特集 2011年11月10日

秋の企業のお祭り ~モノレール・製鉄所・車両基地~

いつも乗ってる電車ともふれあえるチャンス。
いつも乗ってる電車ともふれあえるチャンス。
毎年、10月、11月の週末というのは忙しい。
日ごろお世話になっているあの企業やあの企業が、あっちこっちでお祭りを開催するからである。
関係者以外立入禁止の場所にいろいろ入れちゃったり、すごい展示物が見れちゃったり、とにかく興奮するシーズンなのだが、なにぶん年に1回のチャンス。余すところなく楽しむためのポイントをここにまとめよう。
1984年うまれ、石川県金沢市出身。邪道と言われることの多い人生です。東京とエスカレーターと高架橋脚を愛しています。

前の記事:高速道路の下、川の跡で、カヤックを楽しむ

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車両基地がかっこいい、ちばモノレールまつり

千葉の駅前から新興住宅地の千城台までを走る千葉モノレールでは、毎年10月の「千葉県民の日」に合わせて祭りを開催する。この祭りのいちばんのポイントは、開催される場所だ。千葉モノレールの、あの車両基地に入れちゃうのだ。電車のお祭りが車両基地で開かれるのはいたって普通のことなのだが、千葉モノレールの場合、その車両基地がめっぽうかっこういいのである。
最寄り駅は千葉動物公園駅。駅の動物園じゃないほうの出口を出るとすぐにこんな感じである。かっこいい。
最寄り駅は千葉動物公園駅。駅の動物園じゃないほうの出口を出るとすぐにこんな感じである。かっこいい。
この真ん中のレールがぐぐいと右に曲がって行く先が、いよいよ千葉モノレールの車両基地。
でた、鉄道には真似の出来ない豪華2階建て車両基地。
でた、鉄道には真似の出来ない豪華2階建て車両基地。

ちばモノレールまつりの見どころ1:フランクな模擬店

上の写真、超かっこいい車両基地の前にならんでいる青白のテントは、仲間である各鉄道会社の出店する模擬店になっていて、マスコットキャラクターのグッズなどを売っているのだが、この中でもいちばんとばしているのが主催者である千葉モノレールだった。
無造作におかれているパンタグラフ。15,000円。
無造作におかれているパンタグラフ。15,000円。
夏の制服。旧タイプの放出品で、300円。
夏の制服。旧タイプの放出品で、300円。
いかにもプライスレス、というものにフランクに値段がついていて戸惑う。鉄道にあまり詳しくないのだがパンタグラフを売る、というのは一般的なことなのだろうか。そして15,000円は適正価格なのだろうか。わからないことだらけだが模擬店は盛況であった。

ちばモノレールまつりの見どころ2:オリジナルのプラレール小屋

そしてちばモノレールまつりでもうひとつ、見逃してならないのはこの小さな小屋である。
そしてちばモノレールまつりでもうひとつ、見逃してならないのはこの小さな小屋である。
中に入るとこんな桃源郷が!!
中に入るとこんな桃源郷が!!
動画もどうぞ ※音が出ますが、ちびっこたちの大歓声がほとんどです。
プラレールのレールを縦につかって走らせるモノレールは、一度発売されたもののそのあと長らく販売中止。現在は東京ディズニーリゾートラインモデルがディズニーランド限定で販売、2010年には湘南モノレールモデルが販売開始したようだが、ここには懸垂式(ぶらさがって走る)&跨座式(レールの上を走る)の両タイプがそろっているだけでなく、現在現役の日本のモノレールすべてのモデルがそろっているのである。並々ならぬ情熱。
こちらが懸垂式の千葉モノレールモデル。じつに精巧だ。
こちらが懸垂式の千葉モノレールモデル。じつに精巧だ。
この6畳ほどの小屋内はおすなおすなの大盛況なのであるが、大概のライバルは自分の半分の身長しかないので撮影には困らない。
この6畳ほどの小屋内はおすなおすなの大盛況なのであるが、大概のライバルは自分の半分の身長しかないので撮影には困らない。

ちばモノレールまつりの見どころ3:車両洗浄体験(事前予約制)

