数えてみたら全部で70本あった。ドミノをやるにあたっては多いのか少ないのか微妙な所だけど、初心者にはちょうどいい量かな?
なんのビデオテープ?
ところでどんな内容のテープがあったのだろうか。昔と今とでは好きなものが変わっているので恥ずかしいですけど・・少し紹介したいと思います。
まずは買った映画ビデオ。リバーフェニックス出演のものが多い
そういえば映画ビデオは3,800~16,000円と高かった。古本屋で安くなったのを買ったり。
小学生の時から割と映画好きだった私。おこづかいはビデオやポスター、映画雑誌につぎこんでいた。
今でこそネット通販で簡単にDVDが手に入るしレンタルもできるけど、当時町のレンタル店やビデオ販売店にはある程度有名なものしか置いてなかったので、取り寄せたり映画雑誌の後ろの方に書いてあった専門店にわざわざ買いに行ったりしていた。懐かしいなあ
音楽ビデオ。中学で筋少、高校でイエモン。何があったの
周りがキンキにお熱だった中学生の時は、私は隠れて筋少にはまっていた。中3で初めて行ったライブも筋少で、渋谷公会堂。慣れない渋谷で行く道すがらダフ屋に追いかけられるというおかしなハプニングもあったりしてずっとドキドキしていたのを思い出す。
自分の恥ずかしい姿も
20歳の時に初めて海外(アメリカ、カナダ)に行った時のテープも出てきた。今より顔がパンパンで思わず目を薄めてしまう。しかもユニバーサルスタジオで浮かれてロボットダンスしていたりする・・あー、恥ずかしすぎて見ていられない。
私のロボットダンスから始まるビデオ。イラストでご勘弁・・
TVの録画
他はTVの録画だった。どんなものが入っていたっけとビデオをガチャコンキュルキュル言わせて巻き戻してみる。・・遅い!しかしもうこれらのビデオはほぼ処分するつもりなのでこのもどかしい感覚も最後だ。
見てみると、今では見かけなくなったり訳あって出られなくなった懐かしの芸能人達が活き活きとしていた。大好きなダウンタウンは今見ても凄く面白い。これは見始めたら止まらなくなってドミノができそうにない。心を鬼にして数本で見るのをやめにした。
「あらかじめ和英辞典がついた」ワープロのCM。ワープロ・・
ちなみに、大別すると映画関連は35%、音楽20%、お笑い15%(ほぼダウンタウン)、友達から貰ってたトレンディドラマ(死語?)10%、演劇10%、自分の旅行7%、語学番組3%だった。
そんな思い出つまったテープを大事に公園に運びます
第1の敵・・猛暑
馴染みの薬局で急遽借りた台車にビデオテープを積みこみ近所の公園へと向かった。他の候補地として土手が挙がったが、体感40度くらいの猛暑だった為あまり歩きたくない。
あまり暑さが伝わらない写真だけど猛暑日
暑さのため動きノロノロ
このシャワーシーンみたいなショットは完全にいらない
これから念願のドミノができるというのに、この日の暑さは異常でまともに動く事ができなかった。亀のようにノロノロと作業にかかる。カメラ係をしてくれている友人も同様に暑さでやられているのか、私が虫除けをしている所から写している。ドミノ関係無いからやめて・・
とりあえず広げた
汗を垂らしながらとりあえずテープを広げた。こうして見ると意外と少ない気もする。もし簡単に並べる事ができたら、何かギミックにも挑戦してみようかな。
例えばこういうギミック
十数秒ほど考えたけど頭が働かずピーナッツを頬張る仕掛けしか浮かばないのでさっさと並べることにする。
初めてのドミノ開始!わくわく
既に斜めだけど大丈夫でしょうか
通常のドミノと比べたら、ビデオテープは側面が広め。きっとトントンと簡単に並べる事ができるよね。
トントン
トントン
トントン
カシャカシャンッ
友人のカメラワークが冴える程に途中までは順調に行った。しかし20個ほどいった所だろうか、綺麗な音を立てて崩れ出した。最初の一つ目を残して。
「そうそう、ドミノってこういうのこういうの」とまだ余裕のやり直し
ホラすぐに元通り
今度は全部倒れた(これを何度か)
第2の敵・・風
風だ。風が出てきてしまった(微熱風)。思い返せばあのドミノの番組。気候に左右されないよう閉め切った体育館でやっていたじゃないか!風考えるの忘れてたよ、と友人に言うと「まず考えるとこだよね」と教えてくれた。
体全体で風の向きを読んでるところ
風向きを体全体で読んだが、よく分からなかった。色々な所から吹いている気がする。たださっきからやっている場所は若干地面がボコボコしていたので気持ち角度と場所を移動してみた。
白いケースは外そう
向きは一緒がいいかな、何となく。
今更だが砂利の上は安定性が悪く、しっかりと立たない。テープ付属の白いケースは無い方がまだ安定しそうだったので面倒だが外すことにした。
よし素早く行こう!
