじるほどのうまさだ。
はっきりいて、これが一番うまい。
ちくわもフライもとってもおいしいのだけれど、群を抜いて昆布とカツオ節が輝いている。
これはにちょっと驚いた。
くー! 天国が見えるよ
くー! 天国が見えるよ

店で出したら1000円以上だろう

ざっと原価を計算してみたが、一人前に換算すると、白身フライとちくわだけでも500円ほどだ。
もろもろあわせると、1000円で売っても利益がでるかどうかといったところか。
非常に高級なのり弁ではあるが、見た目はそんなに華やぐわけでもないので、これを買う人はたぶんいないだろう。
でも、食べてびっくり、衝撃のうまさである。
派手さはないがこだわりの本格派、僕もこののり弁のように生きて行きたいものだ。
お弁当パックに入れたらさらに地味に
お弁当パックに入れたらさらに地味に
▽デイリーポータルZトップへ

デイリーポータルZを

 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ

↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