編集部日記 2021年3月5日

人生変わるかもしれないイベント~渋谷neo散歩

渋谷渦渦で採択されたイベントがいよいよ3月にカルカルで開催されます!
* 渋谷渦渦 東急主催、東京カルチャーカルチャー協力のイベント企画公募プログラム。(渋谷渦渦 ~あつまれ!SHIBUYAイベントチャレンジ~50万円もらってカルカルでイベントができる

採択されたイベントはどんな内容なのか、イベントの前にそもそも何をしている人なのか、これまでなにをしてきたのかを聞きました。

 

今回は「渋谷neo散歩

5名のマニアに街の楽しみかた、路上観察のポイントをレクチャーしてもらってから渋谷を散歩する体験型イベント。
マニア?って聞くと狭い世界のように思われてしまうかもしれませんが、話を聞いてみたら狭いようで実は広く、でもやっぱり狭いような気がする世界でした。

ではどうぞ。

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話を聞いた人:松澤茂信さん
東京別視点ガイド編集長。 日本中、世界中の珍スポットを1000個以上めぐり、サイトで紹介している。デイリーポータルZの読者はほとんど行っているであろうマニアフェスタの主催でもある。

聞き役・構成:林雄司

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小一時間で人は変わる

ーーー こういうワークショップイベントはやっているんですか?

ツアーをやっていました。バスを借り切って珍スポット行ったりとか。コロナになる前は年始に片手袋マニアの石井さん*と七福神めぐりをしながら片手袋を探すツアーもやっていました。

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*石井さん:片手袋研究家 石井公二さん。道路に落ちている片方だけの手袋を見つけては写真を撮っている。撮影した片手袋の写真は4000枚以上。片手袋研究は15年目に突入している。サイト:片手袋大全

ーーー 七福神をめぐりながら?

片手袋を見つけに行くのは石井さんのポリシーに反するというか、探すと見つかってしまうものだから、偶然見つけるテイにしたいということでになって、七福神めぐりをすることにしました。
実態は片手袋が見つかるんで、そうしたらそこを重点的に説明します。

ーーー 僕も石井さんに話を聞いてから街の片手袋を見つけては写真を撮る呪いにかけられてます

たしかにそうですね。気にせずにはいられない状態になります。

ーーーこれまでのワークショップで人生変わった人はいますか?

石井さんが出た別視点のトークライブで片手袋の活動をはじめて聞いた女性2人組がいるんですけど、その方が片手袋の写真を撮りはじめました。次のイベントで写真を石井さんに見せて、いまは片手袋を見守る会というチームを作っています。
ものすごい人生に取り込まれてるなって思いましたね、それは。

観光系の団体の招待で鳥取でご年配の方々も多く参加されたワークショップ的なイベントをしたときに片手袋の話をして歩いたら、みんな「介入型片手袋」とか「放置型片手袋」* みたいな言葉をすぐに使っていました。みなさん。
1日どころか小一時間ぐらいでそうなってましたね。

*「介入型片手袋」とか「放置型片手袋」:石井さんによる片手袋の分類

ーーー小一時間で人は変わる

見えなかったものが見えるようになってたという感じ。すごい感じましたね。

ーーー そっちに人生がかわっていいのか分かりませんが、今回のイベントに出るマニアをを教えて下さい。

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電線マニア・石山さん

俳優として活動しているんですけれども、電線がものすごい好きでずっと写真を撮られています。ごちゃごちゃしている電線の塊感がお好きだそうで、電柱を下から眺めて写真撮るとおっしゃってましたね。タイで撮ったのもあります。
かっこいいものとして捉えられる電線もあれば、エロっぽく感じる電線もあって、いろいろだとは言ってましたね。赤羽のネオン街に照らされている電線とかは艶めかしいというか、そういうものは艶めかしさを際立たせて撮るとおっしゃってました。

