特集 2011年11月9日

リアル「けいおん!」を見にいってみた

若干ロック知識があった方がわかりやすく読めると思います。
若干ロック知識があった方がわかりやすく読めると思います。
みなさん人気漫画『けいおん!』はご存じですか?結構な話題になったので読んでなくても知ってる人もいるでしょうが、高校の軽音部を舞台にした漫画ですね。…と雑な説明なのは自分もちゃんと読んでないから。まあそれはおいといて。

その人気作はさておき「学生時代のバンド活動」というのは甘酸っぱいというか香ばしいというか、いろいろと悶々とさせるものがある。音楽が好きな人なら、学生時代バンドやった人でもやってない人でも引っかかるものがあるんじゃないでしょうか。知人で「高校生の実際の軽音部」をウォッチしている人がいるので、同行させてもらいました!
1972年佐賀県生まれのオトナ向け仕事多数のフリーライター。世間の埋もれた在野武将的スゴ玉の話を聞くのが大好き。何事もほどほどに浅く広く、がモットー。

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軽音部見る前に文化祭に緊張する

いきなりのワタクシゴトですいませんが、バンドブームど真ん中世代である自分も高校時代はバンドの真似事をしておりました。文字通りのコピーバンド。

ただし九州のド田舎では近所にライブハウスなんて小粋なものはなく、ライブというと地元の町民会館みたいなところで一回やったんだっけ。まあそんなレベル。

自分にとってバンドというのは、熱くもなりきれなかった思い出。しかしずっと音楽そのものは聞き続けてるのもあって、届かぬアコガレでもある。とはいえ学生時代なんてのは届かぬどころか架空の話くらい遠い存在であられけるよ…。

という事は考えれば気づくけど、普段はそんな考えもしない。それをふと思い返したのは知人のライター・成松哲さんがこんなミニコミを送ってくれたから。
けいおん!は実在する!というかいわゆる軽音部。
けいおん!は実在する!というかいわゆる軽音部。
『kids these days!
vol.1 いまどきの10代に聞いたリアルな「けいおん!」の話。』
は成松さんが文化祭やティーン向け音楽フェスに足を運び、リアルな高校生の音楽シーンを調査すると共に、気になったバンドへのインタビューをまとめたもの。「都内・都下14校の文化祭バンド75のコピー曲全セットリスト」とか見てるだけでスゲエ面白い!今の16~18歳はこういうの聴いてるのかー。
学祭セットリストも収録。
学祭セットリストも収録。
こういった統計がまた面白いのです。
こういった統計がまた面白いのです。
その2010年版が上の本なのですが、今年も成松さんはその調査を行っているという。まさに今学園祭シーズンだけにほぼ毎週末の勢い。ぜひそれは自分も見てみたい!と同行させてもらうことにしました。
ということで成松さんと高校へ。男2人は怪しくないか?
ということで成松さんと高校へ。男2人は怪しくないか?
成松さんと待ち合わせてうかがったのは、千葉県浦安市の東海大学付属浦安高等学校。9時過ぎに到着するように駅で待ち合わせてバスで向かう。

「前日にタイムテーブルとか出るわけじゃないんで、行ってみないと軽音部の演奏が何時ごろからあるかわかんないんですよ。行ってみたら3バンドくらいしか出なかったりとかもありましたしね」

最近は学校の公式サイトなんかもあるけども、さすがに文化祭の全タイムテーブルがpdfで落とせますよ、なんてところまではいかない。とはいえ成松さん情報によると今日の高校は「レベルが高い」という前評判だそう。
文化祭に到着。「建学祭」ていうんですね。
文化祭に到着。「建学祭」ていうんですね。
行くと決まってあらためて思い出したのだけど、自分が通った中学高校は「体育祭」はあっても「文化祭」はなかった。なので文化祭初体験!クラスの出店とか校門すぐ脇にあったりしてワキャワキャしている。眩しいなー。