電車のお祭りで欠かせないイベントのひとつは車両洗浄体験。
この洗浄機に、車両に乗ったままつっこんでいける。
この洗浄機に、車両に乗ったままつっこんでいける。
電車に乗ったまま車両あのガソリンスタンドの車両洗浄機が好きで好きでたまらなかった子ども時代を思い出すに、これは大興奮のイベントなのだが、ちばモノレールの場合は事前予約制。しかし、外から見ていても十分に面白いのであった。
車両基地でしかありえないこの低空走行をとくとご覧あれ。
車両基地でしかありえないこの低空走行をとくとご覧あれ。
動画はこちら ※音が出ますが、隣のステージで行われていたアマチュアバンドステージの音なのであまり関係ありません。
じつに素敵でした。
じつに素敵でした。
ちばモノレール祭り攻略ポイントまとめ:
その1:とてもかっこいい車両基地にすごく近づける
その2:プラレール小屋を見逃すな
その3:車両洗浄体験は要予約
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準備が肝心のJFE京浜ふれあい祭り

ところで、この記事を書くきっかけは、一昨年2009年にJFE京浜ふれあい祭りを訪れたときの失敗である。
JFEは、工場ファンにはおなじみ国内第2位の製鉄会社。京浜地区で開かれるふれあい祭り、「厚板工場見学バスツアー」「工場見学ミニクルーズ」「敷地内一周バスツアー」というなんとも魅力的なイベントがあるということで行ってみたのだが。
最寄り駅は京急の浜川崎駅。浜川崎はほかにあまりなにもないところだが、JFEに着くと中に郵便局があったりものすごく立派で驚く。
最寄り駅は京急の浜川崎駅。浜川崎はほかにあまりなにもないところだが、JFEに着くと中に郵便局があったりものすごく立派で驚く。
千葉モノレールまつりの場合は、日頃の乗客の皆さんや沿線の皆さん向けのイベント、という感じだが、JFEまつりの場合、JFE社員とその家族向けといった趣きも強い。
千葉モノレールまつりの場合は、日頃の乗客の皆さんや沿線の皆さん向けのイベント、という感じだが、JFEまつりの場合、JFE社員とその家族向けといった趣きも強い。
唐突に関連企業の車の展示とか。
唐突に関連企業の車の展示とか。
ほうほう、などとのんきに敷地内を探索していたが、さてツアーの参加場所はどこだろうと探したところ、とっくに整理券ははけていて、残っていたのは10分間隔の敷地内一周バスツアーのみであった。無念である。

JFE京浜ふれあい祭りのみどころ1:敷地内一周バスツアー(写真撮影禁止)

そしてバスに乗り込み、さぁ写真をとカメラを構えていたところ、工場構内撮影禁止とのアナウンス。またも無念である(よく確認すると告知のホームページにもその旨きちんと記載があった)。仕様がないので代わりに位置情報を記録したのだが、これがまた、とんでもないコースなのであった。

より大きな地図で 川崎 を表示
これがその日の位置情報。
いまみてもこの地図だけでかなり興奮する。
まず出発してすぐいきなり途切れているのは、歩道の無い完全業務仕様の海底トンネルを走行しているため。ここでいきなりテンションがあがる。そして、撮影禁止だからこそ可能な日本の技術の粋を尽くした工場施設を超至近でなめるように走り、最後は海岸のキリンさんの愛称でおなじみガントリークレーンを、下をくぐりぬけるかとおもうばかりの距離で堪能。
※海底トンネルイメージ図(これは歩道のみ)
※海底トンネルイメージ図(これは歩道のみ)
※ガントリークレーン大接近イメージ図
※ガントリークレーン大接近イメージ図
手持ちの写真の中から近いものを探してみたがどうか。

より大きな地図で 川崎 を表示
Googleマップで航空写真にするとさらに興奮できます。

JFE京浜ふれあい祭りのみどころ2:厚板工場見学バスツアー(参加できなかったけど)

この中とか入れちゃったりしたのかなぁ~いいなぁ~
この中とか入れちゃったりしたのかなぁ~いいなぁ~

JFE京浜ふれあい祭りのみどころ3:「工場見学ミニクルーズ」(参加できなかったけど)

たぶんこんな景色とか見れちゃったりしたのかなぁ~
たぶんこんな景色とか見れちゃったりしたのかなぁ~
すべては早起きを怠って昼過ぎに着いたわたしが悪いのである。

JFE京浜ふれあい祭り攻略ポイントまとめ:
その1:早起きする(できなかった)
その2:まずは整理券をゲットする(できなかった)
その3:写真はほぼ撮れないと思った方が吉
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けっこう大々的、JFEちばまつり

