特集 2011年7月15日

鉄道の有名撮影スポットに行ってみる

トンネル、カーブ、海、山、国鉄カラー。
トンネル、カーブ、海、山、国鉄カラー。
鉄道好きにはさまざまなタイプがあるが、その中でも鉄道写真を撮るのが好きなタイプを「撮り鉄」という。

鉄道写真とは、鉄道が写ってさえいればどんなものでも鉄道写真なわけだが、できれば背景はなるべく美しいところがいいし、列車がより美しく見えるアングルがいい。

背景で言えば、橋、トンネル、海、山、川。線路ならカーブ。それとカメラを遮る障害物がないこと。

長い路線の中から、それらの条件に合致した場所を探すのは容易ではないが、愛好家の間では
「ここで撮ればバッチリ!」
という有名撮影スポットが幾つも在り、知られている。

そこに行って、自分も撮ってみた。
長崎より九州のローカルネタを中心にリポートしてます。1971年生まれ。茨城県つくば市出身。2001年より長崎在住。ベルマークを捨てると罵声を浴びせられるという大変厳しい家庭環境で暮らしています。

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長崎本線の有名撮影スポットへ

まずは、こちら。
記念切符の写真にもなってる有名撮影スポット
記念切符の写真にもなってる有名撮影スポット
「有名」と言っても鉄道ファンの中での話で、世間一般でいうとどれくらい有名か微妙なところだが、少なくとも私の中ではAKB48の誰よりも有名だ。長崎本線と言えばココ!という印象がある。

ポイントは、
・カーブ
・バックに海
・ヤシの木
といったところだろうか。

場所は、鉄道ホビダスというサイトの「お立ち台通信」というコーナーを参考にさせてもらった。このサイトは大変素晴らしく、今回撮影スポット巡りをしてみようと思ったのも、このコーナーを熟読していたことがきっかけだ。

大きな地図で見る
場所はこのへん。
何度か車で通ったことがある場所だが、具体的な撮影スポットがいまいちピンと来ない。ま、気にして行けばわかるだろうと、向かってみると…。
ん?ここ??
ん?ここ??

イメージとぜんぜん違う

最初、思わず通り過ぎてしまった。

が、ヤシの木が見えたのでひょっとして、とUターンして車を停めると、そこがどうやら目的の場所のようだ。

写真のイメージと全然違う。
辺りは草がいっぱい生えていて、アングルによっては草に遮られて線路が隠れてしまう。

が、望遠レンズをつけてファインダーを見ると、そこに切り取られた風景はたしかに見たことがあるものだった。
おお。たしかにここだ!
おお。たしかにここだ!

今回の撮影方法: 動画+静止画

私が使ってるカメラ(EOS7D)は、動画も撮れるのだが、動画撮影中にシャッターを押せば普通に静止画の写真も撮れる。

今まで一度も使ったことがない機能だが、今回は意外と臨場感が出るんじゃないかと思いこれでやってみることにした。
三脚にカメラをセット。
三脚にカメラをセット。
列車が訪れるのをしばし待つ。

山手線のようには次々とは列車はこない。
ここでは計90分待った。
その間に来た列車は上下合わせて4便。

列車が間近まで迫ると、ゴォォォォという重低音が聞こえてくるので、ドキドキしながらスイッチを押し動画の撮影を開始する。
ピントと構図は固定。
列車が狙った位置に来た瞬間にシャッターを1回だけ切る。(このへん詳しくは次ページにて)

で、こんな感じに撮れた。
有明海沿いを走る「白いかもめ」。
有明海沿いを走る「白いかもめ」。
列車が来た時の興奮感がすごい。
動画だと列車が来た部分だけを切り取ってるのでとても楽に見えるが、上の動画は炎天下の中、90分待ったうちの30秒だ。

この日は梅雨明けの真夏日で、
身の危険を感じるほどの暑さだった。
喉が渇いて死にそうな時に飲んだこいつが最高にウマかった。
喉が渇いて死にそうな時に飲んだこいつが最高にウマかった。
とにかく、ひたすら景色がいいところでボーッと待つ。それだけに、列車が来た時の興奮感はかなりのものだ。しかも一瞬で通り過ぎてゆく。

それはまるでビデオが無かった時代のウルトラマンみたいなものがあった。
これは47分待って撮った一枚。場所は同じ。
これは47分待って撮った一枚。場所は同じ。

鉄道写真の撮り方

有名撮り鉄スポットに行ったのは、実は前にも一度ある。

以前、島原鉄道についての記事を書く時に、
「やはり車内からの写真だけでなく、外から見た写真もあった方がいいよね~」
と思い、島鉄の有名撮影場所を調べて足を運んだことがあった。
島原鉄道。(2007年11月撮影)
島原鉄道。(2007年11月撮影)
上の写真がそれ。
左手に船が並んでいるのが見えるが、その部分は海で、満潮時だと海岸ギリギリのところを列車が走るという素敵な風景になる。
これは車内からだけど、潮が満ちてるとこんな感じになる。
これは車内からだけど、潮が満ちてるとこんな感じになる。
その時、私同様、鉄道写真を撮りに来てる人がいた。この人がかなり本格的な「撮り鉄」の人だった。
一緒に連れてきた娘が積極的にアプローチし始めた。
一緒に連れてきた娘が積極的にアプローチし始めた。
私はあまりそういう時にわざわざ話しかける方ではないのだが、一緒に連れてきた娘(当時4歳くらい)が石を拾い集めてプレゼントするなど、積極的にアプローチし始めてしまったので、それをきっかけにいろいろと話をした。