到着してさっそくスケジュールを調べてみると、軽音部の演奏までは1時間近くあるらしい。ということで校内をぶらぶら見学させてもらうことに。
校内には客引きのチラシがいっぱい。
校内には客引きのチラシがいっぱい。
賑わってる校舎内をパシャパシャ撮るのも悪いなあ、と思って写真は撮らなかったんですが、ひとことで言えば「これが…文化祭かっ!テレビで見たことあるッ!」て感じでしたねえ。30代にはない恐るべきキャッキャ具合。

クラスでおそろいのTシャツ着て、ダンボール製の看板持って客引きして…普段は個性なきアイボリーな壁や階段にチラシがどうかと思うくらいに貼られまくったハレの日モデル。それがさらなる狂騒を誘うのだろうなあ。
クラスがやってる喫茶店でしばし時間を潰す。
クラスがやってる喫茶店でしばし時間を潰す。
しかし成松さんの学校入る時のスンナリ具合に驚いた。校門くぐって受付に向かい、スリッパとパンフをもらって後は適当にぶらり。そりゃ何十校も取材してるんだからいまさらドキドキして入ることもないだろうが。

「もう親の年代ですからねえ。でも入ってみるとぜんぜん空気みたいな扱いでしょ?男ふたり何だろこの人、って思われてるのかもしれないけど売り込みとかもそんなに来ないんですよね」

実際のところ生徒たちもお店やってるといっても実際内輪で楽しんでる雰囲気丸出し。こっちの方が妙に緊張してるくらいのもんで。とはいえじわじわ伝わってるアゲな空気はなんか面白いぞ。「何でオレここに居るんだろ?」な空気も含めてなんか楽しい。

というところで体育館の方でライブが始まる時間に。さてリアルけいおん!の演奏はいかに?
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学園祭バンド、とひとことでは言えない!

軽音部発表の場である体育館に来てみると、既にバンド演奏が開始していた。出遅れた!ちなみにプログラムによると会場は「体育館」ではなく「アリーナ」と呼ぶらしい。だったら父兄も生徒もオーディエンスですな。タイトルも「軽音部○×~」ではなく「ROCK IN TOKAI FES」て書かれてあるし。そういえばオレ今年初フェスだ!まさかの体育館アリーナ。

まず体育館、いやアリーナに入って驚いたのは、プログラムはいいとして出演バンドのCD-Rが配られること!うわー、そういう時代か!昔カセットテープというメディアがあってだな…と話したくなる。
出るバンドの発表曲が書かれたプログラム。
出るバンドの発表曲が書かれたプログラム。
しかもCDもついてくる!計3枚いただきました。
しかもCDもついてくる!計3枚いただきました。
しかもCD-Rに収録されてる5バンド10曲は全てオリジナル曲という…。本気だよー、予想以上に今の高校生バンド本気じゃないですか!

といっても演奏されるのはコピー・カバー曲が中心。ちょうど入ったタイミングでサンボマスターが流れていた。続いてのバンドはUVERworld・ELLEGARDENからのQUEEN、嵐という曲順。まあたしかにテンション上がる系とはいえ不思議な並びだ。
あまり寄らないカメラでお届けします。
あまり寄らないカメラでお届けします。
しっかりPAはあるとはいえ基本はやっぱり体育館、とはいえ真っ赤なカーテンというのが派手なショーっぽくていいですね。演奏後、5分くらいで次のバンドに転換するからテンポもいい。

ステージ正面はスタンディングゾーンというか、立って見れるようになっていて、後方は椅子が並べられてあるのでゆったり見れるのもいいですね。ある意味サマソニのスタジアム気分だ。お昼のね。
成松さんはバンド演奏中は終始メモ。
成松さんはバンド演奏中は終始メモ。
さて自分と成松さんが最初に「おおおっ」と注目したバンドが有志バンドの「ちょころねfeat.OGAWA」。有志バンドというのは、軽音部ではなくクラスなどの仲間で組んだバンド。成松さん曰く「ちゃんと練習してる軽音部に比べると演奏レベルはだいたい低い」とのこと。

