木工用以外も覚えて接着剤を使い分けるつもりだったけど、木工用とスーパーXでだいたい良さそう
接着剤の種類を学んで、これからは用途別に接着剤を使い分けるぞ!とまとめようかと思っていましたが、木工用とスーパーXでなんとかなりそうです。
帰宅後、セメダインDで机の上の書類立て、マウスパッド、小銭を入れるトレイなどをすべて接着しました。

デイリーポータルZのフッターにロゴがあるとおり、セメダインはデイリーポータルZの協賛企業です。ありがとうございます!
この1年、デイリーポータルZはセメダインの接着剤でいろいろなものをくっつけてきました。その振り返りと接着剤について教えてもらったレポートです。(林雄司)
(協賛企業の紹介なのでPR要素を含みます。でも、おもしろいです)
布と木と紙で75%を越えました。デイリーポータルZも木と紙でできていました。紙ではなく「髪」があるのは変換ミスではありません。
つける対象が紙や木なので、当然使っている接着剤も木工用が多いですね。セメダインのラインナップの豊富さをまるで無視した結果となりました。
ということをセメダインさんに報告したところ、使いかたを教えてもらえることになりました。これが自慢したい内容だったのでみなさんにも共有します。
訪問したのは接着剤を使いがちなライター、とりもち、べつやく、林、石川。教えてくれるのはセメダイン広報の手塚さんです。
手塚:
接着剤を買いに行くと想定外に種類がいっぱいある。あれで嫌になるんですよね。なので、今日は、これだけは覚えておこうという3種類に絞ってお話しします。要は3つだってなると、一気に楽になるじゃないですか。
デイリーポータルZは紙や布をくっつけることが多いので木工用になりますよね。いいと思います。
べつやく:
めちゃくちゃよくつくんですよ。しかも
手塚:
木材って簡単によくつく材料だと思うじゃないですか。だけど、瞬間接着剤は⽊が苦手なんです。染み込むものが苦手なのと、接着面が平滑じゃないとよくくっつかない。しみこみにくいゼリー状もありますが。
あと、スーパーXはだいたいなんでもよくつくので、考えたくないときは塗ってぎゅってやっとけば、あとはなんとかしてくれる良さがある。
べつやく:
スーパーXは布に使っていいんですか
手塚:
いいです。硬化皮膜が柔軟なので柔らかい素材にも向いています。
手塚:
あと、やっぱりつかないものがあります。水や油、油性ペンが弾かれるものがあるじゃないですか。接着剤も液体なので、そういうものにはつかないです。
つかないものには、つかないもの専用接着剤を使う。
手塚:
PPXは瞬間接着剤なので、染み込みやすいものは使えない。硬く固まるので、柔らかい素材に使うとしなりについていけなくて接着層がパキって割れてはがれることがあります。
もう1個はスーパーXハイパーワイド。強い粘着力で難接着素材をしっかりグリップするタイプの接着剤って感じです。だから一生ベタベタしてる。これがはみ出すとホコリがいっぱいついて大変なことになる。
林:
一生!!
