特集 2011年8月20日

あの毒グモは今

クールかつホットなデザインがイかす
クールかつホットなデザインがイかす
セアカゴケグモ。ある程度の年齢以上の方ならば大方聞き覚えがあるに違いない。ほんの15年ほど前に世間を騒がせた外来の毒グモの名である。当時は各メディアで連日大きく取り上げられ、最初に侵入が確認された関西地方の住民たちをはじめ、日本中を震撼させたものであった。しかし、いったん騒ぎが収束して以来、ほとんど続報を聞かなくなってしまった。彼らは今もこの国に潜んでいるのだろうか。

注意)タイトルでおわかりかと思いますが、この先クモの写真がたくさん出ます。苦手な方はご注意下さい。
1985年生まれ。生物を五感で楽しむことが生きがい。好きな芸能人は城島茂。

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伝来の地、大阪へ。

セアカゴケグモに会いたい。だが情報が無い。情報が無いからこそ一層出会いたいとも思うわけだが。
こういうときは過去の情報に頼るしかない。セアカゴケグモはオーストラリア原産の外来種だが、日本で初めて見つかったのは大阪府であったらしい。
大阪と言えばたこ焼き…だけではございません。
大阪と言えばたこ焼き…だけではございません。
毒グモ伝来の地大阪。よし、ここへ行こう。地域の名物料理の場合、どこで食べようか迷っても、元祖を謳うお店に行けばまあハズレはないものだ。そんな誰が聞いても的外れな理屈で目的地を決めてしまった。

心強い助っ人登場

さて、やってきましたは大阪府堺市。
実は僕にとって初めての大阪。
実は僕にとって初めての大阪。
なぜ堺なのかというと、毒グモ事情に詳しいある人から「そのあたりがセアカゴケグモのホットスポットらしい」と出発直前にうかがったためである。その事情通とはこの方。
有毒生物偏愛サラリーマン、伊藤健史さん。
有毒生物偏愛サラリーマン、伊藤健史さん。
以前に当サイトのUSTREAM配信で共演させていただいた伊藤さんである。有毒生物のことならこの方に聞けば間違いないだろうと思い、今回の企画について相談をさせてもらっていたのだが、なんと情報提供どころか大阪までご一緒していただけた。貴重な休日を削ってもらってまで。頭が上がらない。
まずは堺市役所へ。
まずは堺市役所へ。
やみくもに探してもきっと発見は難しいだろう。というよりも、まずどこを探せばいいかもわからない。まずは現地入りしたからこそできる、確実な情報収集をしなければならない。伊藤さんの勧めで市役所へ向かうことに。
市役所内で配布されていたセアカゴケグモ対策リーフレット。
市役所内で配布されていたセアカゴケグモ対策リーフレット。
おお!我々にうってつけの資料があるではないか。ここまで大々的に注意喚起されているということは、やはりこの町に奴らがいるのは間違いないようだ。
リーフレットによると、セアカゴケグモは排水溝のふたの裏や公園の遊具の陰など、低い位置にある人工物の物陰に多いらしい。また、巣には落ち葉が絡まっていることが多いらしい。

恥を忘れて探す。

よし、探し方がわかったところでさっそく毒グモハンティングに移ろう。
市街地を歩きながら、いかにも彼らが潜んでいそうな場所をしらみつぶしに覗き込んでいく。

地面にへばりついて探しまくる。
地面にへばりついて探しまくる。
伊藤さんも負けてはいない。
伊藤さんも負けてはいない。
…道往く人の視線が痛い。かなり恥ずかしいぞ、これ。
だがそんなことは言っていられない。羞恥心は忘れて探し続けよう。旅の恥はかき捨てと言うではないか。

それにしても探すべきポイントが多すぎる。「人工物の陰」なんていわれても、大都会大阪は人工物まみれなのだ。絞りようがない。
歩道橋の陰。怪しい。
歩道橋の陰。怪しい。
水抜き管の中。怪しい。
水抜き管の中。怪しい。
ベンチの下。怪しい。
ベンチの下。怪しい。
児童公園ですべり台を覗き込む男。怪しい。
児童公園ですべり台を覗き込む男。怪しい。
疑心暗鬼になってしまい、街中を舐めるように手当たり次第に探ることになってしまった。
そう、「どこにでもいる」生き物の捜索は実は難しいのだ。たとえばカブトムシを探すなら林の中でクヌギの木だけを見て回ればいい。しかし今回探しているクモの場合、そういう目印が多すぎるのだ。ハチ公とモアイ像が無数に乱立する渋谷で待ち合わせをするようなものだ。
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