僕のMac miniをこじ開けるには、スクレイパ-という道具を使うのです。
なんでやってみようと思ったかといいますと
2009年の秋に、「これからはiPhoneアプリや!」と思って会社を辞めてMac miniというパソコンを買った。それから2年、iPhoneアプリ(
DIY GPSや
ダメスピーチなど)を開発するのに使っていたが処理の重さに耐えられなくなってメモリを増設することにした。
でも僕が買ったモデルはメモリを増設するために筐体をこじ開ける必要があり(最近のモデルはドライバーすら使わずに筐体が開くが)、こじ開けるのにスクレイパーという道具を必要としたので100円ショップで2本買ってきた。スクレイパーというのは要するに金属のヘラだ。
メモリ増設は無事終わったのだが、多分もうスクレイパーは二度と使わない。さてこれどうするかー、ってスクレイパーを見ていて気付いたのだ。あ、これ掃除のおじさんがガム剥がしに使ってる道具だ、と。ならばこれでガム剥がしをしてみたらどうだろう、と。
葛西駅前にやってきました
僕の家の最寄り駅、東西線葛西駅。記憶が確かなら、駅前の広場周辺にガム跡がたくさんあった。人が集まるところにはガム跡も集まるのだ。
何度ここを通ったか。
じゃ、まずは貼り付いたガムの痕、ガムぼくろを探しますかって探したら、これがやっぱりかなりあるのだった。ガムを地面に捨てるのは良くないと思いますよ。
バス停のゴミ箱周辺。捨てようとして外れて落ちたのだろうか。かなりのガムぼくろである。外れたら入れ直せばいいのに。
横断歩道の横もかなりのガムぼくろスポット。待ってる間に吐き出すのかな。ちなみに具体的に言うと、葛西駅前のブックオフの前辺りです。
正直舐めてた。エライ硬いぞこれ。
ガム、かなり硬い
んじゃま早速、と思って地面のガムにスクレイパーを当てて削ってみた。これが思いのほか硬い。石かプラスチックのようだ。これホントに元食べ物か?
しかも100円ショップで買った安物のスクレイパーはしなってしまって使いにくい。おまけに素手じゃ危ない。慌てて100円ショップに走って軍手を買って来た。
素手じゃ無理です。
やってるうちにコツが判ってきた
最初はかなり苦労したが、段々うまいやり方が判ってきた。
スクレイパーを両手でガッチリ持ってガムと地面の境目に潜り込ませる。刃を左右にこじる様に全身の力を掛けて押し込むと剥がれるのだ。
また、ガムぼくろにはスクレイパーを入れやすい方向がある。地面に対して盛り上がってる部分にスクレイパーの刃を入れると剥がれやすい。ガム目である。
赤い線の辺りは刃が入りやすい。ガム目を読めば綺麗に剥がれる。
剥がす様子をGIFアニメにしてみました。
綺麗に剥がれると気持ちいい
コツがわかってくるとこれが気持ちいいし楽しい。真っ黒なガムぼくろが剥がれてコンクリ本来の色に戻るのが爽快だ。この気持ちよさはちょっとした娯楽なんじゃないかとすら思われる。
綺麗に剥がれると思わず笑みがこぼれる程だ。
かなり力も必要だし汚いし、楽な作業ではない。でも綺麗に剥がれると気持ちがいい。なんというか、かさぶたを綺麗に剥がせたときに近い楽しさだ。
力を入れてスクレイパーを押し込む。
ぽろっと取れる。
気持ちいい!これはある種の娯楽だ。思わず眉も下がるというものだ。
そんな楽しいガム剥がしの様子を動画にしてみました。
こうして見ると楽しそうでしょ。やってみたくなりませんか?!
