特集 2011年10月26日

カツカレーは肉より衣の方が美味い説

これが噂の肉抜きカツカレー、と言われたい。
これが噂の肉抜きカツカレー、と言われたい。
三十路になってもジャンク飯大好き!そんな紳士淑女にとって、最上の贅沢料理といえば「カツカレー」ではないだろうか。ただ2つ合わせただけ、そのケミストリーがいいッ!しかし前々から思っていることがある。…カツカレーのカツって、肉より衣の部分の方が美味しくないすか?
1972年佐賀県生まれのオトナ向け仕事多数のフリーライター。世間の埋もれた在野武将的スゴ玉の話を聞くのが大好き。何事もほどほどに浅く広く、がモットー。

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もしかしたらそれは禁句なのか

ちなみにタイトルどおりのことを会議で言ったら林さんから「そう言うんじゃないかと思ったんですけど、言っちゃいけないことなんじゃないか」と言われた。そうなのか、自分はとんかつ業界から消されてしまうのか…。だがあえて言いたい!

たまにカツカレー食べてると、衣と肉が別々になってしまうことがある。ツイッター風にいえばリムーブだ。そのどちらが美味いかというと…衣じゃない?そりゃまあ肉は肉で美味いけど、だって肉の味はしっかりついてるカリ!サク!のところにとんかつのとんかつたる部分がわけじゃないですか。肉だけならただの茹で肉ですよ(暴論)。
茶色×茶色。いやあ、お美しい。580円のカツカレー。
茶色×茶色。いやあ、お美しい。580円のカツカレー。
衣はわざわざ外そうとすると意外と難しいのが発覚。
衣はわざわざ外そうとすると意外と難しいのが発覚。
カツカレーって食べてるとよくぽろっと衣が剥がれるような印象があるけども、わざわざ剥がそうとするとなかなか難しい。最近はつなぎの粘着力が120%強化、とか流行ってるんだろうか。意外としっかりくっついてる。

上写真を撮ったスタンド系のカツカレーよりも肉が厚めでしっかりしてる方がいいのかな?ととんかつ屋のカツカレーも食べてみた。
1100円のカツカレー。さすがのルー別添え。
1100円のカツカレー。さすがのルー別添え。
さすがに肉うめー。しかし衣はやはりはがれにくい。
さすがに肉うめー。しかし衣はやはりはがれにくい。
衣部分とカレー、そしてご飯を混ぜて食べると肉と油の旨み、そしてカレーライス本来の美味さもあって「これが本来のカツカレーの真髄では?」という気になる。肉とご飯って別に食ったら美味いけど、合わせ技としては…ああ、これは言ってはいけないのか。タブーか。

ならば衣だけのカツカレーを作ってみよう!…と、思って、上のとおりいろいろ衣剥がしチャレンジしてみたんですが、写真撮ってもただの食べ残しにしか見えないんですよ!見栄え悪いったらありゃしない。

衣だけのカツといえばあいつがいた

そこでふと思いついた。アレって限りなく「衣だけのカツ」なんじゃないか。駄菓子界のキングたるアレ!
ご存じビッグカツ。英語だと何故か2回。
ご存じビッグカツ。英語だと何故か2回。
ジャンルでいえば「珍味」なんですね。
ジャンルでいえば「珍味」なんですね。
真ん中にうすーいすり身こそあるけれど、あくまでメインは「カツっぽさ」=「衣」といえばこのビッグカツじゃないですか!カレーにこれ載せれば「ほぼ衣カツカレー」ですよ。「肉抜きカツカレー」とも言える。
ということで完成。肉抜きカツカレー。
ということで完成。肉抜きカツカレー。
あらためて断面を見ると中のすり身が。
あらためて断面を見ると中のすり身が。
食してみました。感想は…。
食してみました。感想は…。
こちらが望んでいたものとしては十分なはずなんですが…カツ、堅い!あと衣も薄い!やはり本物のトンカツの衣とはぜんぜん違いますなあ。要素だけ取り出せばうりふたつ(言い過ぎ)なのに!似て非なるものというか。

しかし、あのビッグカツ≒本物のカツというのを考えなければ、こんなトッピングもアリじゃねえか?とは思いますね。カレー味とビッグカツの相性は良いのだもの!ひとり暮らしの学生時代にでもこれに気づいていれば、家で米だけ炊いて100円レトルトカレー+ビッグカツをスーパーで買って帰り「130円カツカレーだぜ!ヒャッハー!」と我が家のヒットメニューになってたと思います。割り切れば「魂のカツカレー」として良し!

