旧水田家住宅
千葉県鴨川市の山奥を走っていると、「旧水田家」というハンドメイド感あふれる看板がちょこちょこ現れる。
水田家ってなんだろう?勝手に入れる人んち系だろうとは予測がつく。
行ってみる事にした。
多くを語らない看板。
かわいい。
「警笛鳴らせ」の標識を初めて見たので興奮した。
小高い丘をのぼると絶景がみえてくる。
と思ったら下る。本当にこんなところに家があるのか。
家などない
家はおろか、外灯もなくなってきた。さっきまでぽつぽつ見えていたビニールハウスも姿を消していた。
ビニールハウスもついに骨組みだけに。ここでビール飲んだらおいしいだろうな。
竹林がきれいに手入れされている。ずっと人の気配がしないけど、すごくかっこいい道。
ここか
ついに「旧水田家」に着いた。
あの看板のおっとりしたイラストから予想していたのとはずいぶんかけ離れた外観であった。
まんが日本昔ばなしでおじいさんとおばあさんが住んでるみたいな、こぢんまりとした一軒家を想像していたのだ。
立派すぎてびっくり。
でもわらぶき屋根。
水田さんってどんな人?
名前だけ見ると稲作の人っぽいけど、明治中頃の水田家当主は英国から初めて輸入されたホルスタインを飼育した人らしい(この辺りは酪農が盛ん)。
そしてその孫が通産大臣や大蔵大臣を歴任したのち城西大学を創立したとのことです。へー。
…というような事がここに書いてありました。
人がいないけどベンチが多い。
築150年
この家は「登録有形文化財」に登録されているそうだ(参照:
wikipedia)。文化財のお家に勝手に出入りできるのがちょっと嬉しい。
靴をぬいで上がってみると、時がとまった感覚があった。
むしょうに昼寝がしたい!
囲炉裏の部屋。床はぴかぴかに磨かれていた。
この囲炉裏で魚焼いてお酒飲み始めたら怒られるだろうか。
土間の道具もそのまま残っている。
30分くらい遊んでいたが、日曜なのに人がひとりも現れないので少し不安になるくらいだった。
交通の便がいまいちなので人が来ないのだろうけど……古民家を独り占めしているようで贅沢な気持ちになる。
もしかして、もうここは自分だけの別荘にしてしまえるのではないか…!(帰り際に確認したら管理事務室が敷地内にありました)
京都っぽい
この日はとても蒸し暑かったが、水田さんちの中は涼しかった。縁側に腰をかけていると、京都のお寺でくつろいでいるような気分になるのです。
人の居なさもすごいけどこの開けっ放し感もすごい。
ここでビール飲みたいです。
鯉みながら。
ちなみにこの近辺にはお店はおろか自販機もない。あるのは山と竹やぶとビニールハウスの骨組みだけだ。
二階の板の間がわくわくします。
窓の外を見ながらビール飲みたい。
忍者屋敷のような階段なので酔ってたりすると危険。
関東大震災に耐えた
説明書きに「江戸後期につくられたこの家は、関東大震災では近くの建物がほとんど崩壊した中、無事だった」と書いてあった。
それを聞いて「その頃は周りに建物あったのか」と思ってしまった。
かっこいいいタンス。
秋頃にまた来て、ずっと読書をしていたい。
以上、誰にも教えたくないけど教えちゃいました。
遭難しないようにおでかけください
安房鴨川駅(東京駅から2~3時間)から車で20分、バスを利用する場合はバス停から徒歩20分(一日2本)、という難易度の高い交通アクセスだけど、とてもオススメのお家です。入場無料。
家のうしろの風光明媚さも必見。ビールのCMに使われそう