川崎の二の舞にはせぬと気合いを入れてのぞんだ今年のJFEちばまつり。友人たちと朝9時に蘇我駅で待ち合わせ、これで整理券ゲットに支障はないとおもいきや、整理券の配布時間は8時半、次は10時であると早速の指摘を受ける。なんたる不覚。しかし行ってみると、まだ8時半の分の整理券が残っていた。よかった。

というのも、フクダ電子アリーナ周辺で行われる千葉の祭りはなんだか大々的なのである。屋台の数もぜんぜん違うし、蘇我の住民全員集結かとばかりにひとがいる。

厚板工場見学バスツアーは5分~10分間隔で出ているし、整理券をゲットした船上ツアーも20分おき程度で出航。
さっそく船の出航場所へ。
さっそく船の出航場所へ。
工場マニアだらけかと思いきや、ほとんどが親子連れである。しかし窓があって座席も快適な1階席はほとんど人気がなく、吹きさらしの2階でみんな立ち見。
工場マニアだらけかと思いきや、ほとんどが親子連れである。しかし窓があって座席も快適な1階席はほとんど人気がなく、吹きさらしの2階でみんな立ち見。
「どうせ写真禁止よね」と思って簡易的なコンパクトカメラしか持ってきていなかったが、なんと工場構内は撮影禁止であるものの、船の上からはOKということで、いきなり船の上からの写真で始まる祭りの記録。
職員の方に見送ってもらってスタートするのは
職員の方に見送ってもらってスタートするのは
見渡すかぎり工場しかない夢のクルーズ、約60分。
見渡すかぎり工場しかない夢のクルーズ、約60分。
ああ。
ああ。
いいわぁ。
いいわぁ。
素敵だわぁ。
素敵だわぁ。
船は時計回りで千葉港を一周するので撮影ポイントは常に左舷側、まぁまぁ混雑する。それはいいのだが、撮影には強敵がいた。
カモメである。脅威!
カモメである。脅威!
ガントリークレーンが動き始めた決定的瞬間を邪魔されて無念の図。
ガントリークレーンが動き始めた決定的瞬間を邪魔されて無念の図。
あまりにもカモメだらけなのでなんだろうと思うと、どうやら親子連れのほとんど全員が、カモメにかっぱえびせんを与えているのだ。どうしてそんなに皆準備がいいのかというと、船の上で売っているのだ(あとから気がついた)。同乗している職員っぽいひとまで積極的にえさをやっている様子で、あれはどうも、カモメによる撮影妨害セキュリティがかけられていたのだとおもう。がしかし、工場ではなくてそんなカモメをメインで撮影するひとたちもいて、しっちゃかめっちゃかである。

このあと夢の厚板工場見学をし(ただし撮影禁止)、屋台の出ていた横手焼きそばを食べて帰路についたのだが、祭りの記録は船の上で始まり船の上で終わっていた。いろいろと(主にカモメと)戦いのたえない船だったが、満足である。
帰りに千葉ポートタワーから撮った千葉港蘇我地域の全容。北は市川市から、南は袖ヶ浦市までつづく千葉港は、実は日本一広い港なのだとこの日知る。やるじゃん、千葉。
帰りに千葉ポートタワーから撮った千葉港蘇我地域の全容。北は市川市から、南は袖ヶ浦市までつづく千葉港は、実は日本一広い港なのだとこの日知る。やるじゃん、千葉。
JFE千葉まつり攻略ポイント:
その1:早起きする(できた)
その2:まずは整理券をゲットする(できた、わりと配布はフリーダム)
その3:写真はじつは撮れたりする(カモメに注意)
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鉄道ファンのパイの大きさに戦く、東葉家族車両基地まつり

最後に紹介するのは東葉高速鉄道の車両基地のお祭り。
いつも乗っている東西線が、なんとなく千葉方面で私鉄乗り入れしてずぅっと西までつづいているのは知っていたが、それが東葉高速鉄道であるというのはじつはこのお祭りの告知で初めて知った。
初めて降り立った駅はなんだか未来っぽかった。
初めて降り立った駅はなんだか未来っぽかった。
絵に描いたような新興住宅街を横目に線路沿いを進むと
絵に描いたような新興住宅街を横目に線路沿いを進むと
徒歩15分ほどで車両基地に到着。
徒歩15分ほどで車両基地に到着。
敷地内、「なんだか遠くまできてしまった」というスケール感。
敷地内、「なんだか遠くまできてしまった」というスケール感。
すぐ目に入ったのが、馬車と
すぐ目に入ったのが、馬車と
線路の上、人を裸で乗せて高速で走る車という、カオス。
線路の上、人を裸で乗せて高速で走る車という、カオス。
いや、東葉高速鉄道にかぎったことではなく、企業のお祭りには一見関係のないいろんな屋台が出るのでカオス的になりがちである。この日は学校法人川原学園がヤギや馬やうさぎなど大量のかわいらしい生き物をたずさえて屋台を出店していたためカオス色が強まっていた。
しかしなんといってもメインディッシュはこっちでしょう。
しかしなんといってもメインディッシュはこっちでしょう。
いやこっちか。
いやこっちか。

