行きづらい店で一日三食を目指す
長く開けておいた方がお客さんがたくさん来そうでもあるのに、短い時間しか営業しないラーメン屋。そこにどんな理由があるかはわからないが、短期決戦を挑まれているようで期待も高まるというもの。
今回はそういう店で朝昼晩の三食を食べてみたいと思う。まずやってきたのは、静岡県の藤枝市だ。
今回はそういう店で朝昼晩の三食を食べてみたいと思う。まずやってきたのは、静岡県の藤枝市だ。
朝のから元気
駅前の床屋の名前が気になる
朝からラーメンを食べる「朝ラーメン」の習慣があるとされる街だ。藤枝市は古くからお茶の栽培が盛んで、その取引などの仕事が終わるのが明け方。それから朝ごはんを食べるために、評判のラーメン屋に早朝から列ができることから始まった習慣であるらしい。
市内には朝からラーメンを出す店がいくつもあるようだが、そのうちの一つを訪れてみよう。
市内には朝からラーメンを出す店がいくつもあるようだが、そのうちの一つを訪れてみよう。
行列できてる!
まだ7時前なんだけど
店の名前は「○元(まるげん)」。藤枝でも特に早くから開いている店で、週末や祝日は明け方というか夜中の3時台から開店し、6時ぐらいにはもう閉まってしまうらしい。
今回訪れた平日は6時台から開くとの情報を聞いていたので、40分過ぎにやってきた。9時ごろには閉店とのことなので、うっかり寝坊はできない。無事起きて来たが、写真のように既に行列ができている。
まだ開店前で並んでるんだな、と思ったが、店内をよく見ると満席でみんなラーメンをすすっているではないか。もう開いてるんだ、このお店。
今回訪れた平日は6時台から開くとの情報を聞いていたので、40分過ぎにやってきた。9時ごろには閉店とのことなので、うっかり寝坊はできない。無事起きて来たが、写真のように既に行列ができている。
まだ開店前で並んでるんだな、と思ったが、店内をよく見ると満席でみんなラーメンをすすっているではないか。もう開いてるんだ、このお店。
正直、眠いですわ
メニューはシンプル
驚きながら並んでいると、回転は思ったより早く、10分ほどで入店できた。メニューは「とんこつラーメン(500円)」と「○元ラーメン(550円)」。後者を頼んでみた。
朝の空気に輝くラーメン
こんな朝からラーメンを食べるなんて個人的には初めてだ。違和感もあったが、こうして目の前に出てくると、そのおいしそうなにおいに 反応して食欲が湧いてくる。
藤枝のラーメンはあっさり目の醤油ベースが多いようだが、この店はやや異色であるらしく、とんこつ。メンマをスパイスで和えてあるのも特徴か。隣の人が食べていた「とんこつラーメン」と比べると、赤く浮かんで見えるにんにくチップが入っている違いがあるようだ。
食べてみる。とんこつだけに味わいは濃厚。パンと牛乳のような適当な朝食よりも、しっかり一日が始まるスイッチを入れてもらった気がする。
藤枝のラーメンはあっさり目の醤油ベースが多いようだが、この店はやや異色であるらしく、とんこつ。メンマをスパイスで和えてあるのも特徴か。隣の人が食べていた「とんこつラーメン」と比べると、赤く浮かんで見えるにんにくチップが入っている違いがあるようだ。
食べてみる。とんこつだけに味わいは濃厚。パンと牛乳のような適当な朝食よりも、しっかり一日が始まるスイッチを入れてもらった気がする。
カウンターにあるニラ
目覚めが加速
カウンターに薬味として、唐辛子で和えたニラがあるのも珍しい。一日の始まりににおいのきついものを食べるのには少々覚悟がいるかもしれないが、この日は このあとまたラーメンを食べるくらいしか予定がなかったので入れてみる。ラーメンにさらなるパンチ力が加わって、ばっちり目が覚める。
世界一長い木造橋、蓬莱橋
東京方面に向かいます
とんこつラーメンの店ということで替え玉も注文できたが、今日はラーメンばかり食べることになっているのでここは控えておこう。食べ終わったあとは少々観光し、車で東京方面へと向かう。
おしゃれタウン恵比寿
「ら~めん」という表記が麺っぽい
やってきたのは東京の渋谷区。駅で言うと代官山と恵比寿の間にある「らーめん山田」という店だ。お店の人に聞いたところ、11時半に開けて、大体2時頃には閉めるとのこと。たった2時間半という営業時間だ。
うちわの柄がかわいい
朝食にはとんこつラーメンを食べたわけだが、この店はのれんからもわかるように札幌ラーメンの店。しかし意外なことに、ラーメンの名前としては、とんこつラーメンとかなり 似ているものを出すのだ。