そこでふと思ったのが「カレーと駄菓子って意外と相性いいんじゃないか」ということ。実際駄菓子で「カレー味」って鉄板だしねえ。ならば逆にカレーに駄菓子入れてもハズレはないはずだ。
ということで残り3種をカレーに入れてみることにしました。
ということで残り3種をカレーに入れてみることにしました。
いずれもコンビニでも買える王道駄菓子。もともと市井のカレー屋なんかではトッピングの豊富さで売ってるカレー、ならばこの辺もイケるはずだろう。まずは「蒲焼さん太郎」。うなぎでもサンマでもなく、ビッグカツ同様「魚のすり身」の蒲焼き風味です。いちおう魚は魚。
「中身とは異なります」の注意書きがシビアだ。
「中身とは異なります」の注意書きがシビアだ。
色的には立派な茶色オン茶色なのだけど…。
色的には立派な茶色オン茶色なのだけど…。
カレーとご飯と蒲焼さん太郎をスプーンにすくい、一口で食べてみると…。あ、蒲焼の味が全部カレーで消えちゃってるよ。これじゃただの「さん太郎」ではなく「太郎」だ。ただ、そのまま蒲焼さん太郎を噛んでいると、それなりに魚の味はしてくる。うーん、味としてはカレーも蒲焼さん太郎も両方あるのだけど、マッチしてるとは言い難い。カレー食ったあとに味無し太郎を食べてるのと一緒。なんだ味無し太郎って。

続いてはある意味本命な「ベビースターラーメン」。こっちは既にもんじゃ焼とかのトッピング定番でもあるし、外れる気がしない。
混ぜるならやっぱり王道のチキン味。
混ぜるならやっぱり王道のチキン味。
ジャンク度が3倍くらい増した気がしますね。
ジャンク度が3倍くらい増した気がしますね。
見た目からして「そばめし」みたいになりましたね。この時点でどっかのB級グルメみたいだ。
ほどよく混ぜて食べてみると…これは!
ほどよく混ぜて食べてみると…これは!
いやー、これはマジでイケますよ!予想以上。カレー味とベビスタのチキン風味がいい感じに混じり合って、和風カレーというかなんというか。適度なパリパリ感も俺好み。おやつで食える駄菓子カレーとしての完成系というか、これは普段使い出来るトッピング!

そして最後は「よっちゃん」。商品名でいえば「よっちゃんイカ」のイメージでしたが、wikipediaによれば「原材料はイカだけではないため現在の正式名称は『カットよっちゃん』シリーズの展開である」なんですね。へー。
「BIGカットよっちゃん」。でもキャラはイカ頭。
「BIGカットよっちゃん」。でもキャラはイカ頭。
ほう、こう見るとモツっぽいし美味そうな…。
ほう、こう見るとモツっぽいし美味そうな…。
実際食してみると…酢とカレーってぜんぜん合わないな!予想通り食感的には相性いいんだけど、まとめて口にするとカレーの風味→あとから押し寄せる酢の味、てちょっと別れすぎ! たぶん酢漬けにする前なら合ってそうなんだけどね…。

カツカレーは衣の方が美味い、から駄菓子カレーという展開になりましたが、掘り尽くされてるカレー&カツカレーにもまだ研究の余地がみつかったということでなんとなくまとめたいと思います。「カレーは飲み物」なんて言い方しますが、「カレーは駄菓子」かもしれない!
合わなくても最後まで食い切れてしまうのがカレーですな。
合わなくても最後まで食い切れてしまうのがカレーですな。

カツ丼も衣ははがしにくい。
カツ丼も衣ははがしにくい。

天かすみたいなもんだよね

考えてみれば「カツの衣部分だけ」って天ぷらでいう「天かす」みたいなもんですよね。ペラっとフライのシートだけとかあったら、需要がありそうな気もするのだけど…。
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