しかしこのバンド、始まる前からボーカルの女の子に向けて客席から声援は飛んでいた。どうやらクラスの人気者っぽい子のようだ。さらにギターは学校の先生(feat.OGAWAのOGAWAの部分)だわ、途中で別の先生をステージに上げるわとあの手この手で大人気!
後半にはブラスも入ったり、まあアゲまくる。
後半にはブラスも入ったり、まあアゲまくる。
セットリストはこちら。アガる女子Vo物連発!
セットリストはこちら。アガる女子Vo物連発!
「あとドラムが全部早かったですよね(笑)。そりゃテンション上がるよなー、と。僕は真面目にやってる軽音バンドの方が好きなんですけど、こういうパーティバンドが持ってっちゃうんですよねー!」と成松さん。まさに高校生らしい勢いといいますか、まさに文化祭バンド!らしい盛り上げっぷりでした。

それだけにこのバンドが終わるやいなや、さーっとお客さんが減っていったのがよくわかった。わかりやすっ!次から出る軽音部のバンドが不憫だなあ…。

と、思ったら。こっからの3バンドはオリジナルもバリバリやるバンドで、演奏のレベルも高かった!一瞬いなくなった客もしっかり戻ってきてたもんなー。
なんか漫画「BECK」みたいだったな。中盤のフェスの話。
なんか漫画「BECK」みたいだったな。中盤のフェスの話。
まずは高校生王道のエモい感じでありながら、繊細な編曲にふたりして驚いた「Switch」。しかも途中でボーカルがギタリストにサプライズで「ハッピーバースデー」を歌い出した。「まだ早いんだけど、今日のライブで引退なんで(ステージで歌いたかった)」って泣けるじゃないですか!

パンフを見ると彼らは全員3年生。そっかあ、普通のバンドと違って部活には「引退」ってのがあるんだよなあ。卒業後も続けることも出来なくもないけど、この学校で最後というのはしみるものがあるだろう。

次のバンドは女性2人組の「秋桜」。バックメンバーを引き連れてのバンド形式とデュオで5曲を披露。
後半のギターデュオ編成も良かったですよ。
後半のギターデュオ編成も良かったですよ。
成松さんによると「女性2人組は多いですね。ドリカムとかキロロとかOLが好きそうな歌を歌うような」とのこと。そうそう、女子比率が高いのも今の軽音部の特徴なんですよね。そのあたりについてはのちほど。

オリジナル曲を歌う前に詞のテーマとして「大切な人が亡くなった時の思いを歌った」と、高校生にしては重い内容。何が彼女らにそんな歌をうたわせるのか?いろいろ考え(主に妄想)させられるなあ。曲はボーカルもギターも上手くて聴かせられました!
Switchと秋桜のセットリスト。
Switchと秋桜のセットリスト。
学園祭!ってハジけた部分だけでなく、オリジナルをこれほどしっかり聴かせられると「高校生でしょ?」て舐めた目では一切見れないなあ。むしろ空気が学校学校してるのに、レベルの高い音でギャップを感じるほど。

というかロクにステージに立ったことない自分が、そもそもそんな上から目線で見れるわきゃないんですけどね。さてステージにはトリのバンドが登場!その後に成松さんにリアルけいおん!シーンについて解説をしていただきましたよ。
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オーラスの「東京」にしみる

さてアリーナの軽音部ライブもラスト…この場合はヘッドライナーと言うべきか。6曲の中にカバーでくるりが2曲、Beatlesでも「Helter Skelter」が入ってるのでも分かる、ロックおじさんたちが聴いたら「わかってるな!」と言いそうなバンド。

