近所のスーパーはアラ各種豊富な品揃え
よくいく近所のスーパーの鮮魚コーナーは、冷蔵の棚の一番上がアラコーナーになっている。
各種、というのがグッとくる
ブリ、サーモン、塩鮭、生鮭、マグロあとはイサキなんかが出てるのを見たことがある。
カマとか頭の部分だけじゃなく、これほとんど身でしょ! ねえ! ねえ! というような切り落としのような部分がぎゅうぎゅうになってパックされていることが多い。
これが通常のパックに比べるとすごく安いので、安いもの好きの私はウキウキ買ってしまうのだ。
こだわりなく安いものを買うという姿勢です
この日はぶりアラが98円だった! 買う!
買ったアラは普通に料理して食べている。売り場には「アラ汁に!!」とあったが、ほとんどアラ汁にすることはない。煮て食べることが多いだろうか。ちょっとした貧乏料理だ。
給料日直後なんかは普通の切り身に目がいくが、ふところにも気持ちに余裕がなくなると頼るのがアラコーナーというところだろうか。
常にふところに余裕のある人のスーパーへ
ということは、常にふところに余裕のある人たちの行くであろう高級スーパーにはお買い得のアラ売り場は、どうなんだろう、あるんだろうか。
ないのか? えっ?! アラ売り場のないスーパーなんて!
気になりすぎて自転車飛ばした
高級系入門編、クイーンズ伊勢丹
1軒目に行ったのはクイーンズ伊勢丹。デパートで有名な伊勢丹のスーパーマーケット業態だ。
高級系スーパーであることは間違いないのだが、買ったものの袋詰めがセルフであるところなど(本気の高級スーパーだと、レジを通ったあと袋に詰める係りの人がいるじゃないですか。しかも袋は紙袋! ヒュー!)、まだまだとっつきやすい印象がある。
切り落としは切り落としでもハムやベーコンが多数
この店は生ハムやベーコンの良さそうなのが切り落としで1パック400円くらいで売られていた。切り落としというとお買い得のイメージだが、400円。しかも生ハムかあ。
なんだろう、安さが高級だ。
以前「うちはご近所がみんな外車だから気後れしちゃって」と話していた知り合いの家に行ったら車庫にレクサス入ってたのを思い出したが、あんまり関係ないか。
ないけど、あった
この日の鮮魚コーナーのメインらしい大分の養殖ぶりの切り身、480円
奥にアラが! 350円と380円
さて、クイーンズ伊勢丹の鮮魚売り場にはアラコーナーはなかった。
ないけれど、切り身の魚のパックに並んで、その魚を下ろしたときに出たアラらしきパックは売られている。
なるほど、そういう売り方か。値段は通常パック480円に対してアラは350円~380円。若干程度であまり安くない。
激安にしないのがセレブのたしなみ、ということか。
350円の方を買って、醤油で圧力鍋でアラ煮にした
生きた笹が入っているザ・ガーデン自由が丘
続いてセブン&アイ系の高級スーパー、ザ・ガーデン自由が丘へ。
入り口に自動演奏のピアノが置いてあって人々をびびらせたこの店だが、今はない。ピアノの代わりに店頭には10,000円のスイカが置いてあって結局びびった。
いや、今日は物の高さや店の高級さに驚きに来たのではないのだ。アラだ。アラはどこですか。
魚のパックに葉っぱ入ってるぞ。高級!
おお、アラコーナーあった。アラにも葉っぱが
アラコーナー、存在するも安くない
鮮魚コーナーのパックには、ひとつひとつに笹の葉が入っていた。なるほどこれは高級感だ。
アラばかりを集めたアラコーナーもあった。ぶり、紅鮭、甘塩のタラなどが並んでいる。
見るとアラのパックにも葉っぱが入っているじゃないか。値段も通常の切り身と変わらない。切り身が500円ならアラも1パック500円で売られている。
しいて言えばアラの方が量が多いくらいか。アラが安く叩き売られていないのだ。
ブリの照り焼きにするのに切り身を買うのも、ブリのアラ煮を作るのにアラを買うのもどちらもセレブということか。
で、買ったのは480円の北海道の塩紅鮭のアラ一式
ゆでてほぐして、いつもだったら酒で炒ってフレークにするところですが
せっかくなのでピーマンだとか野菜と炒めてくれましたわ。高いだけにやっぱり美味しかったような
いよいよアラも高いという現象、紀ノ国屋
アラと切り身の平等という新たなものの考え方にふれながら、最後は東京の高級スーパーのラスボス、紀ノ国屋へ行ってみた。
勇んで上陸直後、「サービス!」でなお49円のもやしに目をむく
そのほかにももろもろの高級品に目をうばわれながら鮮魚コーナーにたどりつくと、アラのコーナーはないようだ。
だが、通常の切り身のパックとアラを一緒に並べるというクイーンズ伊勢丹と同じ方式でアラらしきものも売られていた。
「アラらしきもの」というのは、値段が高いのでアラなのかどうか一瞬で区別がつかなかったのだ。
これ、カマだよな? つまりアラ?
上のカマは500円。切り身が600円なので安い方だが、カマが500円というのはさすがの値段設定。
さらに、本鯛のあたまもあって、こちらは700円以上した。さすが本鯛。さすが紀ノ国屋。
結局、こちらではそのほかアラらしいアラは見つけられなかった。探せば探すほど、そのほかの魚の高さに注意を奪われる。
なにせサンマが一尾980円だ。まだ本格的な旬ではないとはいえ、堂々たる値段。
さらに天然の鮎が岐阜から届いていて一尾1400円。「そんなの高くて売れないから仕入れないで~!」という私の悲鳴は店長には届かなかった。そして多分売れるんだろう。さすが店長。
店長への敬意を表して鯛のかぶと煮にすべく鯛のあたまを買おうかとも迷ったが、やっぱり高くて手が出なかったのでした。
アラも普通のお魚だい
セレブにとって、アラは安いものではなく、アラ汁やアラ煮を作るためのちゃんとした素材ということなのか。だから安くないし、葉っぱも入ってる。
気持ちがいい。「どこ吹く風」がさわやかに吹いている、そんな感じ。
「高級スーパーにも魚のアラは売っているのか」という記事タイトル、答えは、「売ってるけど安くない」 でした。そりゃそうだ、と思いながら、そうきたか、とも思う結果だった。
そしてやっぱり高級スーパーは楽しい。高い高いとヒーヒーいってわくわく見て歩いていました。