寝るの早いっすねー
立てるの一分倒れるの一瞬。この時は悔しい腹立たしいというよりもあ~あ、というやるせなさ。なぜなら8本しか並べてないから。たったこれだけでは怒る気も起きない。
テープの重心を考慮
友人に指摘され、テープの巻き取りが多い方を下にして並べる事にした。
これけっこう大事かも。全部巻き取ればよかった
さらに、風対策で一番先頭に丈夫なパッケージのテープを置き、被害を小さくする為に5本につき1箇所スペースを空けた。
無情なり
それでも諦めない
あの時TVで見た感動を、
青春を味わうまでは・・
奥のベンチで若い兄ちゃんたちがドミノの話をし始めたが怖いので無視
「ねー何あの黒いのー?」「呪いのビデオってやつじゃない?」キャー
そういえばビデオテープはいつの間に姿を消してしまったのだろうか。少なくともここ数年の間に生まれた子供にはこのビデオテープの存在を知らない可能性もあるんだな。
ビデオテープで線引きされたジェネレーション
ふぅー
最長記録、27本目にして風により倒れてしまった。ここからは何度修復しても風で倒れてしまう。公園に来て既に1時間半くらい経っているというのに未だ自らの手で倒していない。
影が足長になるほど夕暮れが近づいてきた
確実な安定を求めて
一度でもいい、自分で押してドミノ倒しを経験したい。しかし風、砂利、地面のボコボコそういったもの達が邪魔をする。確実に倒せる所はないだろうかと場所を移動した。
そして平らな所に安定性の高いものを並べた
これが私の初めてのドミノ倒しです(明らかにレベルダウン)
この子供だまし感
ベンチの上に安定性のあるパッケージビデオを並べて突付き、最後にはピーナッツに見立てた小石を飛ばした。(まだ飛ばしたピーナッツを食べたかったらしい)
負けないで
しかし私はこんな小さな事がしたかった訳じゃないはずだ。ヘタなギミックはいらない。単純で良い。持っている全てのテープを使ってドミノを成功させよう。
動く労力も考えて楕円を目指します。
立てては倒れを繰り返す
通りがかりのおばちゃん「綺麗に倒れたわねー」(ちなみに奥の台車の上に載っているのはケース。テープは全部使っています。)
倒れてるけど、私は倒してない。全ては風だ。あっちを直せばこっちが倒れるの繰り返しで一向に終わりが見えない。しかしとにかく風よりも早く立て並べるしか方法はない。
チャララララ♪負けないで~ほら~そこにゴールは近づいてる~
ここに来て、日が落ち始めようやく涼しくなってきた。と同時に徐々に夕闇が近づいてくる。風と時間、疲労との戦い。思わず24時間ランナーのような気持ちになってきた。
どんなにはな~れてても
心はそばーにいるわ~
かん~じて~ね
見つめ~るラ~ララ~
そんなこんなで最後まで諦めずに作ったビデオテープドミノ。なんとか完成しました。ハンカチを用意してぜひご覧ください。
ビデオドミノは巻き戻しの連続
何度やっても勝手に倒れるドミノ。さっきやった労力が一瞬で無になるシビアな世界・・でもこれ、体育館の中でやったら簡単にできたと思う。ポイントは無風、地面が平ら、その2つだけ。恐ろしく基本的な事を体感した。
それでも、外でやっていたらもしかして一緒にやりだす子が出てきたりしないだろうか?青春しちゃう?と淡い期待をしていたのだがそんな事にはならなかった。ドラマはそうそう起こらない。それでも最後できた時、ずっと見守っててくれた友人と顔を見合わせて、満足した。お寿司食べに行った。