特集 2011年10月6日

このデータで泣け!

数字の羅列に迫ります
数字の羅列に迫ります
スポーツのスコアや株価の動き、地道な実験のデータシートなど、世の中には専門外の人が見ても意味不明な数字の羅列がたくさんある。

でも逆に、その数字を見て瞬時に内容を理解し、どんな意味があるのか、どんなことが起きているのか分かる人もいるだろう。

今回は、そんな数字の羅列について、その道の専門家に語ってもらった。
1974年東京生まれ。最近、史上初と思う「ダムライター」を名乗りはじめましたが特になにも変化はありません。著書に写真集「ダム」「車両基地」など。
個人サイト:ダムサイト

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白熱した試合の跡

少し前だけど、夏休みに昼寝から起きてテレビをつけたら、高校野球の中継が行われていた。ちょうど試合が終わったところで、画面にはこんなスコアボードが映し出されていた。
とある高校野球のスコア
とある高校野球のスコア
3行に数字が並んだこの野球のスコア、ニュース番組や新聞のスポーツ欄でもよく目にするフォーマットなので、分かる人も多いと思う。

野球のスコアを知らない方にいちおう説明すると、上の段が試合の回、真ん中の段が先攻チームの得点、下の段が後攻チームの得点、いちばん右端の数字がそれぞれの合計点だ。

寝ていたので試合はまったく見ていないけど、このスコアで目が覚めた。結果だけ見れば2対3、でもそこに至るまでの1と0の羅列の中に、ものすごい熱戦の痕跡を感じることができると思ったのだ。野球好きの皆さんどうですか。

お互い0点が続いた4回、先攻チームが先取点奪取に成功。しかし喜びも束の間、その裏にすぐ同点に追いつかれてしまう。その後は膠着状態が続き、終盤に突入した8回裏に後攻チームがついに勝ち越し。あと1回をしのぎ切れば勝利、と思いきや先攻チームが執念で追いつく。そのまま延長戦に突入し、12回裏にとうとう後攻チームが得点を挙げてサヨナラ勝ち。

これぞ甲子園、という激闘だと思う。
甲子園球場のイメージ(富澤豊さん提供)
甲子園球場のイメージ(富澤豊さん提供)
ホームへのヘッドスライディング、崩れ落ちるピッチャー、ベンチから駆け寄るナイン、呆然と立ち尽くすレフト、抱き合って喜ぶスタンド、涙ぐむチアガール。実際にあったかどうかは知らないけど、そんな場面を想像して勝手に目頭が熱くなってしまう。夏休みに夕方まで寝ていて、起きるなりこのスコアを見てじんわりしてしまった。寝起きの中年の心を揺さぶる数字。

でも、それは僕が昔から野球を見てきたからで、まったく見たことない人や興味のない人がこのスコアを見ても何とも思わないだろう。立ち尽くすレフトの切なさなんて想像できないはずだ。

それで思いついた。

きっと、こういった数字の羅列で熱く語れる人がいるのではないか。素人目には単なる数字だけど、見る人が見れば泣いたり笑ったりできるデータ。そんな話を聞いてみたい。 そこで募集をしてみたところ、何人かの方が手を挙げてくださった。ひとりずつ話を聞いてみよう(なんと、ここまでが前置きである!)。
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