特集 2012年1月25日

1日密着!アフロヘアの謎を解け

あらためて、ドラマーに似合う髪型ナンバーワンですね。
あらためて、ドラマーに似合う髪型ナンバーワンですね。
アフロヘア、それは誰もが知っているけど実際やることはめったにない髪型。その髪型はどういうきっかけで変えようと思い、日々どういうケアをしているのか?アフロヘアの人に(ほぼ)一日密着して疑問質問を投げかけてみました!これで君もアフロ博士!
1972年佐賀県生まれのオトナ向け仕事多数のフリーライター。世間の埋もれた在野武将的スゴ玉の話を聞くのが大好き。何事もほどほどに浅く広く、がモットー。

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真ん丸だけがアフロと思ったら大間違いだ

マンガやキャラクターグッズなどで定番の「アフロ」。しばらくそんなフィーチャーされてる感なかったけど、ここ数年で増えた気がする。
街を歩いているだけで、ほらアフロ。
街を歩いているだけで、ほらアフロ。
アフロ大好き!て人じゃなくても、ちょっと人より部屋に物が多い人なら、ひとつくらいはアフロにまつわる何かがあるはずだ。ちなみにうちはTシャツが4枚あった。
気づかないうちに増えていた。ステルスアフロ。
気づかないうちに増えていた。ステルスアフロ。
これだけ身につけてれば、アフロ大好き!までは言わなくてもアフロ小好き!くらい名乗ってもいいだろう。

その髪型であるだけでキャラが立つ、という意味ではアフロ・リーゼント・ドレッドが三大ヘアスタイルではないだろうか。しかしその中でもアフロだ。東急ハンズの仮装コーナーに行ってもアフロだけが品揃えがいい。
サイズ・色違いで4種類のアフロかつらが。
サイズ・色違いで4種類のアフロかつらが。
これもいちおうアフロ。ちょっと意味が違うけども。
これもいちおうアフロ。ちょっと意味が違うけども。
ただ、みんな知ってる髪型のわりには周りにアフロヘアの人はいない。ちなみにアフロ:0、リーゼント:1、ドレッド:0だ。自分は生まれてこのかたパーマをかけたことがないのだけれど、実際のところアフロはかなり面倒そうに思える。あのフワフワ感(触ったことないので予想)をキープするには、けっこうな手間がかかるのだろうか?

ということでツイッター経由で実際のアフロヘアの方と知り合い、そのアフロ暮らしぶりを見せていただきつつ疑問を解消させてもらうことにした。骨太ロックンロールバンド・4ROSESのドラマー・山王さんだ。
山王さん。最初に打ち合わせした時の写真。
山王さん。最初に打ち合わせした時の写真。
この山王さんの写真を見た時、「あれ…アフロっていうわりにはそんなに丸くない」と思わないだろうか。アフロというともっと綺麗に球形というイメージがある。あまりにマンガやイラストのキャラクターの印象が強すぎて実際はギャップがあるのか?

しかし待っていただきたい。山王さんのライブ写真を見ていただこう。これで見るとまさに我々アフロシロウトがイメージするアフロヘア!丸い!
バスドラムと相似形かのように丸いアフロヘア。
バスドラムと相似形かのように丸いアフロヘア。
このふんわり感、ステージの魔法か!
このふんわり感、ステージの魔法か!
こちらはバンド側からいただいた写真。絵になるアフロ野郎だぜ!撮影:板橋裕美
こちらはバンド側からいただいた写真。絵になるアフロ野郎だぜ!撮影:板橋裕美
上のプライベートとはぜんぜん印象違いますよね。プライベートだと70年代の刑事ドラマに出てくる人みたいだ。もしかしてスーパーサイヤ人みたいにライブになると髪がモワーッと…そんなことはない。しかしこれだけは言える。
アフロヘアの気づき1

ステージ上の方がより丸く見える
こんな感じでいろいろアフロの謎を解いていきます!数ページ後には君もアフロ知識のエキスパート!
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アフロ良い話困る話

さてまずは山王さんのアフロ人生について聞いてみよう。ちなみにアフロにしてから1年半。だいたい三ヶ月に一回くらいの頻度で美容室に行ってるのだという。ちなみに今1ヶ月半くらい経ったあたり。パーマかけたてだともっとキュッと小さい感じなのだという。
ちょっとほつれが見えてきた1ヶ月半アフロ。
ちょっとほつれが見えてきた1ヶ月半アフロ。
ドラマー=アフロ、というのはなんとなく音楽好きならしっくり来ると思うけれど、黒人ならまだしも日本人がわざわざかけた理由とは?山王さんのきっかけはこうだ。
--アフロの前の髪型ってどんなだったんですか?

「その前は長髪で肩くらいまであったんですよ。金髪のロンゲの時期もありました」

--へぇーっ、ぜんぜんイメージ違いますね。

「それでイメージ変えよう、と思って周りに『何がいい?』って聞いたんですよ。『今から美容室に行くけどリクエストある?』って。そしたらメールで4文字『ジ ミ ヘ ン』って」

--ああ、ロックでアフロといえばそうですね!なんとなくアフロ=ファンクとか黒人音楽のイメージで考えちゃってましたけど。

「そうなんですよ。それで思い切ってやっちゃうか、と美容院に行ったら『あ、待ってましたよ。勉強しといたんでまかせてください!』ていきなり言われて。他のメンバーから美容院に連絡が来てたんですよ(笑)」

--既にアフロの外堀が埋められてたと!