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ーーー わからないんだけど、でもわかりますね。

そう捉えたことは今までなかったんですけど。石山さんにそういう話を聞くとそういうことかとわかる感じはしますね。
電線とかは被写体として何も言ってこないからいいっていうのも言ってましたけどね。好きに撮っていいというか。こっち側で完全に想像しきちゃってもいいみたいなところが魅力でもあると。

ーーー職業が俳優であることも関係してそうな視点ですよね。あの、石山さんのプロフィールで、連載が「RollingStone Japan」の次が「月刊電設資材」となってますが

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それは間違いじゃなく、カルチャー誌と電線要素として書いてるものですね。幅が広いです。

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本物のネオンを背負う・サイバーおかんタナゴさん

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タナゴさんが背負っているものが背負えるネオン看板。ネオンサインの業者さんって今日本に数人しかいないらしいんですけど、その人に実際作ってもらったらしいです。

ーーー ネオン風のLEDじゃなくて、本物のネオン管なんですね。

そうなんです。本物のネオン管なんです。電脳っていう漢字になっているんですけど、それを背負いつつ、電子回線柄の着物を着て秋葉原を歩いたりしていますね。

ーーー ネオン管が持ち運べる電源で動くことが驚きです

持ち歩けるように作ってもらったらしいです。ここ最近は海外のメディアにめちゃくちゃサイバーおかんさんが取り上げられてて、ジャパニーズのネオンの凄さみたいな感じで取り上げられてますね。

ーーー すごい海外ウケしそう。今回のテーマは?

渋谷にもいろいろ電飾があると思うので、電飾のどういうところがいいのかとか、解説してもらって渋谷を歩いたらまたちょっと気になるかなと思ってます。

ーーー 電飾って、高いところにあるから、意外に実は見てなかったりしますもんね。

目線にガッツリ入ってくるかというと、そんな意識ないかもですね。グッズもいろいろ作られていて。昔ながらの日本とサイバーな感じを合わせて小物にされていたりします。
LEDにネームプレートの電飾取り付けたサイバー熊手とか。ピカピカ光りつつ文字が出せます。

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いい文字・松村さん

まちの看板のかわいい文字とか、いい文字を撮影されて集めてらっしゃって、本にもされているという方です。

ーーー 洋品の「品」ってひっくりがえしてる文字とか最高ですね

松村さんはお会いしたことがなくて。別の方がおすすめされていて、声掛けさせていただきました。どういう視点を授けてくれるか楽しみです。

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平成レトロマニア・山下メロ

渋谷にあるちょっと昔ながらのファンシーなイラストとか、渋谷で昔のおみやげ売っている場所とか、そういう話をしていただけたらなと思っています。

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ーーー メロさんの写真、まさか家ですか?

家かもしれませんね。どこなんだろう。家っぽさがありますね。

ーーー おみやげ屋かなと思ったけど、こんなおみやげ屋ないですもんね。

これだけ揃ってるところはないですね。
最近だとメロさんは東京タワーのおみやげ屋さんに話を聞いてました。
東京タワーのおみやげ物屋さんがリニューアルして、メロさんもちょくちょく通っていたファンシーグッズを揃えてたお店も閉店してしまうらしく、話を聞いたら10代でそのお店を始めてから60年か50年ぐらい1日たりとも休んでないとかすごい話だったそうです。
緊急事態宣言で東京タワー自体が閉めなきゃいけないのが初めての長期休みだったらしく、休みの時に何をしたらいいのかほんとにわからなかったと。

ーーー 集めるほうも売るほうもすごい情熱

メロさんもある程度揃えきったら別のことを調べようと最初は思っていたらしいんですけど、やってもやってもまったくキリがないみたいで、終わりが想像つかないみたいな話はされてました。
あちこち日本中行ってもあまりダブらないらしいんですよね。どんどん新種が見つかる。

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ーーー このイベントに来るとキリがない世界に入っちゃう

石井さんも分類図作ってるじゃないですか。分類図ってある程度同じものをカテゴライズする作業ですけど、あれ作ってからよりそこにはまらないキリのないものというか、新しいものがより見つかるようになったということを言ってましたから。
けっこうみんなそうなのかなって思っていますね。やればやるほどどんどんそこの型におさまらないものが出てきちゃうというか。

