やってきました、築地市場
国内最大のイカ捕獲スポット。
ボタンがあるのは『コウイカ』というイカだ。
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ここは海岸まで釣りに行こう!と思って、釣りライター玉置さんに相談したら、「船に乗らないと釣れない」とのお答えだったので、行き先を築地に変更した。
問題はあるまい。
さすが築地の品ぞろえ。これなら捕獲、間違いなし!
築地に来たのは久しぶりである。
ちょっと寄り道していこう。
すげえ、道端でフグひれ干してる!!
初競りで「すしざんまい」がマグロを5000万円で落札した日の行列。
昼飯は「井上」のチャーシューメンと……
「きつねや」のホルモン丼をダブルで決めた!
いかんいかん、すっかり観光気分になってしまっている。
コウイカを買いに行こう。
売ってた。これがコウイカ。
「スミイカ」という慣用名で流通している。
高級魚介類であるため、スーパーにはあまり流通しないらしい。記事用に、と2匹買ったらなんと2600円
もした。
イカ2匹で2600円。未曾有の価格である
こっちのイカの何倍だよ、2600円……。
2600円もするイカ。
ちゃんと氷を入れて持ち帰ろう思い行列に並んでいたのだが、前にいた人が店のおっちゃんに「氷、入れてくれますか?」と頼んだら、
「氷ぃぃ!? バカ言ってんじゃねえ、この外が冷蔵庫みてェに寒い日に!」
と一蹴されていた。
僕は、無言でコウイカを自宅へ持ち帰った。
築地は怖いところだ。
これがコウイカの全貌。イカとしては短足。
このコウイカをさばいてみることにする。
(生々しい部分は一部モザイクがけでお送りします)
むむむ? いきなり硬い刃応え?
なんかプレート的なもの出てきたー!!
なんじゃあ、こりゃあーーー!!!
などと白々しく驚きましたが、これはコウイカの「甲」。てゆうか、これがあるから「甲イカ」って呼ばれる。
イカはアンモナイトの子孫なんですが、これは殻の名残。硬いけど軽くて水に浮く、不思議なパーツです。
プカプカ。サーフボードみたい。
ボタンを発見!!
さらに解剖を続け、イカの足を胴体から外した時、不意に「ポキュン!」とかわいらしい音がした。
あれ、今の音なんだろう?
硬くてコリコリした出っ張り。
ということは?と思って足の方を見てみると、こっちには硬くてくぼんだ部分が二つある。
なんか眼みたいになってますが、凹みにスミが残っただけ。
これがボタンだろうか?
スナップ留め方式だけど、かなり衣服のボタンに似ている。
ボタン凹、拡大
ボタン凸、拡大
ボタンだとしたら、押し付ければ再び留まるはずだ。
やってみた。
むぎゅーーー!!
あ、くっついた!!
くっついた!
この凸ボタンと凹ボタン、くっついた!!
ぱちん、という手応えがあるわけじゃないけど、ボタンはしっかりと留まって、それなりにイカの胴体が持ち上がる。
すごい、これボタンだ。マジでボタンだ。
持ち上げ過ぎると、弱くて取れちゃうけど。
動画も撮りました。
この絶妙な感覚は動画じゃないと伝わり切らないので、動画も撮ってみた。
ポキュン!という音も録れてますので、ぜひ視聴して下さい。(約35秒)
生物って不思議。
しかし、なぜ体内にボタンがあるのだろうか。
脱げる部分でもないし、外れたらイカが自分で留められるとも思えない。
なぜボタン留めなのだろうか。
よく分からないが、コウイカは食べるとめちゃくちゃ美味しいイカなので、問題は無いと思う。
コウイカの刺身、とろけるうまさ。さすが2600円。