東葉家族車両基地まつりのみどころその1:車両洗浄線体験(わりと戦場)

ちばモノレールまつりのときは予約制だった車両洗浄体験、こちらはちょうどよく整理券を配布していたので参加することにした。
これが車両洗浄装置。大きな電車を洗うのだが、ガソリンスタンドにある洗浄装置と見た目さほど変わらないのがおもしろい。
これが車両洗浄装置。大きな電車を洗うのだが、ガソリンスタンドにある洗浄装置と見た目さほど変わらないのがおもしろい。
順番に乗り込む
順番に乗り込む
電車のほうは通常の営業車。中吊りまですべていつもどおりの車内である。
電車のほうは通常の営業車。中吊りまですべていつもどおりの車内である。
先頭まで行ってみると、れっきとした鉄道マニアの方から、子どもからそのお父さんから、かなり早くから窓にかぶりついているひとが多い。ふつうに座席に座ってごはんなど食べている親子連れも全員が当然のごとく「電車って、いいよね」という気持ちを共有しているようで、カモメ餌やり船と化していた工場クルーズとは大違いである。鉄道ファンのパイの大きさを感じる。
肩からさげているのは電車柄の鞄という、鉄道サラブレッドな彼。
肩からさげているのは電車柄の鞄という、鉄道サラブレッドな彼。
わたしも手をのばして粘ってみたものの、わずか数秒で戦いに敗れた。
わたしも手をのばして粘ってみたものの、わずか数秒で戦いに敗れた。
そのため車両横からの視点でご容赦ください。
子どもたちが悲鳴に近い歓声をあげている。生まれたときすべての子どもが電車大好きというのは本当なのである。

東葉家族車両基地まつりのみどころその2:保線用モーターカー試乗(雨天中止)

そして到着後からずっと走り回っており、「わたし、車両洗浄体験おわったら、あれ乗るんだ~♪」と思っていた、保線用モーターカーは車両洗浄体験がおわると雨のため中止になっていた。またしても無念である。
残念なので大きな写真も乗せておく。
残念なので大きな写真も乗せておく。

東葉家族車両基地まつりのみどころその3:傘が100円

ところで、会場内、スピーカーをつかってひときわ大きな声で(スピーカーだから)アナウンスされていたブース、近寄ってみたらこれだった。
かさが100円。大放出。
かさが100円。大放出。
忘れ物の傘、ビニール傘からブランドものまで100円で一挙大放出。着いた当初は、なぜここがいちばんの盛り上がりどころかいまいち解せなかったが、雨が降ってきたのでとても助かった。
そして他のブースは各地の鉄道会社が出店、ここでもまた千葉モノレールがフランクにクッションを売っていたりして
そして他のブースは各地の鉄道会社が出店、ここでもまた千葉モノレールがフランクにクッションを売っていたりして
本家のお祭りでも見つけられなかった車両型のおもちゃを入手。満足である(わたしはモノレールの車両型おもちゃを集めています)
本家のお祭りでも見つけられなかった車両型のおもちゃを入手。満足である(わたしはモノレールの車両型おもちゃを集めています)
東葉家族車両基地まつり攻略ポイント:
その1:車両洗浄体験、車内は全員がライバル、気を抜くなかれ
その2:保線用モーターカー試乗は早めに乗っておくべし
その3:傘は100円

言いたかったことは、事前の情報収集が肝心ということです。

2009年の記録から3年がかりで書いているのに、肝心の部分は参加できなかったりと残念なところの多いレポートになってしまったが、全体を通して言いたかったのは、「わたしと同じ轍は踏むなよ」ということである。本来のターゲットである家族でわいわい楽しむぶんにはよいのだが、それが生き甲斐であるマニアの皆様は、翌年まで悔しい想いを抱えることになりかねない。事前の情報収集を十分に、マナーを守って楽しいお祭りを。
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