未知のプラスアルファを探して
「えっ、それを足すの?」と思わされる、未知の味がするコーヒー探し。まずやってきたのは、東京・亀戸にある「珈琲道場 侍」というお店だ。
2階がそのお店
和テイスト漂うたたずまい
侍という店の名前にふさわしく、お城の石垣を模したデザインが外観にも施されている。よく見ると看板には「創業27年」と書いてあるから、結構な歴史のあるお店だ。中に入ってみよう。
侍の本気度が思ったより高い
入ってすぐのところに鎧が飾ってあり、まず客を迎えてくれる配置になっている。店名にマッチしているにもほどがある意外性だ。
それでいてすぐそばには、来訪時の季節柄かクリスマスツリーも立つ。それを組み合わせるか、という和洋折衷が軽く頭を混乱させて楽しい。
それでいてすぐそばには、来訪時の季節柄かクリスマスツリーも立つ。それを組み合わせるか、という和洋折衷が軽く頭を混乱させて楽しい。
落ち着いた店内
そしてロッキングチェアー
だからと言って骨董品がそこかしこに配されているわけではなく、夜にはお酒も出すという店内は落ち着いた雰囲気。テーブル席は普通のものだが、カウンター席はロッキングチェアーなのもおもしろい。
店員さんによると、創業は看板よりもさらに年を経ていて、2011年の今年で32年とのこと。そしてこのロッキングチェアーはそのほとんどが創業当時から使われているものだそうだ。
店員さんによると、創業は看板よりもさらに年を経ていて、2011年の今年で32年とのこと。そしてこのロッキングチェアーはそのほとんどが創業当時から使われているものだそうだ。
なじみのないのが混ざってる
この店、基本的には一杯ずつ店員さんが淹れてくれる本格コーヒーを出す店なのだが、フレーバーコーヒーのメニューも充実している。キャラメルやシナモンはともかく、ブルーベリーやバナナって聞いたことないぞ。
さらにはハイビスカスなんてのも。それでもメニュー上部には「1杯1杯丁寧にマスターが試飲・試作を重ねたフレーバーコーヒーを、ぜひご賞味ください」とある。おもしろ系を標榜するわけではなく、あくまで本気なのだ。
さらにはハイビスカスなんてのも。それでもメニュー上部には「1杯1杯丁寧にマスターが試飲・試作を重ねたフレーバーコーヒーを、ぜひご賞味ください」とある。おもしろ系を標榜するわけではなく、あくまで本気なのだ。
中でも一番気になったのがこれ
どうせなら最も変わったのを試してみようと思って、最後までハイビスカスと迷ったのが一番下にあった青リンゴ。頭の中で青リンゴとコーヒーがどうしても結びつかない。よし、これにしよう。
見た目にわからない存在感
カウンターの奥にいろいろなカップが並んでいるのを眺めながら待つことしばらく。そしてやってきたのが青リンゴコーヒー。
ビジュアルとしてはごく一般的なコーヒーだ。…いや、もしかしたらカップを青リンゴとコーディネートしているかもしれない。フレンドリーにいろいろ話しかけてきてくれる店員さんは、そういう計らいをしそうな感じもある。
ともあれ写真で見る分には普通のコーヒーなのだが、存在感は普通ではない。思いっきり青リンゴなのだ。
ビジュアルとしてはごく一般的なコーヒーだ。…いや、もしかしたらカップを青リンゴとコーディネートしているかもしれない。フレンドリーにいろいろ話しかけてきてくれる店員さんは、そういう計らいをしそうな感じもある。