それに実際音もイイ!成松さんと「18歳にしてはゼロ年代的な…」「ロッキンオン的なナイーブさが…」と面倒くさいロックファンなモードで話しちゃうくらい。
成松さんも「インタビューしたいなー」と言っていた。
成松さんも「インタビューしたいなー」と言っていた。
途中のMCで「来年CD出します」みたいな事も言っていて、そんな事言ってCD-Rってこたないだろうから、最低でも自主制作のものを出すのだろう。オリジナル曲聴いてもそれも納得のレベル。

そして軽音部ライブ、いやフェス最後の曲となるのが、くるりの「東京」のカバー。上京した青年が昔の愛しい人と日々を懐かしむその詞は、これから高校を卒業し旅立つ彼らの声で歌われるとかなりクるなあ!よく考えたら浦安って東京まですぐ近くだけど関係ねえ!
プログラムの最後に足る堂々のステージでした。
プログラムの最後に足る堂々のステージでした。
いやー、2時間近く見たけど面白かったー!ちなみに前日だと5時間近くやってたらしい。「そっちは1、2年生中心だから演奏は今日と比べ物にならないと思いますけどね」と成松さん。

しかしセットリスト見るだけで聴きたかった気がムクムク。高校生の『ロックンロールは鳴り止まないっ』とか聴きたかったぜ。
前日のプログラムより。1、2年生中心。
前日のプログラムより。1、2年生中心。
さて軽音部ライブを見たところで学校を出て、成松さんに今年の傾向などの話をうかがった。
--いやー、すげえ面白かったです!今年はどのくらい文化祭とか回ってるんですか?

「9月真ん中くらいから、もう200曲くらいですかねー。学校の規模も分かってきたので、内容濃そうな学祭狙いで行ってるんですけど」

--例年どおりコピーやカバーされてるバンドってどの辺ですか?

「あいかわらず多いのはELLE GARDEN、チャットモンチー、あとASIAN KUNG-FU GENERATION。やっぱそこらへんかなあ。あと気づくのは『いしわたり淳二問題』ってのがあって」

--元スーパーカーの。何かあるんですか?

「チャットモンチー、9mm Parabellum Bullet、あとFLiPとかよく歌われる曲が彼のプロデュースが多いという。小室哲哉みたいにそれを売りにしてるわけじゃないんだけど、気づくと多いんですよね。高校生を浸食してる(笑)」

--別に問題じゃない!成松さんの本を読んで面白かった傾向が「アニメのオープニングとかやったバンドが強い」てことですね。

「今年でいえば『銀魂』やったBase Ball Bearが増えてるのがその流れですね。今日も2曲ありましたし(その後、同校がBase Ball Bearのメンバーの母校と発覚。それもあった?)」

--あと今年の傾向ってあります?

「今年は『けいおん!』(関連曲)が定着するんだろうなって思ってたら、それはもう当たり前になってましたね。特に『この曲はアニメの…』とか説明することもなく普通にやってます。あとボーカロイド系の曲が増えてますね。スーパーセルとか」

--てことは初音ミク?

「そうですね。ニコ動の曲のコピーしてる高校生とか。今日なんかパンフに曲書かれてますけど、普通歌詞メモって帰って検索して何の曲やったか調べたりするんですよ。そしたら葛飾あたりのギャル丸出しのバンドの歌ってた曲がスーパーセルですらないボカロ系の曲だったりして」
アニソンというのはまだ分かるけども、初音ミクは意外!自分だとバンドでやる、て発想が出ないだろうなあ。しかも自分らでアレンジして演奏してるって事だもんなあ、頑張ってるもんだ。ともかく高校生たちにとってアニソンやニコ動が身近というのに納得させられる。
--あと今日見て思ったのが、演奏上手いですよね。特に最後の3つ。しかもオリジナルもやるってんだから正直驚きましたねー。

