断食中のテンションは変!?

実は数ヶ月前から、炭水化物ひかえめの食生活をして、地道に数キロ落としている。
だから、炭水化物を全部、吸収してしまったのだろうか。そんなばかなー。

とりあえず、こういう場合は緊急ダイエットだ。
肉が、あんまし身についてないうちに、ざざっと体重を落とせば、定着しない。
こういう時だけは、少々無茶なダイエットでもＯＫだ。

でもね、正直に言おう。春に断食して、体をこわしたんです。なんか内臓のどっかに激痛が走ったんです（あ、断食やめたらあっというまに治りました）。
30数年、断食出来ていたのに、ある年になって突然、出来なくなるとショックです。 もう若くないのね、と涙。

そこで、ダイエット記事を読み漁りました、 ネットサーフィングで。
「要は消費カロリーが摂取カロリーより多ければいいんだよ」という、ミもフタもない記述を見つけ、説得力を感じました。

そうか、じゃあ、断食は無理だけど、「１食抜きダイエット」にしよう、夕食を抜こう、
三日間ほど「半断食」として、朝昼もおかゆとか、リンゴとか、野菜スープとか、ローカロリーのものを食べよう、と決意。
（断食や半断食は、素人が自分で行う場合、三日が限度と言われています、キケンなので）。

それから私は、断食テンションに入っていったのです。

ごはんを抜くのは、精神的にはなんとかなるんだけど、問題は「体力がもつか」 だ。
私は毎日、近所のホットヨガに行ってから、自宅作業してるのだけれど（こう書くと健康的だが、酒飲みのためちっとも健康にならない…、）

行くかどうか悩んで、家で「ハラヘッター」と思ってても仕方ないので、思いきって行った。
いつものクラスでは「あー仕事どうしよう」とか「ご飯なんにしよう」とか余計なことを考えてしまって、まったく集中出来ないのだが、身体のことしか考えられないせいで、初めてヨガに集中出来た。曲げる、のばす、曲げる、のばす、ポーズ！ 汗ダラダラ。

無理をせず、ちょっとでもクラッとしたら横になって休もうと思っていたけど、無事終了。

おかゆのパックを買いに、スーパーに行く。いろんな食べ物が売ってる。ああ、これらは、いま、私の人生と関係ないのね、オホホホと考えると、不思議な気がしてくる。
うなぎ屋さんの前を通る。あの甘辛いいい香り。あああああ。ごはんとうなぎ。ごはんとうなぎ。
断食中に食べたくなるものって、高カロリーのものばっかりだ。天丼、カツ丼、親子丼…。あつあつのコロッケ、唐揚げ…。

帰宅して、洗濯物を取り込んでいる時も、隣の家の、ごはんの匂いが気になった。何かを炒めているようだった。別の家からは煮物の香り。さらに別の家からはカレーの匂い。
いつもは気がつかない、人んちの匂いなのに…。

お腹が減って、なかなか寝付けなかった。食欲を減退させるため、花の香りのボディコロンをつけて眠った。食欲より美欲だ！

空腹で、普段より２時間早く目が覚めました。ばばーん。
無理矢理目を閉じて、２時間、半覚醒状態で過ごして、いつもの朝食の時間。

レトルトのおかゆを器に移し替え、玉子を入れてかき混ぜて、３分チンする。
なんだろう、もう、喉から、背中や頭の後ろや指先まで、じわ～っと染みわたる味がする。
普通の食事で言えば、フカヒレスープに相当する位にウマイ！
逆に、フカヒレを買えない人は、ごはんを抜いてから、おかゆを食べると、いいんじゃないかと思う。

体重を計ると、さっそくマイナス１キロ。よっしゃー！

胃が落ち着いたら、突然、部屋の掃除がしたくなった。
読み終わった本をまとめる。デッカイ袋２つに40冊くらい詰めて、歩いて20分もあるブックオフへ（遠いので、普段は行かないのに！）。

飲食店すべてがきらきらして見えた。吉野家！ きららーん。ロッテリア！ きららーん。普段、そんなに気にならない看板たちが、輝いて見える。
そして、匂い。強く強く感じる。実際、通常モードの時に食べてみたら、たいしたことなさそうなものでも、魅惑の香りがする。
感覚遮断して、「あ、これらと私は、今、関係ないんだ」と思い込みながら歩く。