ともあれ写真で見る分には普通のコーヒーなのだが、存在感は普通ではない。思いっきり青リンゴなのだ。
違いのわからない男にもわかる違い
青リンゴがグイグイ来ます
コーヒーが好きな割には、味わう力にはあまり自信がない自分。爽やかな香りとかフルーティーとかメニューの説明に書いてある場合でも、普段は「まあそう書いてあるならそうなんだろうね」くらいにしか思えない。
そんな自分にもくっきりわかるのがこの青リンゴコーヒー。爽やかさとフルーティーな香りがバリバリやってくる。
果たしてこれはコーヒーなのかとまで思わされる味わい。軽く混乱するのが楽しいコーヒーだった。
そんな自分にもくっきりわかるのがこの青リンゴコーヒー。爽やかさとフルーティーな香りがバリバリやってくる。
果たしてこれはコーヒーなのかとまで思わされる味わい。軽く混乱するのが楽しいコーヒーだった。
このように、なじみのないプラスアルファのコーヒーを出すお店もあるが、自分でできるアレンジもあるだろう。
ただ、適当に何かを加えるだけではなんでもありになってしまって収拾がつかない。ここはちゃんと実績のある変わり種を試してみたいところだ。
いろいろ調べてわかったのは、「コーヒーヨーグルト」なるもの。
ただ、適当に何かを加えるだけではなんでもありになってしまって収拾がつかない。ここはちゃんと実績のある変わり種を試してみたいところだ。
いろいろ調べてわかったのは、「コーヒーヨーグルト」なるもの。
左のカップ、確かに「Coffee」って書いてある
言われてみれば意外な組み合わせ
妙な感覚に襲われる
日常的にコーヒーもヨーグルトも口にしているが、合わせて食べようと思ったことは一度もなかった。海外の味を求めて、今回は濃く溶いたインスタントコーヒーをヨーグルトに混ぜてみる。
見た目はおしゃれなカフェオレ色
透明なガラスの器に盛りつけてみた。カフェオレのような色合いになるのも予想通りで、 ビジュアル面でのインパクトは特にない。
どうしても構えて食べちゃう
そして評価に迷う
食べてみる。…うーん、これは……ヨーグルトにコーヒー混ぜるとこういう味になるよね、という味だ。当たり前の結果がまず待っていた。
そこから先の評価が定まらない。まずくはないよね、でもおいしいってこともないね、というところだろうか。
しかし意外だったのは、スプーンを進める度に、もしかするとこれはありかも?という思いがじわじわ高まってきたことだ。おいしい!まではいかないけれども、悪くないね!くらいにはなってきた。
一口ごとに味に慣れて、味覚が受け入れていくような感覚は意外と新鮮。海外で一般的なだけあって、決して無茶なものではないと思う。
そこから先の評価が定まらない。まずくはないよね、でもおいしいってこともないね、というところだろうか。
しかし意外だったのは、スプーンを進める度に、もしかするとこれはありかも?という思いがじわじわ高まってきたことだ。おいしい!まではいかないけれども、悪くないね!くらいにはなってきた。
一口ごとに味に慣れて、味覚が受け入れていくような感覚は意外と新鮮。海外で一般的なだけあって、決して無茶なものではないと思う。
続いてはまた意外なコーヒーを出してくれる店を訪れてみよう。
町の落ち着いた喫茶店という雰囲気
バターブレンド?
