ライター尾張さんのお誕生会でした
私がこの「たこ焼きスライダー」という坊主頭三人組のパンクバンドみたいな名前を知ったのは、当サイトのライターである尾張さんのツイッター。大阪在住の唯一の知り合いだ。
6/26の誕生日にビアガーデンでもどうですかという内容だったのだが、そこに載っていた衝撃的な写真こそが、下のたこ焼きスライダーだったのだ。
科学雑誌のニュートンに載っていてもおかしくないイメージ画像。
このたこ焼きスライダーの正体を見てみたい。そして尾張さんと久しぶりに飲みたい。そういえばその前日は兵庫県にいる。
そんな三つのベクトルがうまく作用し、大阪のビアガーデンへといくことにした。
尾張さん、お誕生日おめでとうございまーす。
お誕生会の参加者は20人以上。知り合いは尾張さんだけで、さらに全員が関西在住という超アウェー。
感じとしては、三回くらい会ったことのある友人の友人の結婚式二次会に、余興がおもしろいらしいとのうわさを聞いて、出張ついでに単身乗り込むみたいノリである。
これがたこ焼きスライダーだ!
とりあえずビールで乾杯をしたところで、何を話したらいいのかもわからないし、さっそくたこ焼きスライダーを求めて、おつまみが置いてある場所へと足早に移動。
飲み放題、食べ放題方式。この日が猛暑日だったということもあって、風とビールの組み合わせがとても気持ちいい。
パラパラと雨が降りだしたと思ったら、みんながいっせいに傘を差し出した。そういうものなのか。雨はあきらめてすぐにやんだ。
お目当てのたこ焼きスライダーは、おつまみがおかれたテーブルの中央にドーンと置かれていた。
私の勝手な予想では、熱くなったチューブの中にたこ焼きの生地と具を入れると、自動でグルグルと高速で回りながら丸くなっていき、勢いよくたこ焼きが飛び出してくる機械となっている。
これがたこ焼きスライダー。
遺伝子のように絡み合った二本のパイプ。「昔の人が考えた未来」っぽいヴィジュアルである。ここから出てくるというより、吸い込まれそうな感じだ。
どうやって使うものなのだろうかと見ていると、奥の調理場のコックさんが、高い位置からたこ焼きをコロコロと投入した。
入れているのは普通のたこ焼きではなく、揚げたこ焼きのようだ。スライダーだけにちょっと変化球。
ソースなどがついていないプレーンな揚げたこ焼きは、重力に逆らうことなく、スライダーを気持ちよく滑り下りてきた。
飛び出てきたたこ焼きは、日焼けした小学生を連想させた。そうか、ウォータースライダーか。
滑り落ちる際の摩擦熱で、たこ焼きはできたて以上にアツアツだ(適当)。
尾張さんに「さすが大阪ですね!」といったら、「こんなんここだけやと思いますよ」といわれた。
どうも大阪の家には必ずたこ焼き用の鉄板があるように、大阪のビアガーデンには必ずたこ焼きスライダーがある、という訳ではないようだ。だよねー。
料理の名前がダジャレになっている
さてここのビアガーデン、おかしいのはたこ焼きスライダーだけではなく、そのほかのつまみもネーミングが全体的におかしい。
なにかに脅迫されているかのように、力いっぱいダジャレ押しなのだ。
流行りの3D。しばらく悩んだ末に、大根・団子・大豆のイニシャルであることが判明するというアハ体験。
「それ、チーズなん?チーズナンなん?」という「チャウチャウちゃうんちゃう」みたいな会話をするための料理だろうか。乗っているのは焼きそばだけど。
普通のスウィーツメニューにまざって、「大阪名物パチパチパン(チ)」。はじける綿菓子が挟まっているらしい。あきらかにダジャレをいいたいだけのメニューだ。
「めっちゃでっかい」といいつつ、削られ過ぎて小さくなったシュラスコ。ツッコミ待ちの状態ですかね。
御堂筋というのがメインストリートの名前だというのは、大阪にきて初めて知った。
チラシ寿司だけでなく、海苔巻きも御堂寿司。寿司ならなんでもいいらしい。
麺の幅が5センチの「なんでや麺!」。きっとビックリマーク込みの名称。
隣のご友人が、すかさず「なんでや麺!」と突っ込んでいた。
「玉置さんも、なんでや麺!って突っ込んで!」と、関西弁を強要されるが恥ずかしくて言えない。パワハラやわー。
尾張さんが普通にアイスを食べていたら、何人もが「なんでアイスやねん!」と普通に突っ込んでいた。
私もダジャレに関しては可能な限り口にしていたい方なので、ここは自分の存在が肯定されているようで居心地がいい。
ただ、たぶん関西の人間にしか分からないであろうニュアンスのものも多く、自分もまだまだだなと反省もした。
トンカツでパンを挟んだもの。タイガースが勝つという縁起を担いでいるのはなんとなくわかるが、うまく感じとれない。
中之島親子って誰だろう。料理名に対して、この料理であっているのかすらわからなくて悔しい。
このあたりは歴史に精通していればガッテンとなるのだろうか。
アルデンテとアルネンテはいいとして、十三パスタってどういう意味だろ。
よくわからないダジャレのメニューを見ながら、遠くにきたんだなと、しみじみ思った。
大阪の人、おもしろい
たこ焼きスライダーやダジャレネーミングのおつまみ、種類豊富のアルコールなど、楽しめる要素がたくさんのビアガーデンだったのだが、一番おもしろかったのは、ここに集まっていた尾張さんの友達だった。
大阪には前日の夕方にきたのだが、知り合いが尾張さん以外にいない土地なので、ほとんど人と会話をしないで夜を過ごし(ホテルでツイッターやっていた)、今日はアメリカ村でたこ焼きを食べた後は通天閣近くのネットカフェで竹書房の漫画を読んでいた。
そんな寂しさマックスの状態でもてなしてくれたのが、サービス精神たっぷりの友人の友人である。
横浜の中華街にいってコース料理を千円値切った武勇伝を聞かせてくれた。一緒に買い物にいってみたい。
「家賃なんて値引くためにあるんよ。まあ、五千円はいけますわ。」
今時なかなか見ない日焼けっぷり。USJで遊びすぎたそうだ。
「なんでや麺!って、はよういわんかい!」
知らない人ばかりなのでどうなるかなと思ったけれど、尾張さんがいろいろ気を使ってくれたおかげで、なんだか大阪を好きになった気がする。
ありがとう、たこ焼きスライダー。
終電の都合で先に帰るのがさびしい。
まとめ
旅の目的はなんでもいいから、とりあえず遠くにいくことが大事だ。
遠くから来た人には、特に優しく接するべきなのだなと、当たり前のことを思った。
大阪の人は、腕時計をしている率が高かった気がする。
新大阪駅の売店で「肉まん四つください」といった自分のイントネーションが、ニセ大阪弁風になっていて恥ずかしかった。
大阪に「ツレ」ができたよ。名前はまだ知らないけど。