言ってみれば都会のきのこと田舎のきのこ
きのこの同定は難しく、素人がやるものではないらしい。失敗すると食中毒(下手したら死)というリスクである。きのこは好きだがそのリスクは大きすぎる。
僕が知っている同定方法はスーパーで売ってるきのこは食べてよいということだけだ。
そのイメージを逆手に取ってみたい。
これは食べられるきのこ
こんなの公園で見つけたら絶対にツイッターに書く
この巨大きのこは僕がスーパーで買ってきたエリンギである。
外に置いたとたん力強くなった。もう晩ごはんのおかずではない。
怪我をして保護されている鷹がすっかり人になついてしまい、「こんなで山に帰れるのかねえ」などと心配したが、いざ元の山に連れて行ったら急に野生を取り戻して去ってゆく…(涙)
みたいな感じである(もちろんそんな経験は僕にはなく、テレビや漫画で見た話だ)。
ドッグランに犬を放つようにきのこを置いた
あとで食べられるようにラップするつつましさ
次々と野生にもどるきのこ
ブナピーというかわいらしい名前のキノコ(うまい)も野に放つと怪しさを放ち始めた。
かわいい名前のきのこも
地面におくとセーブポイントのような雰囲気に
40年にいちどしか生えない幻のきのこ(うそ)
夕方のニュースや新聞の地域面で紹介されそうな雰囲気である。白いカエルとかその類だ。リュウグウノトモシビダケなどといった名前がついていてもおかしくない。でもブナピー。
珍しいきのこは
黄金のきのこじゃ!
検索してみるとたもぎ茸は黄金のきのこと呼ばれているらしい。これは確かに貴重である。こんな珍しいきのこがスーパーで気軽に買えるなんてなんとすばらしい資本主義。
思わず社会を礼賛してしまった。スーパーで買う野菜もこうしていちど公園においてから食べるとありがたいかもしれない。
スーパーのきのこはパックから外れると艶めくことがわかった。さて、逆はどうだろうか。
のらきのこの迫力がすごい
公園や植え込みなどきのこがはえてそうなところを探してみたのだ。
夏の日差しのなか、いわゆるきのこらしい形のきのこはほとんどなく、キクラゲのようなものばかりだった。どれも食用というよりも漢方みたいである。
漢方薬、もしくは毒である(たぶん後者)
近くで見ると表面がやや虹色
ブナピーとは違った白の迫力
たぶんまんなかのがきのこだと思う
唯一発見したきのこらしいきのこ
前ページで見たパックで売っていたきのこたちと全然違う。あんなふくよかなきのこはそうそう生えてない。
あれは魚類で言えば金魚だったのではないか。目でも楽しめるように作られた美しい生きもの。その点こっちは深海魚だ。
パックすれば食品に見えるのでは
そこで僕が唯一知っている同定の方法「パックしてスーパーで売ってるものは食べてよい」の出番だ。
パックしてしまえばのらきのこも食料品だと錯覚するのではないか。
持ち帰ったきのこをスーパーの皿に並べる
まだ野趣あふれるきのこである。
道端にはえてたものが家のなかにあるとずいぶん存在感がある。なんだこの黒い固まりは(そして土の匂い)。
ラップをかける
ラベルを貼る
………。
ぜんぜん食料品に見えない。ラップかかってればOKという消費社会に慣れた脳も本能のレベルでやめとけと言っている。これは買わない。
あふれる野生はラップでは止められないのだと思うとちょっとうれしくもある。
今回わかったこと
まとめると以下のようになる。
パックに入ったきのこは外に置いても魅力的だが、のらきのこはパックに詰めると魅力を失ってしまうのだ。
これはわかったことであってこれが役に立つ知識かどうかは別問題である。
場所を変えると違って見える
外に置いたり、パックに詰めることでものが違って見えるのがおもしろい。ちなみに会社のデスクの上に置いてあればちょっと困った出張みやげに見えるだろう。
そのほか頭のてっぺんから生えているとばかみたいに見えるという効果もありそうだが、その検証は別の機会に譲りたい。