健康器具が遊具になるカラーリング
新宿中央公園には「健康遊具の森」という場所があった。 最近まで知らなかったのだが、ここには様々な健康遊具があるそうだ。
しかし「健康遊具」と言われてもよく分からない。 健康器具とは違うのか。
健康遊具というジャンル。
あ、遊具。
見た目はおもいっきり遊具である。 健康遊具、と言われなければ変な遊具だなーぐらいで通り過ぎてしまいそう。
ただし名称はいかつい。
上肢鍛錬機。この名前からはいっさい遊具さを感じない。 そもそも健身器材と書いちゃってるわけで、元々遊具ではないのではないか。
そう思っていると、中年のサラリーマンがやってきてこれを試し、 「うぃ~」と声を漏らしていた。やはり健康器具だ。
跨がって遊ぶもの、ではなく腰を伸ばす伸腰器(しんようき)。
健身柱。こんな鬼の武器みたいなものも、健康器具であり、遊具らしさがある。
遊具の色は赤・青・黄・緑
このような健康器具が健康遊具を名乗れるのは、やはりそのカラーリングではないか。
実際これらのものは赤、青、黄、緑の四色だけから塗られている。 普通の公園遊具もそうだったはず。
あれもそう。
これもそう。
子供向けだから彩度が高い(というより健康遊具が大人向けだから淡い色だった)が、 使われているのは赤、黄、青、緑からの組み合わせなのは同じ。
かなり渋くても一応は緑。
ほかの遊具でもこの法則はおおよそ変わらないから、その四色で彩色すれば、 どんなものでも公園の遊具に見えるのでないか。
普段地味なあれやこれが、子供にキャーキャー言われるチャンスである。
あれ。
地味な物ほど派手にしたいの
遊具になったときの変化の差がおもしろそうなので、色を塗るものは 出来るだけ地味で目立たないようなのにしようと思う。 俗に言う公園デビューである(大学デビューと同じ意味だと思っています)。
まずは黒クリップ。
面ごとに塗り分けていく。
スイカになってしまった
うっかりしていた。赤と緑はスイカの記号じゃないか。 隣り合わせの面に塗ったらそれはスイカにしか見えない。
どう遊ぶのかかなり定かでない遊具。
とはいえ緑の面を隠せば形によっては遊具に見えないこともない、ぐらいの 雰囲気を出すことが出来てるような気がする。
一つ塗っただけではそんなボンヤリした感想しかまだ出せない。 数をこなせばなにか見えてくるかもしれないから、どんどん塗っていこう。
レジ袋にひっかけて持ちやすくするあの取っ手が、
遊具と言うよりゴージャスに。シロガネーゼ御用達取っ手。
小さい電球。
遊具と言うより遊具から引っこ抜いてきたパーツみたい。
検ハンコ。
判を押して遊ぶ、という明確な遊び方があるだけ遊具に見える。
つっぱり棒。
伸ばして遊びます。
公園の遊具は小さな町工場から生まれていく。
光沢がほしい
出来た物を並べてみると、色は確かに遊具だが何か雰囲気が違う。
「そもそも遊具ではない」ことを考えないようにすると、 思いつくのは光沢である。
公園の遊具はおそらく鉄にペンキを塗ってるのだろうが、 こちらはアクリルガッシュで塗ってしまったので光沢が一切なくなってしまったのだ。
なので光沢を付けます。何も使った記憶がないのに家にあった光沢スプレー。
噴射後、すごい勢いで空気清浄機が作動した。
換気のために窓を開けたら疲れて寝てしまった。
そして翌日。
あらっ遊具だわ。
ちょっと遊具よこれ。
光沢があることでグッとにじみ出る遊具感。 机の上に置いてあるからまだ日用品でいるが、 公園にポンと置いてあったら、気づかないで通り過ぎる可能性高い。
これは全然変化がなかった。
本物の遊具は大きい
作ったオリジナル遊具を本物の公園に持ってきた。
気持ち的には幼児を初めて公園に連れて行く親とまったく一緒の緊張感。 周りの子とうまくやっていけるかしら。
おもちゃの缶詰。
スケールが違いすぎた。
分かっていたことだが、実際の遊具とそのサイズに差がありすぎる。
組み合わせて遊べる
ただプラスに考えると、本物の遊具と組み合わせその一部として 遊ぶことが出来るともとれる。こんなふうに、
完全に溶け込んでいる。
加えてカスタマイズ可能。
さらに取っ手を足すことで、風に揺れる様子を見て楽しむという、 遊具を超えた風流な遊び方が出来る。
組み合わせなくても遊べる
判を押す行為自体が楽しいのでそのまま遊具になる。
何も気にせず判をボコボコ押す大人になってもらいたいものです。
とにかく遊ぼうと思えば遊べる
落ちないように補助棒として使える。 馴染み具合も完璧。
持って走り回る遊び。
原初の喜びに満ちあふれている。
相当投げやりな遊び方だが、学校から家まで石を蹴って帰ることにも熱中できた 我々である。何事も遊ぼうと思えば遊べるものだ。
電球は棒で転がす遊びを思いつきました。
遊んでいるんです。
このようにかなりムリな遊び方を一つずつ考えなければいけない。
しかしそれは一切デメリットではなく、考える力を育てる素晴らしい知育玩具だと思えば、これだけでも充実した遊具として成り立っているのではないかと思う(思わなくても良い)。
遊びにおいでよ!
遊び方を除けばそれ以外は遊具
以上のように一体どう遊ぶのかという点を考えなければ、 結果的に見た目は十分遊具といっていいぐらいにはなった。
小さいため持ち運びも楽なので、移動式公園にも出来る。 もし近くに公園が欲しいわぁ、という方がいらっしゃったら 遠慮なく声をかけてください。