「アレは凄かったですね!でも理由としてひとつあるのは、普通の大学進学を目指す高校の軽音部だと2年生の秋で終わりなんですよ。実質一年半くらいしか活動できない」

--さっきの3バンドは3年生でしたよね。

「ここは大学付属の高校だから出来るんじゃないでしょうかね。エスカレーター式で進学が決まってるとある程度の時間ガッチリ出来ますから」

--あっ、なるほど!付属校ですもんね。

「引退っていってますけど、大学にあがればそのまま…てのも多いと思いますよ。あれだけオリジナル曲作ってれば未練もあるでしょうし」
先輩の最後の勇姿を見る後輩たち。
先輩の最後の勇姿を見る後輩たち。
なるほど、たしかに普通に進学目指す3年生がこの時期バンドやってたら普通ならいろいろ言われそうだ。この時期の一年の成長って大きく違いそうだしなー。

ちなみに自分と成松さんの会話はあくまで勝手な分析、いわば妄想ですよ!でも実際の音楽とセットリストだけでいろいろ考えれるのがまた面白い。

さて続いて部活としての軽音部の実態に迫ります!
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軽音部の知名度、男女比…意外な広がり

さて軽音楽部の音楽の傾向はなんとなく分かってきたけども、「部活そのもの」の状況はどんなもんなのだろうか。まさかいまだに軽音楽部=ロック=不良もしくは悪魔の音楽!てのはさすがにないでしょうけども。
--軽音楽部の生徒自体は増えてるんですか?

「前に鷺宮高校(TV番組で取材されるなど軽音楽部の名門)の先生に取材した時おっしゃってたんですけど、いま漫研か軽音かの選択をしてくる子が多いと」

--漫研か軽音!さっきアニソンが多いって話しましたけど、ある意味必然ですねえ。鷺宮高校だと軽音部って何人くらいいるんですか?

「150人くらいですね」

--そんなに!凄いなあ。

「やっぱり都のコンテストとかティーンズ向けコンテストで上位に行くようなバンドがいる高校は目指す中学生も多いんですよ。先生に熱意があるのもあって」

--中学時代に野球とか陸上を頑張った生徒が「あの先生が指導してくれる高校行くぞ!」みたいな。

「そうですそうです!これから高校も定員割れとか問題があるんでしょうけど、鷺宮に関してはないでしょうね」

--すごいなあ。生徒を引っ張ってこれる先生はカリスマでしょうねえ。
よく運動部が強い高校で「○○高校駅伝優勝」とか垂れ幕があるけど、「○○ロックフェス優勝」とか垂れ幕があったりすることもありえる…んだろうなあ。
体育館あらためアリーナ。ここに垂れ幕が…。
体育館あらためアリーナ。ここに垂れ幕が…。
「ふつう学校だと文化系より体育会系の部活が目立つじゃないですか。そういう意味で文化系が目立つチャンスだし、子供たちも成果や目標があった方が気分的に上がるだろうし。悪いことはないですよね」

--まあ、昔でいう「ロックは不良の音楽」ってのは完全になくなったってことでしょうけど。

「顧問が僕らと同世代ですからね。それに先生って生真面目の代表に言われがちだけど、ずっと子供に接してるから、子供がやる気のあることには否定的じゃないですよね」

--あくまで健全に日本一を目指す、一文化部なんですねえ。

「軽音部の敵は騒音とかの問題による近隣住民ですよね。遅くまで音出してると問題になるので」
高校生は皆平成生まれ。これ読んでる人が20代後半より上なら、生まれた時のバンド状況がもうぜんぜん違う。真正面に学校から認められてロックが出来るのなら、それに越したことはないよなあ。「不良の音楽」としてやりたい人はまた別のルートを行けばいいだけの話で。

あともうひとつ意外だったのは軽音部の女子率の話。
--ちなみに男女比は?

「共学だと女の子の方が多いです。鷺宮高校だと7:3で女子が7ですね」

--そんなに!見た目的には『けいおん!』だ。

「前みたいに女だからキーボードとかサイドギターとかじゃなくて、今は好きなパートやりますよね。女性ドラマーでちょっとしたマキシマム・ザ・ホルモンみたいなのも多いし」

--今日も女性ドラマーいましたね。しかし何きっかけで女の子ってバンド始めるんですかね?

