特集 2011年8月9日

100均飲み会

全部100円ショップでそろえた
全部100円ショップでそろえた
近ごろの100円ショップはすごい。
洋服とか靴とか家電とか、そういった大物をのぞけば、生活に必要な物の大半が揃ってしまうのではないかと思うほどの品揃えだ。
特に食品関係の品ぞろえは、この数年で驚くほどに広がった。
100円ショップの商品だけで飲み会ができるのではないだろうか。
やってみよう。
1973年北海道生まれ。物心ついた頃から飽きっぽい。そろそろ自分自身にも飽きてきたので、神様にでもなってみたい今日この頃。

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100円ショップで買いだし

今回100均飲み会の素材をそろえたのは、おなじみダイソーと、生鮮食品の品ぞろえがすごいローソンストア100だ。
この二店で、飲み会の材料をそろえる。
キングオブ100円ショップ ダイソー
キングオブ100円ショップ ダイソー
生鮮食品が充実 ローソンストア100
生鮮食品が充実 ローソンストア100

そろいましたよ

買ってきた材料をテーブルのうえにドドンと広げた。
お通しから始まる飲み会の流れを意識して購入。
とはいうものの、締めのご飯ものとデザートは買っていない。
飲み会の定番なのだろうけど、僕はいつも「いらないなー」と思っている派なので(そんな派があるのか、それはただの飲んべえではないかとやや不安だ)、今回は用意しなかったが、それらももちろん100円ショップで手に入る。
どさっと揃えた
どさっと揃えた

会社の会議室で飲み会

100円ショップで買ったものだけでする飲み会、名付けて100均飲みの会場は会社の会議室だ。
業務終了後とはいえちょっとした背徳感があって楽しそうである。
まずはお通しの枝豆
まずはお通しの枝豆
まずはお通しの枝豆からスタート。
ローソンストア100で購入した冷凍の枝豆を2時間ほど常温に放置しておいた。
これくらいの自然解凍状態で食べると、ちょうど冷たくておいしい。
ゆでたての枝豆ももちろんおいしいが、ところどころ凍っている冷たい枝豆もうまい。
居酒屋メニューの定番ですな
居酒屋メニューの定番ですな
つめたくてうまい
つめたくてうまい

100円酎ハイで乾杯

100円ショップにはアルコールもある。
今日買ってきた缶酎ハイも100円(税込み105円、以下同様)だ。
しかもアルコール度数が8%と7%(ふつうの酎ハイは5%くらい)。
ものすごいコストパフォーマンスである。
ひとり2缶くらいあれば(つまり200円で!)かなりごきげんになれるということだ。
100円酎ハイで乾杯
100円酎ハイで乾杯

ゲストを呼んだ

会社の会議室で、一人缶酎ハイを飲んでいる図はかなりダメな感じなので、ゲストを呼んだ。
ちょうど毎週金曜日に放送しているデイリーポータルZラジオに来てもらっていた火曜ライターのほそいあやさんと、編集部の石川に、放送のあと残ってもらい、飲み会への参加をお願いした。
じつをいうとこの100均飲み企画、以前のラジオ内(こちら)で思いついた企画なのだ。
そのときのメンバーが揃うことになったので、今日の飲み会となったのである。
100円でもうまい
100円でもうまい

おつまみラインナップ

100円酎ハイはとてもうまい。
コンビニに売っている普通の缶酎ハイと遜色のない味だ。
おいしい酎ハイに気分も高まったので、おつまみを食べようか。
生ハムも100円
生ハムも100円
ポテトサラダも100円
ポテトサラダも100円
韓国海苔は焼き肉屋で食べるのの5分の1くらいか
韓国海苔は焼き肉屋で食べるのの5分の1くらいか
高級っぽい缶詰
高級っぽい缶詰

豪華ではないがみすぼらしくもない

100円のおつまみを並べてみたが、なかなかのにぎわいになった。
もっとみすぼらしくなってしまうかと思ったが、けっこうイケているではないか。

シンプルだけどいい線じゃないか
シンプルだけどいい線じゃないか
特にポテトサラダがいかにも居酒屋っぽい感じでうれしい。
居酒屋っぽい感じといっても、お通しの味なのだが、僕はお通しだけでも満足できる派なので(そんな派があるのかどうか再び不安だが)、このポテトサラダはとても良い。
ハムも人気
ハムも人気

