特集 2011年7月27日

ミニ三十三間堂を建設する

京都にある三十三間堂は、およそ1001体もの千手観音があることで有名。

腕が千本あるという千手観音がそんなにいるのだ。総数でいったいどれくらいの腕があるというのだろう。それはぜひ見たい。腕多すぎだよ~て言いたい。

しかし行ってみると撮影禁止だった。撮影禁止では記事に出来ない。 そこで、いくらでも撮影自由の三十三間堂を自分で作ることにしました。
1985年生まれ札幌市出身。髪がとても硬いため寝癖がなかなか直りにくい体質。そのためよく帽子をかぶっています。

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千手観音がすごかったです(感想)

三十三間堂は京都市からほど近い場所にある。 結構有名ながらも金閣寺や清水寺などの超メジャーに比べるとそれほど 観光客はいなかった。当然木刀を持った修学旅行生もいない。
国際的表記が観光地としての自信を感じさせる。
国際的表記が観光地としての自信を感じさせる。
三十三間の名の通り長い。
三十三間の名の通り長い。
外観はとても横長く、これだけでもだいぶ特徴的であるが、 しかし三十三間堂の本気は堂の中である。

なんといっても手がたくさんある金ぴかの千手観音が信じられないほどたくさんいるのだから、そのすごさは想像に難くない。
だから想像で我慢してください。
だから想像で我慢してください。
想像に難くない、難くないから、想像で十分。 そういうわけで堂内は撮影禁止だった。

禁止している理由はおそらく、屋台で生写真を売られるから。 とかではなくて宗教上の理由によるものだろうから仕方ない。

しかしそうなると、あのずらっと並ぶ千手観音のすごさを伝えるにはどうすればいいのか。

それには自分がレポーターとして身体で表現しなければいけないのではないか。
表現しています。
表現しています。
表現しようとしています。
表現しようとしています。
事情を知らない人が見たらまるでセルフタイマーのタイミングを思いっきり外した失敗写真だが、完全にただの失敗写真というわけではない。

セルフタイマーのシャッターがいつ降りたのか 分からなかったのは確かだが、このポーズにもちゃんと意図がある。 つまり、表現したかったのはこういうことだ。
すごーい。
すごーい。
天にも昇るすごさ。

この表現が適切かどうか分からないが、 どうか適当に撮れたポーズをむりやり解釈して合成とかすることによって、 説得力を出そうとしているとか思わないで欲しい。

写真あります

とはいえこれだけでは寂しいので、 お堂内でパンフレットとクリアフォルダーを買っておいた。
すごい文具。
すごい文具。
雰囲気としてはもうこのクリアフォルダーと同じ。 黄金の千手観音がこれでもかこれでもかと並んでいる。
中央にはラスボスの大千手観音様がおられる。
中央にはラスボスの大千手観音様がおられる。
これを「三週間で納品して」なんて言う企業とは取引しない方がいい。
これを「三週間で納品して」なんて言う企業とは取引しない方がいい。
こんな感じで迫ってくる夢を見ました。
こんな感じで迫ってくる夢を見ました。
このような感じでとにかく三十三間堂はすごい。

ただやはりパンフレットの写真を載せるだけでは限界がある。 なんとかしてもっと詳細に伝えられないだろうか。
自分で作ればいいのか。
自分で作ればいいのか。
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キヤノンで観音印刷

本物の三十三間堂が撮影禁止なら、 三十三間堂を自作してしまおう。

それならいくらでも撮影可能なうえに、パンフレットの写真だけでは伝わらない 臨場感も表現することが出来るはず。
観音様をスキャンする。
観音様をスキャンする。
ほんとすいません。
ほんとすいません。
量産されていく仏。
量産されていく仏。
ひどく罰当たりなことをしてるような気がする。 しかしCanonの名前は元々観音から付けられたもので、 しかも昔のロゴは千手観音だったのだ。

