まずは山田うどんのご紹介
山田うどんへ行ったことのない方のために、どんなお店なのかちょっと紹介しよう。
めずらしい商店街にある山田うどん
冒頭で「都心部には店舗が少ない」と書いたが、実をいうと会社のひと駅となり、蒲田の商店街に山田うどんがある。
ロードサイドの店舗が多い中、こうしたスタイルの山田うどんはめずらしい。
たぬきうどん240円
ガッツリ系のメニュー
たぬきうどんが240円ととても安い。
けれどもお客さんの多くは、「うどんとかつ丼」とか「そばとカレー」など、セットメニューを頼むことが多い。
安くてたくさん食べられるので、郊外型の店舗に行くと、いわゆるガテン系の仕事をしている人達で賑わっている。
ミニカレーセット 350円
以前行った埼玉の店で、「スタミナ丼セット(焼肉丼とうどん)ひとつとチャーハンください」といっていた人を見かけて度肝を抜かれたことがある。
僕もああいうふうに生きたいものだ。
今日の僕はミニカレーとミニうどんのセットに餃子を追加した。
セットが350円で餃子が5個200円である。
どんぶりに入ってるカレーはうまい
うどんはもっちりした関東風
カレーに餃子を入れるとうまいよ
以前記事にもしたが(
ぎょうざカレーとカレーラーメン)、北海道にはぎょうざの入ったカレーが食べられる「みよしの」というチェーン店がある。
山田うどんにいってカレーとぎょうざを注文するとそれが食べられるのでうれしい。
僕が山田うどんを好きな理由のひとつである。
カレーに餃子を入れちゃうのだ
でもやっぱり郊外型がいい
蒲田の山田うどんも便利なのだが、やはり山田うどんといえば郊外型の店舗である。
まず、お店のたたずまいがいい。
黄色に赤でやじろべえが描かれた看板がくるくると回っている、あれでなければ。
お客さんも、ガッツリを目指して仕事中に車で立ち寄る人が多くて、なんというか、活気があるのだ。
やっぱり、山田うどんといえばあれである。
これぞ山田うどんという店舗
千葉までやってきた
というわけで、僕の理想とする山田うどんを求めて、千葉までやってきた。
山田うどんの店舗一覧をみながらGoogleストリートビューで外観を確認し、これぞ山田うどんという店舗を探して、撮影にやってきたのだ。
黄色い看板が目印
マスコットのデザインが違う
山田うどんといえばカカシのマスコットだが、このカカシ、看板によって表情が異なるのをご存じだろうか。
表情というか、目の大きさと口(鼻?)の位置が違うものがあるのだ。
お店のイメージキャラなのにそんなことでいいのかと思ってしまうが、それも含めて山田うどんの持ち味なのだろう。
目が大きいタイプ
間が小さく口が上にあるタイプ
この店を作ろう
というわけで、あまり来られない山田うどんをいつでも楽しむために、この店舗をモデルにして、ミニチュアを作ろうと思う。
これが家にあるとうれしいな
さて、どうやって山田うどんのミニチュアを作ろうか。
当初はプラモデルを改造して作ろうかと思ったのだが、ちょうどいい市販品が見つからず、発泡スチロールの板を使って作る、建築模型の方法で作ることにした。
そのためには、現物をじっくり観察する必要がある。
いろんな方向から…
写真を撮った
さて、どうすればいいのやら
建築模型を作るといっても、僕はそんなことやったことがない。
色々調べたのだが、基礎的な作り方を説明したサイトはあるものの、山田うどんの作り方は載っていない。
さあ、どうしようか。
とりあえず写真を眺めること数時間
どうやらCADのソフトを使って、縮小した展開図の図面を引くのが正しいようなので、フリーソフトをインストールしてみたのだけれども、基本的な使い方すらわからない。
3時間くらい触っていたら、四角い図形は書けるようになったものの、このままでは何週間もかかってしまう。
写真から直に作ろうと思ったけど、おそらくこれは最も間違えた判断
使い慣れたフォトショップで
ソフトの使い方を覚えるところからはじめるのは無理があるようなので、使い慣れた写真加工ソフトを使って展開図を作ることにした。
これでだけも半日かかった
休日の午後をまるごと費やして、なんとか外壁を起こした。
最初はちゃんと縮尺(写真から推測して)を決めていたのだが、それだとまったく進捗しないので、とりあえず組み上がりに支障がなければいいや、ということでスケールは無視した。
入口部分を作るころには楽しくなっていた
なかなかうまくできた
さて、組立るぞ
作成した展開図(といえるのかどうかはさておき)を、プリントアウトして、ボードに貼って切って接着すると完成するはずである。
はっきりいってうまく組み上がる自信はまったくないのだが、どうなるのだろうか。
パーツができたので印刷
図面をボードに貼っていく