「食べ物と自分」は、絶対に今後関係があるものなのに、ひと時でもお別れすると、こんな気持ちになるんだ。

帰りに重曹とクエン酸を買って、キッチンの大掃除を始める私。なんじゃああこりゃああ、この汚さ、ありえない！ と思ってゴシゴシ。ちなみに重曹ってすごいですね、油汚れに効くわ～アレ。
気が付いたら数時間たっていて、シンクはピカピカに光っていた。
要らない服をぽいぽい袋に入れ、リサイクルの日のために一カ所にまとめた。

あとは、さらに、掃除、掃除。書類をまとめて捨てて、雑誌をしばり、粗大ごみ申し込み。
CDを整理し、途中から家にあるオーディオ機器で、DJをはじめちゃう始末。ふふふーん、イエーイ、ドッドッドッドッ。それが深夜まで続いた…。

普通だったら数日に分けてやるようなことを、１日で全部やりとげていた……いや、私、こんなキャラクターだけっか？ 何なの、このテンションは！？ なぜ空腹だとテンションアップになるのか？？ 自分でも把握出来なかった。

三日目。空腹感はなく、よくわからない腹具合で目が覚めた。

でも、む、むーん。

身体が起き上がりにくくなっていた。風邪のひきかけの時みたいなだるさだ。頭はいたってクリアなんだけど…。

あれっ、イタタタ、ふしぶしが痛い。
過去、断食をやった時に経験したのだけれど、断食していくと、身体の弱ってる部分が痛くなるのです。
私の場合は、腰のあたりと、左半身。

体重を計ると、１キロ減のまま。そうそう、体重って落ちたり落ちなかったりするのよねえ、と、遠い目をして、余裕あるふりを、してみたりした。

ああ身体痛い…鍼に行きたい、そう思いながらも単純作業で出来る調べものなんかをこなし、過ごした。

カリフラワーとにんじんが入ってる、100円パックの「冷凍野菜ミックス」を茹でた。
茹で過ぎたらしく、…おなかすいていても、おいしくなかった。
にんじんの中の、ほのかな甘みを探して、かみしめた。
その後にリンゴを食べたのだけれど、リンゴが大きすぎて、食べきれなかった…。

出かける用事があったので、電車乗った。
いつもは暇なので、iPodを持っていくんだけど、今日は頭に「ざーーー」と雑念が流れまくっていて、退屈しなかった。
食べ物のことだけじゃない、どうでもいい考えが広がっていく。頭は「ザー」、身体はイタタタ、イカン状態だった。

仕方ないので、コーヒーショップでカフェラテを一杯飲んだ。コーヒーは胃に悪いし、ダイエットにも良くないんだけど、飲まないとやってられない感じ。
飲むと少しほっとした。

身体は調子良くないのに、
ああ、何もしないのに充実感。
体重が減ると思うと、充実感。
キケン思想だ…。

夜は疲れて眠って、
朝起きると、

最初から比べて、3.5キロ減っていた。
なんかガクンと落ちたなあオイ…！
と、とりあえず目標達成…！

今回、夕食抜きをやって、一番に思ったのは、
体重や感覚じゃなくて、
「夕食代が要らないので、お金がかからない」
という単純なことだった。
いや、これは結構大きいです。嬉しくて本なんか買ってしまった。苦学生みたいだ。
人間、食べ物を食べなくて平気だったら、どんなに楽なんだろう…。

しかし、こうして見てみると、ごはんを抜いてる時の私は、ハイテンションになったり、死んだようになったり、ものすごくブレが激しい。ヒドイ。
いや、「夕食抜き」の方法でも、朝昼食のバランスをかっちり考えて、空腹を少なくすれば、無理なく続けられるんだろうと思うんだけど。

本当は分かっているんです。『タニタの社員食堂』の本とかを買って、きちっと計って、きちっと料理して、きちんとした生活をすれば、太らないってこと。
でも、あんな手間、なかなか出来ないよ！？ っていうかあの本を買ってダイエット成功した人は、全体の何割なんだろう。

はあ。これからも、ゆるゆると夕食を抜きつつ、自分のテンションを観察しつつ、先の見えないダイエットを続けていこうと思います。目指せ、５年前のジーンズ！！