ちなみに場所はココ。大きな地図で見る
その人の撮り方はこうだった。

・レンズは単焦点の200mm。
・三脚に固定。ピントも固定。
・狙った位置に列車が来た瞬間、1、2枚撮影。

一方、その時の私は
・手持ち
・列車が通過する短い間に、ワイドで撮ったりズームで寄ったりと、構図を変えて何枚も撮る。
というやり方。

が、家に帰って撮った写真を見たら、「もうちょい海側を広く撮った方がよかったなぁ」とか、「もうちょっと列車の位置が奥ならよかったなぁ」とか、そんなんばっかで完璧なのが1枚もなかった。(トリミング等でごまかした)

つまり、そこで出会った撮り鉄氏の撮り方は何もかも正しかった、ということをその時学んだ。
中途半端なものを何枚も撮るより、
完璧なものを1枚撮った方がいい。
という考え方が、鉄道写真では往々にして当てはまるようだ。

絶好の撮影スポット発見

それから数年経ったある日。車を走らせていたら、たまたま有名撮影スポットに出くわした。
カーブ、トンネル、海、山。幾つもの条件を兼ね備えた絶好の撮影スポットだ。
カーブ、トンネル、海、山。幾つもの条件を兼ね備えた絶好の撮影スポットだ。
道端で有名人に会った時のように驚いた。
ここだったのか!と思った。

場所は東園駅と喜々津駅の間。大きな地図で見る
あそこでカメラを構えた。
あそこでカメラを構えた。
20分ほど待って撮った一枚。
20分ほど待って撮った一枚。
たしかここは「お立ち台通信」にもあったはず、と思って探してみると、案の定あった。(⇒ コレ

というよりも、お立ち台通信を私がよく読んでいたのでこの景色を見てピンと来たのかもしれない。
それはさておき、このあたりは非常に風光明媚なところで、他にも幾つか有名撮影スポットがある。ということで、日を改めて訪れた。
素晴らしい眺めだ。
素晴らしい眺めだ。

大きな地図で見る
大草駅と東園駅の間。
海と池(?)の間の草がもこもこしてるところを列車が通る。
海と池(?)の間の草がもこもこしてるところを列車が通る。
線路の両サイドが水。
ここを列車が通るところは、さぞかし絵になるに違いない。
三脚セット。
三脚セット。
三脚をセットし、後は列車が来るのを待つだけだ、と時刻表を開いてびっくり。なんと次に列車が来るのは一時間半後ではないか!

もともと1時間に上下線各1本ずつしか来ない路線なのだが、それがさらに、運悪く2時間に1本しかない時間帯に来てしまったのだ…。
時刻表を見てから行くべし。
木陰に移動。
木陰に移動。
帰るか…とも思ったが、あまりにいい景色だったので待つことにした。

さいわい、近くに木陰があったので日に当たらずに待つことができた。iPhoneの電波も通じる。
ここなら暑さで死にそうにならずに待てる。木陰って涼しい。
ここなら暑さで死にそうにならずに待てる。木陰って涼しい。
そして、1時間半後…

撮影の様子は再び動画でどうぞ。
鳥がいい声で鳴いている。
待ち過ぎてタイミングがおかしくなってしまった。
もう一寸待って、木陰から列車が顔を出したところを撮りたかった。。
もう一寸待って、木陰から列車が顔を出したところを撮りたかった。。
なんとも中途半端。
なんとも中途半端。
一時間半も待ったというのに、なんという中途半端さだろう。すかさず次の列車の時刻を調べる。

と、次も50分後…。

が、待った。
そして撮った。
さらに50分待っての再挑戦。
少しだけ電柱に隠れたところでシャッターを切ってしまった。。
少しだけ電柱に隠れたところでシャッターを切ってしまった。。
う~ん。
タイミングが意外と難しい。

もっとも、今回動画を撮りながらだったのでできなかったが、連写を使えばそういった悩みはなかっただろう。
5分後再々挑戦。
次の列車は5分後に来た。

タイミングが合わないのは構図のせいかもしれないと思い、今度は構図も若干変えてみた。
う~ん…。
う~ん…。
ま、こんなもんかな?
ま、こんなもんかな?
このあたりには他にも「ここで撮ったら絵になりそう」と思うスポットが幾つもあった。 (時間がかかるのでそうサクサクとは撮れないけど)
このあたりには他にも「ここで撮ったら絵になりそう」と思うスポットが幾つもあった。 (時間がかかるのでそうサクサクとは撮れないけど)

以上、有名な撮影スポットを巡ってみた。

こういう場所を幾つか抑えておくと、いざという時(お召し列車が来るような時とか)でも慌てずに
「ふむ。なら、あのあたりで撮ろうかな」
といった作戦を立てられるようになるだろう。
描き鉄?!
描き鉄?!
最後のスポットでは、途中でおばちゃんがやって来て、近くで絵を描き始めた。

「撮り鉄」ならぬ「描き鉄」か!?
と、畏敬の念をその時抱いたが
「雲仙岳がよく見えるのよ。」
などとも言っていたので、もしかすると単に風景画を描いていたのかもしれない。
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