手塚:
つかない素材がつくから最強って思いがちなんですけど、そんなことはなくて、むしろつけるために何かを犠牲にしている、と考えた方がいいです。
だから、耐熱温度は下がってるし、ベタベタするし、普通のものつけるなら普通にスーパーXの方がいいよねって話なんです。
手塚:
スーパーXは弾性接着剤で、柔らかいんです。つけたものがどんな状態になろうが追従してくれてはがれない。
何があってもはがれない柔軟さっていう接着剤の設計なんです。
林:
カチカチだから強力、ってことじゃないんですね
手塚:
そうなんですね。でも発売当初はまだ「硬くて強いが強力で良い」というのが主流だったこともあって、最初5、6年は今のようには売れなかった。だんだんと弾性接着の概念が広まって、ヒット作になったんですよ。
※ 弾性接着剤はいまはビルの外壁などにも使われて売れているそうです(そして地震でパネルが落ちたことがない)。
べつやく:
うちにすごくよくつくガムテープがあって、それがセメダインのテープだったんです。
手塚:
あれはすごいですよ
べつやく:
使いたいんですけど、あまり売ってなくて
手塚:
うん、あんまり売ってないですよね。布テープとしては、一見、⾼くて。布テープは⽷の数と縦横の⽷のきれいさと糊厚が⼤事なんですね。
セメダインのは⽷の数が多いし、⽷の太さもしっかりしてるし、縦横の乱れが少ない。糊厚がしっかりしてて、その素材もいいんですよね。屋外でコンクリートにも使えるし。
手塚:
この瞬間接着剤のボトルは「2度⽬も使える容器」なんです。「瞬間接着剤は2回目使えないからね」みたいなことを⾔う⼈もいるんですが、いまどきは2回⽬も使えるんです。
よく、フリーザーバッグに乾燥剤と瞬間接着剤を⼊れ、冷蔵庫に⼊れるっていう⽣活の知恵みたいなことがXで回ってきますけど、全然いらないんですよ、これは。
林:
商品1個1個にすごい語りしろがありますね。
手塚:
普通に生きてて接着剤のことを考える時間ってたぶん年に3秒もないと思うんですよ。だけど、セメダインは24時間365日考えてるので、「接着剤でそんなに喋ることあります?」っていうぐらい、みんな喋るんですよね。
今日のこの場もそうなんですけど、接着剤のことを喋っていいよっていう場を与えられると生き生きするんです、うちの人たち。
セメダインはAから始まり、Cが発売されたのが1938年。それから87年の時を経て2025年にDが発売された。
その特徴は「はがせる」なのだという。
ここからはセメダインDの開発を担当した木村さん、篠原さん、野老さんにも参加してもらって教えてもらいます。
木村さんはスーパーXを開発したレジェンド社員です。
手塚:
Dでくっつけておきましたので、はがしてみてください.
とりもち:
あ、すごい。なんか
木村:
はがす感覚がなかなかね、おもしろい。ひねると取れる。
林:
引っぱっても取れないのに、まわすようにすると取れる。
木村:
今まで接着剤ってくっつけちゃうと、はがせなくて困る場面もあったり、一度つけたらはがせないしなという緊張感があったり。そういう意味ではDは失敗してもいいやっていう気楽さがある。パパパパってなんでも⼀応とりあえずくっつけてみて、で、後ではがして、失敗してもはがせばいい(笑)
※編集部注:壁紙は表面が剥がれやすいので要注意だそうです!
林:
貼るときの緊張感がない
林:
セメダインDってこれまでにない匂いじゃないですか
石川:
あ、歯医者
木村:
正解。歯医者さんで使ってる接着剤とちょっと匂いが 似てる部分がある。
手塚:
だからこのデザインを、虫歯予防っぽく?(笑)
木村:
お風呂場の壁なんかいいですよ、水かかっても全然問題ないし。
篠原:
今回は防犯用途って今までにない使い道を入れてます。宅配ボックスとか。
木村:
玄関マットがしょっちゅうずれて動いちゃうから、点々ってつけといて。掃除するときに気になったらペロって取って、綺麗にしたら、また固定すればいい。
篠原:
接着剤でもない、粘着剤でもない。商品名も「はがせる固定剤」というカテゴリーにしました。
とりもち:
火災報知器を天井に両面テープとかでつけてたんですけど、セメダインDの方がよさそう。
木村:
重くない物にしてね
とりもち:
ぬいぐるみなので
木村:
じゃあ大丈夫かな(笑)
接着剤の種類を学んで、これからは用途別に接着剤を使い分けるぞ!とまとめようかと思っていましたが、木工用とスーパーXでなんとかなりそうです。
帰宅後、セメダインDで机の上の書類立て、マウスパッド、小銭を入れるトレイなどをすべて接着しました。
おもしろいです
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