100円オイルサーディンもうまい

今回のおつまみの中ではちょっと珍しい部類に入るのが、いわし油漬けの缶詰だ。
いわゆるオイルサーディンである。なかなかおしゃれではないか。
しかも、なかなかうまい。
100円のものを声高に「うめー!」というのもちょっと気恥ずかしいので控えめにいうが、なかなかなものだ。
こんなおつまみが100円で買えるなんて、日本はいい国だ。
これものすごくうまいな
これものすごくうまいな

飲み会の定番焼き鳥も

そして飲み会には欠くことのできないメニュー、焼き鳥も100円である。
今回は冷めたままでもおいしいように缶詰を用意したが、ローソンストア100では本物の焼き鳥もお総菜コーナーにある。
焼き鳥がある幸せ
焼き鳥がある幸せ

「これも100円」って盛り上がる

酎ハイがすこしまわってきた。
その分だけ飲み会のトーンもアップする。
はっきり言ってしまうが、ここにいる3人に共通の話題というのはあまりない。
普通の飲み会であれば話題に詰まるところであるが、100均飲みだと、目の前のつまみを話題にできる。
「これが100円なんてすごいですね」という話から始まって、100円の価値について楽しい会話が続いた。
100円の価値について語り合う
100円の価値について語り合う
100円ってすごいよねー
100円ってすごいよねー

100円であることを忘れる

そのうち、今日の飲み会全部が100円だということも忘れて話に花が咲いてきた。
すっかり普通の飲み会である。
つまりこれは100均飲みが成功しているということだ。
100円でそろえたことに何ら不満を感じていない証拠である。
8%はよくまわる
8%はよくまわる

美しすぎるうずらの卵

最初に出したおつまみがだいぶ少なくなってきたので、次の一品を追加しよう。
うずらの卵の缶詰である。
なんだこの美しさは
なんだこの美しさは
この缶詰を開いて驚いた。
卵の漬かっているスープが、驚くほど綺麗なのだ。
永遠を見通せそうなほどの透明感にしばしの間、目を奪われた。
美しい。
まるで宝石のようだ。
僕がいままで探し求めていたものはダイソーにあったのか。
汁を飲む
汁を飲む
そんなうまいもんじゃなかった
そんなうまいもんじゃなかった

楽しい飲み会特有の妄想

楽しい酒の席だと、なんだか普段ならどうでもいいはずのものに価値を見いだしてしまうことがある。
このうずらの卵の汁(さっきはスープと書いたがこれも妄想だ)がきれいだと騒いだりしてしまうのも、飲み会が楽しいからだ。
100均飲みでもその楽しさは十分に味わえるのである。

ちなみにこの美しいスープは、飲んでみると卵臭くていそんなにおいしいものではなかった。
それを「へー、どれどれ」と回し飲みしたりしてしまうのも、飲み会ならではの光景といえよう。
酒の席での、こういうやらなくてもいいどうでもいいことの積み重ねが、人生の厚みとなっているのだ(と願いたい)。
なぜか回し飲みに
なぜか回し飲みに
微妙な味を共有
微妙な味を共有

ちょっとつまむものを

飲み会も終盤になってくると、「ちょいとつまめて長持ちするもの」がほしくなってくる。
そこで登場するのが“ムラオカのごんじり”である。
これは大根の漬け物で、つまみにもってこいだ。
ちょっとつまむ物
ちょっとつまむ物
だいぶできあがってますよー
だいぶできあがってますよー
これをパリポリとやりながら、飲み会は最後の盛り上がりを迎えた。
おしまいの方では誰一人として、今日が100円ショップで買ったものだけでそろえた飲み会であることを意識しなくなっていた。
100円酎ハイは思いのほか酔う
100円酎ハイは思いのほか酔う(ので写真のアングルが曲がった)

ビバ! 100均

今日消費したのは1300円。
税込みでも一人当たり450円ちょっとである。
それで十分楽しむことができた。
僕は大人なので、飲み会にもう少しお金をかけることはもちろんできるが、こういうひとつ制約のある飲み会というのもいいものだ。
みんなで100円ショップに買い出しに行ってから飲み会に突入するというのも楽しそうだから、次はそうしよう。
会議室なのでお片付けはしっかり
会議室なのでお片付けはしっかり
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