「それであれよあれよと…」

--一度はやってみたいって思ってました?

「ちょっとありましたね。顔の作りがインパクト強いんで、髪もインパクト強くしたら相乗効果が出るんじゃないかと。あとやっぱりドラマーって後ろなんで、何とかして目立たなきゃ!てのはありますしね」
お借りしたアフロの前のロンゲ時代の写真。男臭い!
お借りしたアフロの前のロンゲ時代の写真。男臭い!
そして今。「アフロでこんなに明るくなりました!」みたいな感じだ。
そして今。「アフロでこんなに明るくなりました!」みたいな感じだ。
ズバリ表情とか恣意的に写真選んでますが、それにしても印象違いますねえ。たしかに山王さんのバンド・4ROSESは長髪もアフロも似合うタイプのワイルドなロックバンド。長髪→アフロはなかなかの変化。ひさびさに会う人なら気づかないんじゃなかろうか。

では実際に変えてみてよかったことは?
「やっぱり覚えられやすいことですよね。待ち合わせとかでも『アフロひとりしかいないんで』って言えば間違いないですし」

--たしかに今日も初対面ですけど待ち合わせ場所で一発で分かりました!

「それこそ名前覚えられる前に『アフロの人』『アフロくん』って覚えられますからね。長髪時代を知ってる人からも『見ただけで一発でわかった』って言われるんですよ。もともと生まれた時からこの髪みたいな扱いに(笑)」
待ち合わせ場所再現。ひとり昭和の刑事っぽい人が…。
待ち合わせ場所再現。ひとり昭和の刑事っぽい人が…。
後ろからだとなお分かりやすい。まさに鳥の巣。
後ろからだとなお分かりやすい。まさに鳥の巣。
「あと初対面の人とうち解けやすい。他の髪型に比べるとそうですね。必ず聞かれるのが『その髪は地毛ですか?』」

--あー、10代20代だとアフロヘアはじめて見るって子もいるでしょうしねえ。
見た目もそうだけど、いろんな意味で会話の糸口になる。雑談ベタな人は一度やってみる価値はあるかもしれない。少なくともリーゼントやドレッドよりは日常生活になじみやすいし。若い人にはバンドの名前を!中年以上には「石立鉄男って知ってる?」から会話してみよう!
アフロヘアの気づき2

丸みを帯びてフレンドリー度合アップ!
しかし、これだけインパクトある髪型だとマイナスもあるのではないだろうか?面白がる人ばかりではない。
--では逆に困ったことは?

「うーーん、怖がられることも増えましたね」

--へえー、金髪時代とどっちが多かったです?

「アフロの方ですね。道歩いてるとわざと怖がって大きく避ける人とか」

--山王さん、悪そうな感じしませんけどね…。ちょっと昭和のボクサーとかチンピラぽいのかな、アフロ+ヒゲっていうと。

「そうかもしれないですね。あとドラマーってことでいうと、髪についた汗のしずくが目に入りやすいんですよ」

--ああ、ちょうど目の高さに直撃!

「よく泣きながら叩くドラマーって言われてます(笑)。あとこの髪のイメージがつきすぎちゃって、今後変えるのに抵抗が出てきましたね!」
たしかに…。アフロから別の髪型にするのは、定着するまでに結構時間がかかりそうだ。そのリスクは背負えるか!お前はアフロから足抜けできるのか!かけたい人はそこも考えよう。
アフロヘアの気づき3

一度アフロにすると脱アフロが大変
なるほど、とりあえずアフロの利点難点もとりあえず学べた。ではアフロヘアの日常とはどういう感じなのか?ということで山王さんの一日に(ほぼ)密着してみました!
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アフロ暮らしは乾燥が大事だ

アフロの朝は早い--と、一日密着なら朝からやるのが普通なんでしょうが、どうしても髪の毛中心の内容なので夜からのスタートにさせていただきます。

というのも、まずはあの髪をどうやって洗うのか、気になるでしょ?やっぱり専用のシャンプーとか、特別な洗い方とかあるのかな、とか!
まず、普通に髪を洗います。
まず、普通に髪を洗います。
そして普通にシャンプーで洗う。
そして普通にシャンプーで洗う。
はい、さっぱり。いつもより髪がチュルチュル。
はい、さっぱり。いつもより髪がチュルチュル。
と、いう風に思ったより普通でした。ちょっと意外!髪型が変わってるからといって、洗髪も変わってるとは限らないですな。ドレッドなんかは大変らしいですが。

でもアフロヘアの洗髪の後、普通の男の髪型に比べてひとつしっかりやらなきゃいけない事がある。それは…。
ドライヤー!これをちゃんとしてるかどうかで明日が…。
ドライヤー!これをちゃんとしてるかどうかで明日が…。
「髪洗った後しっかり乾かしておかないと、すごい形に髪型が曲がってたりするんです」という山王さん。たしかに見た目のコンパクトさに比べて実際は髪の量があるだけに、これに寝癖がついたら大変なことになりそうだ。

