ダイエット食品などに使われる甘味料
ステビアは南アメリカ原産のキク科の植物です。葉に甘さを感じる成分が含まれていて、甘味料の原料となります。
店でも甘味料と札がついていた
ステビアに含まれる成分は砂糖の300倍ぐらいの甘さがあります。しかし、カロリーは100分の1ぐらいしかないので、ダイエット食品の甘味付けなどによく使われています。
甘いのにカロリー半分のイチゴジャム。
こういう製品にステビアが使われる事が多い。
原産国のひとつであるパラグアイでは、古くからこのステビアの葉を甘味付けとしてマテ茶に入れて飲んでいたそうです。
子供の頃、よくサルビアの花の根元を舐めて甘いと騒いでいたものですが、多分ステビアはそれよりも遥かに甘いでしょう。そんな期待を持って夏の終わりから栽培を始めました。
簡単に育つ
残暑厳しく、ややしおれ気味の苗。
まずは、栽培方法をザックリと調べて、ホームセンターで買ってきた適当な土と肥料を使って植えてみます。あとは毎日水をやるのみ。
1ヶ月もすると50cmに成長。
ベランダに置いたままの適当栽培の割には虫もつかずよく育ちました。ハーブ栽培は結構楽。
花も咲いた。
そして、10月の中ごろには花も咲き、枝も分かれて十分大きくなったので収穫です。さあ、天然甘味料を味わってみましょう。
そのまま味わってみる
100円の苗がこれだけ育つのはお徳だったのかどうなのか。
収穫量は50cmぐらいに伸びた枝が6本ほど。これが多いのか少ないのか分かりませんが、色々味わってみます。
そのまま食べて大丈夫な物かは不明。この記事を書けているので特に問題は無かったということか。
おっ、甘い!でもなあ・・・
葉をかじると確かに甘味を感じます。結構甘い。しかし、それを上回る葉の青臭さといいますか。甘い以外の何か色々な味があります。砂糖を舐めた時の純粋に甘いという感じとは大きく違う。
正直に言ってあまり美味しい味とは言えません。
甘い?いや、硬いし渋い。
ついでに茎もかじってみました。こちらはかなり硬い。そして、甘い気がしないこともないものの、渋さや苦味が強くてこちらはかなり不味いです。
どうもステビアは生で食べるようなものじゃなさそうです。ということで、原産地の使用方法に習って味わってみます。
紅茶に入れて飲んでみる。
あまり変わらない
葉っぱ1枚でかなりの量のマテ茶が甘くなるらしい。3枚も入れたら大変なことになるのか?
ステビアの葉をマテ茶に入れて甘みを付けて飲んでいたということで、葉を茶に入れてみました。マテ茶なんて無いので、家にあった紅茶に入れています。さて、味は?
あれ?変わらない?いや、そんなこと無いか?
飲んでみると、少し甘いような、いつもより渋いような。なんとも微妙な味です。何も言われなければ、ストレートの紅茶と思って飲んでしまうかもしれない程度の変化しか感じられませんでした。あれ?
煮出してみよう。
どうもお茶に入れて直ぐに飲んでも味に大きな変化は出ないようです。香りの成分などと違って揮発性が低く、直ちに甘さを感じられないのかもしれません。
調べてみると、ステビアの製造では水溶性の甘い成分を、葉を煮ることで抽出しているようです。
少しだけ残してあとは全部煮てみます。
最初は綺麗な緑色がかった液体となる。
沸騰した水に葉を入れて、そのまま煮ること数分。水が薄い緑色となり、葉のエキス的な物が出てきていることが分かります。火を弱めて更に煮続けます。
不気味な色合いの液体が出来上がった・・・
20分ぐらい煮て煮汁がかなり少なくなってきたところで火を止めました。煮汁をフィルターでろ過して葉と液を分離します。出来上がったステビア液がこちら。
こうして見ると、食べても問題なさそうな色になった。
苦い?
それでは、出来上がったステビア液を味わってみます。まずはこのまま舐めてみる。
特徴的な香りは無し。サラサラしていて結構甘い・・のか?