見た目の意外性もすごい
この店が出すのは「トンカツラーメン」。だじゃれのようでもあるが、本当なのだ。
書き間違いではなく「トンカツラーメン」
その証拠にしっかりとんかつ入ってる
ともに好物で親しみのあるトンカツとラーメンだが、それが合体したものは食べたことがなかった。写真の通り、肉の厚みもしっかりある本格的なトンカツだ。
食べてみる。トンカツは衣がカリカリ度が強く、スープがたやすく染みこんでこない仕様。麺と一緒に少しずつ食べていっても、クリスピーな食感がずっと楽しめる。
食べてみる。トンカツは衣がカリカリ度が強く、スープがたやすく染みこんでこない仕様。麺と一緒に少しずつ食べていっても、クリスピーな食感がずっと楽しめる。
食べ応えのある麺
本場の名前入りがうれしい
塩や醤油のラーメンもあるが、看板にも大きく出ていたようにここは基本的には札幌ラーメンのお店。今回注文したのも「みそトンカツ」だ。
味噌ラーメンらしく、麺はしっかりした食感。よく見るとのれんには、札幌にある製麺所の名前が入っていた。北海道に行かずとも、その土地の味を楽しめるのがうれしい。
味噌ラーメンらしく、麺はしっかりした食感。よく見るとのれんには、札幌にある製麺所の名前が入っていた。北海道に行かずとも、その土地の味を楽しめるのがうれしい。
こういうムーディーはあくまで副産物
朝・昼とラーメンを食べて、続いてやってきたのは横浜。次の店が開くまではかなり時間があったので、買い物をしたり映画を見たりして過ごす。上の写真はみなとみらい地区のものだが、ここから黄金町の方へと移動したところに目的の店はある。
シンプルさに惹かれる店構え
カウンターだけの店内
お店の名前は「名物屋」。なんとも味わいのある響きだ。L字型のカウンターだけの店内で、椅子は8つ。来訪時は半分ほどが埋まっていた。
夜8時開店
フルオプションで1350円
夜8時から深夜1時までの営業というこのお店。来訪時は10時過ぎだったが、あとからお客さんが次々と入ってくる。椅子が離れて開いていたところに2人連れの客が来たので、みんながそうしていたように席を詰めて座り直す。気がつけば満席だ。
メニューにある1350円の「支那竹チャーシューワンタンメン」が気にはなったが、ここは一番シンプルな「ラーメン」を注文。
営業時間は5時間と、今回訪れた店の中では最も長いが、夜8時開店というのはかなり変則的。そして、漂う雰囲気が大人だ。
メニューにある1350円の「支那竹チャーシューワンタンメン」が気にはなったが、ここは一番シンプルな「ラーメン」を注文。
営業時間は5時間と、今回訪れた店の中では最も長いが、夜8時開店というのはかなり変則的。そして、漂う雰囲気が大人だ。
夜更け仕様のラーメン
しばらくしてやってきたラーメン。今回の中で一番シンプルなたたずまいだと思う。
チャーシューが厚切り
淡い色合いのスープ
夜遅くに食べるラーメンには少々罪悪感も伴うものだが、この店のラーメンは穏やかな味わいで、罪の意識を薄めてくれる。油は強くなく、さらっと食べられるタイプだ。
ゆっくり食べていると、ササッと食べ終わった隣の席のお客さんが「席、ありがとうございました」と、先ほど詰めて座ったことに対してお礼を言って帰っていかれた。このあたりの雰囲気も大人。
最後のラーメンをとてもよい心地の中で食べることができた。ごちそうさまでした。
ゆっくり食べていると、ササッと食べ終わった隣の席のお客さんが「席、ありがとうございました」と、先ほど詰めて座ったことに対してお礼を言って帰っていかれた。このあたりの雰囲気も大人。
最後のラーメンをとてもよい心地の中で食べることができた。ごちそうさまでした。
スープ全部飲んでも高ぶらない罪悪感
営業時間の短さゆえに、何かを期待して訪れた3つの店。味や独自性、雰囲気など、どこも魅力のある店だった。
だからこそ、もっと長い時間やって いてほしいとも思うのだが、そうするとそれぞれのご主人が今大切にしているものが、もしかしたら壊れてしまうのかもしれない。
そう考えると、短い営業時間も味のうちに入るとも言えるのだろう。どの店でもおいしくいただきました。ごちそうさまでした。
だからこそ、もっと長い時間やって いてほしいとも思うのだが、そうするとそれぞれのご主人が今大切にしているものが、もしかしたら壊れてしまうのかもしれない。
そう考えると、短い営業時間も味のうちに入るとも言えるのだろう。どの店でもおいしくいただきました。ごちそうさまでした。