ということで、しっかりふぁさふぁさと髪の内側まで温風を入れて乾かす。けっこう丁寧にしとかないと翌日面倒なのです。
アフロヘアの気づき4

洗髪は普通。でもドライヤー大事!
伸ばすとこれくらいある。ちょっと鬼っぽい。
伸ばすとこれくらいある。ちょっと鬼っぽい。
でもしっかりドライヤーかけたから問題なし!だって次の日はライブだもの!そう、この日の翌日は山王さんのバンドの主宰ライブ。髪型だってしっかり決めていかなければ。体力も温存だ!
ということでおやすみなさーい。
ということでおやすみなさーい。
さて翌朝。あのアフロはどうなっているのか?密着というからには隣に寝るなり朝イチで行くなりしなきゃなのだけど、山王さんの自宅が自分の家からやや離れてるのもあって、寝起きの髪の写真を送っていただいた。
あ、やっぱ髪型歪んでる。
あ、やっぱ髪型歪んでる。
さすがに起き抜けからいきなり球体アフロ!というわけにはいかないか。この後ライブハウスで会う予定なんですが、この髪がどうなってるのか?ちゃんとまとまっているのか?

そしてライブでのアフロはどう跳ねるのか、燃えるのか!物理的には燃えませんが!
でもドラマーは前に立たれがちだぜ。
でもドラマーは前に立たれがちだぜ。
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いい顔をひきたてるのがアフロ

さてライブの会場前で山王さんと再合流。リハーサル前にその頭のコンディションも見ておきたい。病は気から、おしゃれは靴から、ロックは髪型から!そんな言葉はないけども、美意識的にはそういう所もなくはない。

さて渋谷で会った山王さんの髪型はばっちり!さすがロックの人は決めるところは決めるぜ。最初に会った時よりもいい感じにふわっふわだ。
良い感じにもっさりアフロ髪!
良い感じにもっさりアフロ髪!
ではいってきまーす。
ではいってきまーす。
そして数時間後、いくつかのバンドの後で本番のライブ開始。主宰ライブだけにトリの登場!4ROSESは5人組バンド、その中でドラマーは当然のように一番後ろ。ボーカルが派手に動くバンドだけに、ドラマーはさらに地味めに見えるかもしれない。いや普通ならそうだろう。
男臭いロックンロールがライブハウスに充満する。
男臭いロックンロールがライブハウスに充満する。
そしてドラマーはやはり隠れがち…否っ!
そしてドラマーはやはり隠れがち…否っ!
しかし、ライブを見てるとよくわかるのが、山王さんの表情がむちゃくちゃいいのだ。あらためて距離をとって見ると、アフロって顔がよく見える髪型だ。髪の部分がでかい分注目を集めるし。ライブ中、他メンバーに隠れつつもその表情は印象に残る。これがアフロ効果か!

たしかにドラマーは動けないけれど、動かない分安定して見えるともいえる。他のパートは動きすぎて顔がぜんぜん見えない時もあるもんな…。
コーラスの叫ぶ表情もはっきり。
コーラスの叫ぶ表情もはっきり。
笑顔も真正面から見える。
笑顔も真正面から見える。
他パートとの掛け合いなんかも。
他パートとの掛け合いなんかも。
でも、それだけ印象的なのも山王さんがライブ中いい表情だからだ。髪が顔を引き立て、それに応える顔でもある。アフロヘアで仏頂面というのもあまりイメージ沸かないしね。頭ファンキーなのに顔は無音、とか。
アフロヘアの気づき5

演奏中の表情がよく見える!
ということでライブは終了。会場外で待っていると、「今日は汗が目に入らなかったですね~」と頭からうっすら湯気を出して山王さんがやってきた。
アフロには笑顔がよく似合う!
アフロには笑顔がよく似合う!
うん、やっぱりアフロで気難しい顔はきっと合わない。もし似合う顔があるとしたら表情が多彩な人、特にイイ笑顔の人が一番だろう。

あと最後にもうひとつアフロで気づいたことがある。山王さんのバンドの出番前、客席から裏の階段が見えたのだけど、そこにあったのが…。
階段の奥に…この髪型は!たぶん携帯見てる山王さん。
階段の奥に…この髪型は!たぶん携帯見てる山王さん。
アフロヘアの気づき6

影だけで誰かわかる
なかなか人間シルエットクイズの対象になるほどの体型(髪型)ってないよね…。見た目だけでも存在感あり。さらに影だけでも!やはりアフロヘアは凄玉の男しか出来ない、選ばれし髪型だ!

この角度が一番しいたけぽい(強引)
この角度が一番しいたけぽい(強引)

シルエット的にはきのこ型

ちなみに山王さんはしいたけが嫌い。髪型はちょっとしいたけっぽいのに!次はマッシュルームカットくらいだったらインパクト的には負けないかもしれない。

ちなみに以前「写真提供:アフロとは何か?」てのもやりましたね。アフロという概念が好きなのだろうか、俺は。
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