気持ちいい場所とそうでない場所がある
駅前の色んな地面でガム剥がしをして気付いたのだが、ガムが剥がれやすいところとそうでないところがあり、楽しいのはやっぱりガムが剥がれやすい所だ。
こういう滑らかなコンクリートはガムを剥がしやすい。
綺麗に剥がれると気持ちが良い。
大きいのはやりがいがある。
ゲームの中ボスを倒した時みたいな、やったった感がいい。
凹凸が少ないコンクリートに付いたガムは比較的剥がしやすく、しかも綺麗に剥がれるので気持ちが良い。点字ブロックなんかも剥がしやすい部類だ。
僕の目にはカモにしか見えない。
楽勝です。
磨き上げられた石に付いたガムも剥がしやすい。剥がしやすいって言うか、ほぼ完璧に剥がれる。こりゃ楽しいわい。
なんでここにガム吐き出すかな。
でも完璧に綺麗に取れますぅー。最高ですぅー。ざまみろですぅー。
平らな面に付いたガムは取りやすいのだけど、ガムを取りにくい地面もかなりあった。例えばこんなの。
砂利混じりのタイルはガムを取りにくい。
どうしても残ってしまう。
石畳みたいなタイルや、溝があるタイルに付いたガムは最悪だ。全然剥がれない。こういう場所では特にガムを捨てたらダメだと思う。こういう事って自分でガム剥がしをしてみないとわかんないけど。
見るからに剥がしにくそう。
全然無理。
線が入ってるタイルもガムを剥がすの大変です。
かなり時間掛けたけど、やっぱりうっすら残っちゃう。
ガムメーカーはちゃんと風化するガムを作るべきだと思う。40分味が長持ちするとかそんな事どうでもいい。そんな事より、ちゃんと風化するガムを開発すべきだ。
地面に貼り付いて石みたいに固まるって、それ食べ物としてどうなの。風化しない物を食べるってなんか気味が悪いなって剥がしながら思った。
ガム剥がしを娯楽たらしめるための思考法
ガムを綺麗に剥がせない場所のガム剥がしは苦痛以外のなにものでもなく、ただ単につらかった。
僕がガム剥がしをやってみたのは楽しそうだからで、別に慈善事業じゃないし良い事して褒められようってのでもない。だから楽しくガム剥がし出来ない場所は無視する事にした。
歩道の縁石は剥がしやすくて楽しかったので大体剥がした。
上の写真の右側はガムを剥がしにくい溝付きタイル。おそらく雨が降ったときにも滑りにくくする為に溝が付いているのだと思うが、ガム剥がしという点では最悪だ。なので、溝付きタイルのガム剥がしはやめた。
左側の縁石はツルツルで、ここに付いたガムは剥がしやすくて楽しかった。楽しかったので娯楽ゾーンだけガムを剥がした。
技も編み出した
ガム剥がしはかなりの力が必要だ。続けていると疲れるし、腕の力だけだと剥がすのが大変なガムもあった。
そういう場合はスクレイパーを足で押して腕の力をサポートする技を編み出した。名付けて「足押し」である。動画で見て下さい。
孤独な戦いの結果
途中、警察官になにやってるのか聞かれたりしながら2時間ほどガム剥がしをした。娯楽ゾーンでのガム剥がしは写経みたいに無心になれるのがいい。写経した事ないけど。
結果、握りこぶし大くらいのガムが集まった。なかなかの達成感だ。
こんなにガムが取れました。
ガムを剥がす前と剥がした後の比較写真も撮ってみた。
横断歩道横のガム密集エリア。
ほぼ制圧。
娯楽として成立する縁石部分だけ剥がした。
どうです、(縁石は)綺麗になったでしょ?ここを通るたびに達成感を味わえるって寸法。
ガム剥がしは駅前でやることに意義がある
どうしてガム剥がしを駅前でやったのかというと、頻繁に通る場所だからだ。だから以前からガムぼくろが気になっていたし、駅前を通ったときにガムを剥がした場所を見てその都度達成感にほくそ笑む事が出来る。
その辺を歩いてるみんなは僕がガムを剥がした事は知らないし気付かないと思うが、僕だけは知ってるのだ。この、こっそりいたずらしてやったみたいな感じも気分が良い。誰も傷つかないし困らないのもいい。
という訳で、娯楽の範囲でガム剥がしをするのは楽しいので読者のみなさまにおかれましても余ってるスクレイパーの使い道に困っていたら駅前でガム剥がしをすると良いんじゃないかと思います。その際は、自転車や歩行者、自動車等にぶつからないようにご注意を。
あと、ガムメーカーさんはちゃんと風化するガムを開発してただければと思います。日本中の道に自社製品がベタベタと黒い痕を残してるという点、ご一考下さい。と、社会派気取りで締めさせていただきます。これでピューリッツァー賞間違いなしだ。