やってきたのは吉祥寺にある「ダンケ」というお店。神戸に本店があり、こちらが東京唯一の支店だそうだ。
看板にも「神戸からの贈り物」とあるのはいいが、その先に続くのが「バターブレント焙煎コーヒー」。コーヒーとバター、ありそうな気もするけど飲んだことはない、盲点を突かれたような組み合わせだ。
看板にも「神戸からの贈り物」とあるのはいいが、その先に続くのが「バターブレント焙煎コーヒー」。コーヒーとバター、ありそうな気もするけど飲んだことはない、盲点を突かれたような組み合わせだ。
大人ムードの店内
どれもがバターブレンドコーヒーベース
クラシックが流れる落ち着いたムードの店内。お客さんも一人でゆっくりとコーヒーを味わいに来ているように見える人が多かった。
メニューはいくつかあるが、店員さんによるとどれもがバターブレンドのコーヒー豆を使ったものとのこと。こうした店ではいろんな品種の豆を揃えている場合が多いが、ここはバターブレンド一本。「これを飲んで欲しい!」という思いの強い店なのだと思う。
メニューはいくつかあるが、店員さんによるとどれもがバターブレンドのコーヒー豆を使ったものとのこと。こうした店ではいろんな品種の豆を揃えている場合が多いが、ここはバターブレンド一本。「これを飲んで欲しい!」という思いの強い店なのだと思う。
独特の艶を放つバターブレンドコーヒー
店員さんは詳しく豆について説明してくれるだけでなく、挽く前の豆も見せてくれた。見たことのない光り方をした豆だ。
バターコーヒー発案者である、本店のマスターのインタビューが載った本も見せてくれた。それによると、ミルクを使わずにまろやかな味を出したいと考えたことが誕生のきっかけであるとのこと。焙煎直後の熱々の豆にバターを染みこませて作るのだそうだ。
バターコーヒー発案者である、本店のマスターのインタビューが載った本も見せてくれた。それによると、ミルクを使わずにまろやかな味を出したいと考えたことが誕生のきっかけであるとのこと。焙煎直後の熱々の豆にバターを染みこませて作るのだそうだ。
基本のバターブレンドカフェ
こ、これは…
注文したのは最もオーソドックスなバターブレンドカフェ。飲んでみる。……これは、おいしいぞ…!
先にも述べたように、好きな割に違いはあまりわかってる気がしない自分。香りや味わいをコーヒーを語るときよく使われる表現で説明できないのがもどかしい。
その分、個性が強いコーヒーはどうも自分は好きでないようだということはわかる。このバターブレンドは決して何かの要素が尖ることなく、全体のバランスが深いんじゃないかと、よろよろ考える。
だからバターの味も前には出ていない。言われなければバターのバの字も思いつかなかったと思う。
先にも述べたように、好きな割に違いはあまりわかってる気がしない自分。香りや味わいをコーヒーを語るときよく使われる表現で説明できないのがもどかしい。
その分、個性が強いコーヒーはどうも自分は好きでないようだということはわかる。このバターブレンドは決して何かの要素が尖ることなく、全体のバランスが深いんじゃないかと、よろよろ考える。
だからバターの味も前には出ていない。言われなければバターのバの字も思いつかなかったと思う。
なんか只者じゃないな
インパクトは味のよさだけではなく、カップのすごさにもあった。この店、カウンターの奥に並んでいるカップを自分で選べるタイプの店で、店員さんにも選ぶのを勧められたのだが、なんとなく「おまかせします」と答えたのだった。
そして出てきたのがこのカップ。なんだかわからんけど、ごついのが出てきたなー、と思いつつおいしくコーヒーをいただいた。
そして出てきたのがこのカップ。なんだかわからんけど、ごついのが出てきたなー、と思いつつおいしくコーヒーをいただいた。
えらいもんを手にしてた
どれにも発見があった、意外なプラスアルファコーヒー。楽しかったりおいしかったりと満足。
最後の店のカップが気になって帰宅後調べてみたら、定価189000円というマイセンのものと判明。割引されて実売は130000円くらいでも売られているようだが、それでも店では撮影係の同行者にも同じカップの色違いが出てきたので、テーブルの上には260000円分の食器が並んでいたことになる。
カップセレクトは店員さんにおまかせした上でこれが出てきたのというのもすごい。帰ってからも衝撃を受けたコーヒーとなった。
最後の店のカップが気になって帰宅後調べてみたら、定価189000円というマイセンのものと判明。割引されて実売は130000円くらいでも売られているようだが、それでも店では撮影係の同行者にも同じカップの色違いが出てきたので、テーブルの上には260000円分の食器が並んでいたことになる。
カップセレクトは店員さんにおまかせした上でこれが出てきたのというのもすごい。帰ってからも衝撃を受けたコーヒーとなった。