故に、ものすごく真っ当なことをしていると言っていい。言う。

土台作り

印刷した千手観音は一つずつ切り抜いていく。

ただ結構な数になってかなり面倒な作業。 なのでまず観音様を置く土台の部分を作っていく。
これを階段状に接着。
これを階段状に接着。
接着剤が乾くまでの抑えにゴリラが活躍することはもはや赤子でも知っている。
接着剤が乾くまでの抑えにゴリラが活躍することはもはや赤子でも知っている。
昔の仏師もゴリラの力を借りたに違いない。
昔の仏師もゴリラの力を借りたに違いない。
本来の三十三間堂の土台は十段ぐらいあったが、 さすがにそこまで千手観音を設置するのは大変と判断、 半分の五段にした。あくまでミニチュア版だからという言い訳である。

138体を切り抜く

この五段の土台をちょうど埋める数を計算したところ、 だいたい138体ほど必要なことが分かったので切り抜いていく。
必然的に切り方は雑になりますよね。
必然的に切り方は雑になりますよね。
一つとして同じ千手観音像はないと言われている。
一つとして同じ千手観音像はないと言われている。
田んぼに稲を植えるように。
田んぼに稲を植えるように。
なお写真の様子がいきなり朝になっているのは、面倒で翌朝まで寝てしまったからだ。

しかも翌朝というのもウソで、本当は印刷してから四日目の朝だ。
制作途中にお腹が空いたので夕食。いつもの食事風景がとてもありがたい感じに。
制作途中にお腹が空いたので夕食。いつもの食事風景がとてもありがたい感じに。

ダンボールお堂

千手観音と同時にお堂の方も作り始める。 お堂は例によってダンボール製だが、出来るだけお寺の雰囲気に近づけなくてはいけない。
そこで買ってきた木目シート。これを貼って床とする。
そこで買ってきた木目シート。これを貼って床とする。
一枚しか入ってなかった・・・。
一枚しか入ってなかった・・・。
この木目シート、値段が結構したので5、6枚入ってるのかと思ったら1枚しかなかった。

ダンボールが埋まるほど買うのは予算的に困難。とりあえずほかの部分は 修復工事中ということで許してほしい。
側面に穴を開ける。ちなみにダンボールはタワー型扇風機のもの。
側面に穴を開ける。ちなみにダンボールはタワー型扇風機のもの。
そこに障子を貼って襖を再現。
そこに障子を貼って襖を再現。
ここに住みたい。
ここに住みたい。
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千手観音入ります

お堂はあれで完成なので、あとは千手観音を設置すればついに出来上がりである。
既に完成してスタンバっていた観音様たち。
既に完成してスタンバっていた観音様たち。
お堂にインサート。
お堂にインサート。
そして覗くとそこには京都で見た三十三間堂が・・・
縮尺間違えた!
縮尺間違えた!
しまった。ダンボールと千手観音のサイズを全然考慮してなかった。 結果、とてもスカスカな中身になってしまっている。

小物足してごまかす

いまさらダンボールを小さくすることも、千手観音を大きくすることも出来ず、 やれることといえば小物を追加してなんとかごまかしていくことだけである。
そういえば柱があったな。
そういえば柱があったな。
ということで柱を追加してみる。

これまた縮尺無視でやたらでかい柱になったが、 本物らしさが2%アップしてると思う。見てきたから分かる。

しかしもっと重要な存在が欠けている。
観光客。
観光客。
カメラ撮影は禁止です。
カメラ撮影は禁止です。
あと帽子をかぶってはいけません。お堂内ではとりましょう。
もっと人数を増やしてリアリティーを出す。
もっと人数を増やしてリアリティーを出す。
全員同じ格好。
全員同じ格好。
人を増やせば現場感がより出るかと思ったら、 すべて同じ人だわ同じ格好だわで、異質感だけが増した。
最終的な似てる度30%。
最終的な似てる度30%。

小さな旅へ

そうだ
そうだ
京都
京都
行こう
行こう
・・・
・・・
行った。
行った。

歴史ある建築物は簡単には出来ない

結果的に三十三間堂の雰囲気を再現できたのかどうか。その結論を急ぐ必要はないが、 由緒ある建築物がいかに高度な技術で作られていて、それを素人が縮尺を考えないで作ると残念なことになるのは分かった。

こうしてまた、後世に伝えていくべき教訓と家庭ゴミが増えていくのである。
ラジカセ担いだ黒人。
ラジカセ担いだ黒人。
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