舐めてみると、確かに甘い味がします。サラサラしていて爽やかな甘さ・・・
いや、爽やかを通り越して苦味を感じます。甘過ぎるから?それとも葉の甘味以外の成分の影響?原因は分かりません。甘いような苦いような。清涼感のようで、エグ味のようで。なんとも形容しがたい味です。
ダイエット系お菓子になるだろうか。
とりあえず、甘い成分は抽出されているようなので、これを使って何か作ってみましょう。甘いけれどもカロリー控えめな何かが出来るかもしれない。
まずは焼き菓子に挑戦。中に入れて上からもタップリかけて食べてみます。
ステビア液使用ホットケーキ
なんでホットケーキにしたかというと、ステビア液の色がメープルシロップとかハチミツ風なので。
ステビア液使用例その1の焼き菓子はホットケーキです。小麦粉にバター、牛乳、ベーキングパウダー、卵を入れて、そこへ砂糖の代わりにステビア液を混ぜています。
見た目はハチミツ風でもサラサラの液体。ほとんどがホットケーキに染みて見えなくなる。
焼きあがったホットケーキには更にステビア液をかけてみました。さあ、味のほうはどうでしょう。
甘くない・・・
ステビア液入りホットケーキは全然甘くないです。後からかけたステビア液が染みた部分を食べると甘いような苦いような。そこにバターの風味が入って何がなんだか。
ハッキリ言いまして不味いです。食べられない味では無いが、砂糖入れ忘れの失敗ホットケーキと言った感じです。これはダメだ。
もう酒の力に頼ろう
なんとも使い道の無いステビア液。お菓子に使うにも、甘いような苦いような中途半端な味なので困ります。
考えた挙句、こんな物に使ってみました。
ラム、ライム、ステビア液、ステビアの葉。あとクラッシュアイスとソーダ水を使用。
ステビア液を使ったカクテルを作ってみます。カクテルに使うリキュール類はアルコール度数が高く非常に甘いので、そのまま飲むと甘いような苦いような微妙な味です。
これに様々な物を混ぜることで美味しいカクテルとなるわけで、それと同じ効果を狙ってみます。
では作ってみましょう。
ステビア液をスプーンで2、3杯。通常はラムシロップとか砂糖を入れます。
ライムを1/2個ほど搾りいれる。細かく刻んで入れても可。
残してあったステビアの葉を数枚投入。
マドラーやバースプーンで葉を砕くように混ぜ合わせます。
クラッシュアイスを入れます。カクテルに詳しい方はどんなカクテル作るか既にわかっていることでしょう。
ラムを40から60mmlほど入れます。
ソーダ水を入れます。適量で。
葉が氷の中に混ざるように混ぜて出来上がりです。
モヒートというカクテルがあります。ラム、ミントの葉、ライム、砂糖、クラッシュアイス、ソーダ水を使って作るカクテルです。
このミントの葉と砂糖の部分をステビアに変えてみました。
ステビアモヒート完成。
通常版も作っておきます
左がステビア。右がミントです。明らかに葉の大きさや形が違う。香りも。
ステビアを使ったモヒートと比べるため、ミントを使った通常のモヒートも作っておきます。
モヒートは冷たく爽やかで夏向きのカクテルだそうです。もうすぐ冬だが飲む。
作り方は同じです。違いはステビアの葉とステビア液ではなく、ミントの葉と砂糖を使うだけ。
葉の形は違うが、見た目は大体一緒。味はどうでしょう。
通常の材料のモヒートが出来た所でのみ比べ。まずは通常のモヒート。
爽やかな香りと引き締まった甘さがうまい!暑い夏に飲んだらもっとうまいだろう。
ライムの酸味が爽やかで、程よく甘くミントの香りが気持ちいい。とても美味しいカクテルです。さて、ステビアで作ったモヒートは?
ことごとくダメな味だったからねえ。これでダメなら後が無い。
あっ、これうまい!ミントほど爽快感はないがうまいぞ!
ステビアの葉は酒に使おう
ステビアを使ったモヒート。なかなかうまいです。ミントを使った時のような爽快な香りは無いですが、ライムの味が引き立っていい感じに仕上がってます。
ということで、残った液はライムを絞った酒に混ぜて消費してしまいました。酒によりステビア液の変なクセが分からなくなっていたという懸念もありますが、他に使い道が無かったのでよかったです。
今考えると、ステビアの葉は花が咲く前に収穫した方がよかったかもとか、もっと煮詰めて粉状にした方がよかったかと色々考えます。しかし、もうやる気はありません。ステビアを使いたかったら製品になった物を買ってくることにします。使い道に困る物は作らないようにしよう。
ステビア使用のホットケーキは結局ハチミツかけて食べてしまいました。ちゃんと甘くて美味しかったです。砂糖とかハチミツは凄い。