出力した外壁などをパーツごとにスチレンボードに貼っていく。
いままでのパソコン作業では失敗してもアンドゥできたが、ここからはやり直しがきかない。
このボードに貼っていくのだけど、
おまえはだれだ
カッターナイフでカット
このへんの作業は、まっすぐ切るのがむずかしくて10回くらい作り直したくらいしか書くことがないのでさっとすませるが、ボードに貼った図面にあわせてカッターで切っていく。
ボードに対してまっすぐ刃を入れるのがむずかしいのだ
そして組み合わせるために、ボードの厚み分だけのりしろを作らなければならない。
ボードの皮一枚をのこして、発泡スチロール部分を切り取るのだが、これが慣れるまでうまくいかないのだ。
失敗のストレスでピロピロしたりときおり雄叫びをあげながら、切り続けた。
こういうふうにのりしろを作る
そして糊で貼る
何とかなってきた
真っ直ぐ切る、ちょっとだけ切る、という基本的な技術をなんとなくつかんできたら、そうそう失敗はしなくなってきて、雄叫びの回数も減っていった。
なんとか外壁部分の組み上げまでこぎ着けることができたので、今日はもうねよう。
まあこんなもんだろう、という程度に
とにかく形ににしたいのだ
そろそろ「山田うどんが家にあったらいいな」なんていう気持ちはどこか遠くへいってしまい、目の前にあるものを完成させたいという欲求だけで作業をしている。
いまとなっては吉野家でもデニーズでも公衆トイレでもなんでもいい。
とにかく完成させたい。
玄関周りはより細かい作業
薄いボードを使うことにした
だいぶコツをつかんできたぞ
着々と仕上がっていく
こういう作業は、寝て起きると上達していることがある。
たぶん疲れと技術の向上が相殺し合っているんだろう、翌朝つづきの作業をしたら、ちょっと上手になっていた。
屋根の周りにある飾り板を組み立てて、半分くらいは完成した。
だいぶ山田うどんっぽくなってきた
いちばんの心配事が、屋根
ここまでは、こつこつやりさえすれば、まあそれなりになんとかなるだろうなと思っていた。
いちばんの不安は屋根部分にあった。
山田うどんの屋根は、ほんのすこし傾斜しているのだが、その部分の展開図がどうあがいてもつくれないのだ。
斜めになっているものを、平面に起こせないのである。
たぶんこのあたりが僕の脳みその限界なんだろうと思う。
明らかに間違えている展開図
結局、たぶん間違えているよな、という状態の展開図から、現物あわせで屋根をつくっていった。
もう、意地である。
はっきりいって、山田うどんなんかもうどうでもいい。
ただただ、屋根をつくりたいのだ、おれは。
この辺の細かいところがぜんぜんわかんないので
現物を見ながら部品をつくった
あきらめていた屋根のふた
屋根の縁は、不格好ながらもなんとかなった。
そして、図面を引くのをすべて放棄していたのが、屋根のいちばんてっぺんの部分である。
傾斜した屋根がどれくらい窄まって、「ふた」の部分の寸法がどれくらいになるのか、計算するのをあきらめていたのである。
この部分は、図面がない
じっくりと計算すれば寸法を出すことはできるんだろうけど、もうそこまで脳を働かせる力が残っていなかったので、考えないことにしていたのだ。
これもできあがったものからサイズを測って作っちゃえと思っていた。
もしうまくいかなかったら、屋根は写らないように撮影しよう。
これも現物あわせ
だいたいのことはなんとかなる
えいや、と鉛筆で適当になぞって、カッターで切ってみたら、ちょっと微妙なかんじではあるが、なんとかなってしまった。
まあ、だいたいのことはこういうふうに、なんとかなってしまうのである。
こういういい加減な成功体験が僕をだめにしているんだなとあらためて思った。
そこそこいい線で切れた
いよいよ看板
これがなくちゃ山田うどんじゃない
半ば強引ではあるが作業を進めて、店舗はほぼ仕上がった。
あとは看板である。
まさしく画竜点睛の瞬間だ。
仏像に魂を入れる作業
マイ山田うどん完成
数えるのもいやになるくらいの日数をかけて、山田うどんの模型は完成した。
もう冬ね、公園も寂しいわ
おや、ベンチにあるのはなにかしら
まあ! 山田うどんだわ
今日も残業つかれたなあ
お、こんなところに
山田うどんが!
回転看板も作りたかった
本当をいうと、山田うどんの名物である、あの回転看板も作ろうと思ったのだが、残念ながら時間切れである(模型が完成したのは今朝の3時)。
細かい部分で納得いかない仕上がりの箇所もいくつかあるので、もうすこし技術のレベルアップに励んで、より完成度を高めた山田うどんを作りたいと思っている。
…というくらいに、建築模型作りが楽しかった。
材料がまだあまっているので、つぎはセイコーマートでもつくろうかな。