「なんでしょうね?女の子バンドだとチャットモンチーとかありますけど、それでバンド始めようってタイプのバンドじゃないですよね…。YUIとかYUKI、木村カエラとかもひっくるめて『音楽やりたい』があるんじゃないですかね?彼女らにとってはSCANDALとかZONEとかもバンドとして適応してるし」

--あー、別にこのバンドやりたい!てより音楽主導な感じだ。初音ミクやったりする所とか男よりフレキシブルな感じしますもんね。

「そうそう。再現するためにボカロ買うんじゃなくてバンドでやるっていう」
女性が多いというのも意外だけど、その傾向としても不思議なのが、女子で好きな子が多いはずのビジュアル系バンドをコピるバンドは軽音部に少ないという…。V系好きは「演る側」には行かないということだろうか?

とかまあいろいろ考えちゃいますな。まあ、全部妄想ですけど。それを考えるのもロックおじさん的に楽しい!
「演奏してる彼らも彼らなりにサービス精神あると思うんですよ。ワガママ放題に自分がやりたい曲をそのままやってたりはしてないんですよね、アルバムの地味な曲とかやんないし」

--彼らの中でウケる曲、共有できる曲を選んでる感はありましたね。反応見てても。

「アニソンとかも彼らなりに『CMとかで聴いたことあるでしょ?』みたいなサービス精神だと思うんですよ。気を使って盛り上がってる。実際のところは客は客でバンドに気使って盛り上がってたりするんだけど(笑)」

--俺たちが上げなきゃ!的な。

「でも、彼ら高校生って我々からすると『最近の若者』とくくられる年代なわけだけど、実際見てみると近いようで遠くて、遠いようでけっこう似姿なんじゃないかなと。追ってくると見えてくるものがある。インタビューとかしてみると分からないやつらではない」
たしかに聴いてる音楽や世代は違えど、バンド組んで楽しんでる姿はあんまり変わらないのかな、という気もする。こちとた歳をとってバンドがまたいろんな趣味に変わったり、こなれたり、逆にひねくれたりもするけれど。

高校生と今の自分とその周りを比較したり重ね合わせることで「楽しむ」とは何か?「マジメに楽しむ」とは何か?が見えてくるような。むむむ。

ま、そういうの気にせずとも軽音楽部のライブはプロのライブとは違う新鮮さが見れて素直に楽しかったです!
「毎週文化祭行った方がいいよ!とは言わないけどひとつ見るだけでもいろいろ分かって面白いですよ。そもそもステージでヘタクソでも頑張ってる若者見て悪い気はしないじゃないですか」

--上手い下手じゃないですからねえ。もうこの歳になると、あら探しじゃなくて良い所探しするようになるじゃないですか。

「そうそう!あと曲順とか見て妄想遊びすればいいんですよ。オリジナルの前に少女時代『Gee』のカバーとかとかやるのは、お客さんに気を使ってるんだろうな、とか(笑)」
ちょっと歪んだロックおじさんの楽しみとしても良し!まだ季節的に開催してるところもあるので、近所に軽音部のライブ…いやフェスがあるようなら覗いてみてはいかがでしょう!

*学校によっては関係者以外入場不可な所もあるのでご注意ください!
最後は本を持って。ありがとうございましたー。
最後は本を持って。ありがとうございましたー。

クラス喫茶ではタルトをいただきました。
クラス喫茶ではタルトをいただきました。

けいおん!もいいけど軽音もかなり楽しい

ちなみに成松さんの本『kids
these days! vol.1 いまどきの10代に聞いたリアルな「けいおん!」の話。』
はただいま絶賛発売中です!ブログから購入出来るお近くの書店やオンライン書店をお調べください。見てるだけでも面白いけど、インタビューはさらに面白いよ!高校生バンドって。また、成松さんが軽音部ライブを見に行ってる日にはツイッターで即日ライブレポートが上がったりするので、そちらもぜひ。

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