特集 2011年9月28日

机も!椅子も!ダンボール製のカフェ

天井のランプまでダンボール製なのです。
天井のランプまでダンボール製なのです。
先日「鷹匠カフェ」を取材して以来、個性的なカフェに興味を持っていろいろ調べるようになった。といっても家具がオシャレとか、メイドがどうとかそっち方面ではなくて、もっとオーナーの個性や事情が出たようなお店。すると、大阪に「内装がダンボールのカフェ」があるという。いったいどこまでダンボールなんだろう?
1972年佐賀県生まれのオトナ向け仕事多数のフリーライター。世間の埋もれた在野武将的スゴ玉の話を聞くのが大好き。何事もほどほどに浅く広く、がモットー。

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特徴はダンボールだけじゃない

別件の取材もあって数日宿泊していた大阪。カフェまでひと駅のところに宿を取っていたので歩いていけるな、と思ったら台風直撃!写真じゃわからないですけど、強風で信号がゆあんゆあんと揺れてました。
傘の方角がみんな同じなくらいの集中豪雨。
傘の方角がみんな同じなくらいの集中豪雨。
やばい、ダンボールカフェが全部濡れちゃう!(外装はダンボールではありません)と焦りつつお店に向かう。到着してみると隣は「矢野紙器」さん。どうやら紙工場のようだ。あ、そういう繋がりでのダンボールカフェ、なのか?
段ボール製造販売の会社のとなりに…
段ボール製造販売の会社のとなりに…
カフェだんぼうる、到着!台風につきこの日は休業です。
カフェだんぼうる、到着!台風につきこの日は休業です。
到着したのは「テイクアウトカフェだんぼうる」。普段はもちろん表の雨戸も開けて営業しています。中に入れてもらうと、白壁にダンボールの柔らかいウッドな色遣いがマッチした店内。無印良品的なカラーリングですよね。
店内、パッと見はシンプルな普通の喫茶店ですが…。
店内、パッと見はシンプルな普通の喫茶店ですが…。
まずは机、椅子がダンボール製。
まずは机、椅子がダンボール製。
パッと見はプラスチックぽく見えます。
パッと見はプラスチックぽく見えます。
今回カフェだんぼうるについて話をうかがったのは、矢野紙器(株)の島津さん。お店も会社のすぐ横だし、ダンボールだし、と矢野紙器さんの運営だろうと思ったら、ちょっと違うようで。
「当社も会員の『ネクストステージ大阪LLP(以下LLP)』という組織がありまして、そこの運営なんです。ここの2階がその事務局なんですけど」

--LLPというのは?

「障害者やニート・ひきこもりの就労支援の窓口でして、本人の希望を聞いた上で現場でリアルな体験をしてもらうんです。体験の場を提供出来る企業や親、学校が一緒にやることでこれまでの作業所などとは違う体験を出来ないか、と活動している団体です」

--実際の現場を提供することで就労の手助けをする組織なんですね。

「こちらの場合は飲食やりたい、って人がここをステップにスキルアップしてもらって就労につなげてもらえれば。それ以外にもお総菜屋さんや八百屋さん、内装の手伝いとか様々な職種があるんです」
そうした支援の場であり、矢野紙器さんが手がけているダンボール家具などのアピールの場として生まれたのがこちらのカフェ。就労支援という特徴上、店員は一ヶ月か二ヶ月で入れ替わっていくのだそう。
天井のランプもダンボール製。火じゃないから燃えません。
天井のランプもダンボール製。火じゃないから燃えません。
灯りとダンボールの色がマッチしてます。
灯りとダンボールの色がマッチしてます。

カフェ以外の活動もいろいろ

そうした意外な背景があったカフェだんぼうる。そうした活動を矢野紙器さんがバックアップして生まれたのがこのお店だそう。もちろん自分のようにダンボールカフェって何?と来る人もいるようで。
「ダンボールでこういうことも出来るんだ、って発信にはなってます。あと打ち合わせするにも目の前にあるとイメージ膨らみますよね」

--けっこう頑丈なんですか?たとえばこのダンボールのテーブルや椅子とか。

「そうですね、こういう所に置くにはオーバースペックなんですけど、テーブルは耐圧だけでいえば3トン。椅子なら1.5トンは大丈夫です」

--3トン!ちなみにこのテーブルだとどのくらい使ってるんですか?

「もう6年くらいですね。開店前からあったものなので」

--すごい丈夫ですねえ。いわゆるダンボールのイメージとは全然違う!

「火や水には弱いんですけど、丈夫で加工しやすいし、柔らかい雰囲気も作れます。組み方によっては強くなる。いろんな使い方を直で見てもらえる場所ですね」
こういった棚もダンボール製。パッと見は木製ですよね。
こういった棚もダンボール製。パッと見は木製ですよね。
就労目的ということで値段は破格値。
就労目的ということで値段は破格値。
週に一度は夜「BARだんぼうる」も営業してるそう。
週に一度は夜「BARだんぼうる」も営業してるそう。
ちなみに矢野紙器さんはこうしたダンボールでの家具以外にも、ショッピングセンターなどで子供が遊べるダンボールパークみたいなのを作って大きなスマートボールや迷路を設営したり、子供たちとのワークショップのイベントも開催しているそう。そういう小口での製造が出来る工場ならではの強みです。それ以外にも東京現代美術館の展示物の制作も行ったりしてるのだとか。
パンフレットより。このデカさ楽しそう!
パンフレットより。このデカさ楽しそう!
イベントで子供達と作る兜。かっこいい!
イベントで子供達と作る兜。かっこいい!
こちらは象。束ねて厚みを作ればまた別の造形が生まれるんですねー。
こちらは象。束ねて厚みを作ればまた別の造形が生まれるんですねー。
先の写真で見たように隣は紙工場。ちょっと覗かせてもらったら、目の前にうずたかく積まれたダンボール!こう見ると普段見るダンボール、なんですけどねえ。あんな椅子とか机になっちゃうんだなあ。
こっちはいつも使う系ダンボール。にしてもすごい量ですが。
こっちはいつも使う系ダンボール。にしてもすごい量ですが。
ふだん自分たちが使う時はだいたい運搬用、しかも丁重に扱う用でもないダンボール箱。しかしダンボールそのものもこういう可能性があるし、お店自体も新たな可能性を生む場所なんだなあ。

島津さん曰く「人の入れ替わりも多いし、バーやりたいって言ったらやれるし、あとギャラリーとしても使ってもらってるんです。特徴としてはそういう『ゆるさ』ですね」。ゆるさというか、自由というか。そんな空気に満ちたカフェですね!
次は台風じゃない日にご飯食べに行きたい!普通に。
次は台風じゃない日にご飯食べに行きたい!普通に。
テイクアウトカフェだんぼうる

〒543-0053 大阪市天王寺区北河掘町8-18

お話をうかがった島津さん。座ってる背もたれ長い椅子もダンボール製。
お話をうかがった島津さん。座ってる背もたれ長い椅子もダンボール製。

天王寺駅からちょっと歩きますが

お店にいらっしゃるお客さんは、近所の方はもちろん近所の四天王寺の縁日の日(毎月21・22日)はいろんな方が訪れるのだとか。関西近辺の方は縁日に合わせてぜひ!
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