路上園芸マニア・村田さん

村田さんからの聞いた話でおもしろいなと思ったのって、植物目線に立つと都会というか、街なかって火山が大噴火したあとの荒廃した大地に近いらしいんですよね。植物としては育ちにくい土壌らしくて、かなり過酷だそうです。

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そういうところでは、まず繁殖力の強いコケが生えるらいんですよ。ちょっとした水分で。コケが生えてしばらくするとコケも死んで土壌になって、そこにようやく次のちっちゃな植物とかがはえられる。

コンクリートの隅っこにちっちゃい芽が出てたり、植物が出てて下がコケっぽくなっているのを見ると、今までは全く無視してた光景ですけど、生物としての営みが、サイクルが行われていたんだなと思ってめちゃくちゃおもしろいなって思いました。

ーーー 目線が植物なんですね。

村田さん、ゴツゴツ元気にはみ出てる根っこが好きみたいで。花より根っこ見て飲みたいんですよねってことで「根見会」というイベントを花が咲いてないシーズンにやりました。
 

根っこが地面に出てるような普通シート敷くのをさける場所が最大の根見スポットなのでそこにみんなでシートを敷いて、ごぼう酒とか根っこにまつわるお酒とかを飲みながら。
花見だと4月の2週間とかしかできないけど、「根見会」これなら一年中飲めるねって言って。

ーーー 根を見るというテーマが特殊なのに、一年中飲めるとかまっとうなメリットを言ってくるところが。街を見る目が変わりますね。

だいぶ見る目が変わります。植え込みの部分って (1)公的に植えられているものと、(2)自然に種が飛んできたり鳥が落としたりで生えちゃったもの、(3)近所の人が植えている観葉植物的なもの、の3種類が共存しているらしくて。
それは見る人が見ればどれなのかがわかるし、植え込みは、植物だからそんなに厳密に取り除かれたりもしないから。おもしろいんですよねと話してました。

一緒に歩いてたりすると、全部ツツジとかが植わってるのにひとつだけ南国の観葉植物とか、絶対にこの近くの誰かが植えたようなものがけっこうあって、そう考えるとまわりの人の人間の意思がそこに表れていてめちゃくちゃおもしろいなって思っているんです。

イベントの流れ

ーーー イベントは最初にレクチャーで視点を授けられて、散歩、発表という流れですね

レクチャー部分はマニアの3ポイントのコーナーにしようと思っています。参加者のチーム分けはこちらで行いますが、もちろん一緒に来たかたは同じチームになれます。
発表は今のところの想定だと5枚選んでもらって、写真を見ながら何がおもしろいのかとか、魅力を話していただこうと思っています。
テーマは特に決めなくてもいいですし、マニアさんが話してくれたものでもいいし、そこからはみ出てこれが良かったとかでもOKです。

ーーー5枚の写真はテーマバラバラでよいわけですね。おもしろい順に。

紹介したいもの順でかまいません。
オンライン配信はレクチャー部分はそのまま流して、街歩きしている間にまた別企画を会場から流そうと思っています。

ーーー 参加者が散歩している間がマニアが存分にしゃべる時間ですね

コメントでいただいた街についてストリートビューを見ながらわいわいしゃべるみたいなものをやろうと思っています。即興街歩きみたいな。


このイベントに参加すると人生が変わるかもしれない。変わった方向はそっちでいいのか気になりますが、告知になっているでしょうか。興味のある、人生変えたいとまではいかなくても、新たな視点を授けられたいあなた(やっぱり人生変わるみたいになってしまいますが!)のためのイベント情報です。 

3月14日です。オンライン配信もあり!

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2021.03.14 (日)11:00 START
前売りチャージ券:リアルイベント3,000円(税別/おやつ付き)
オンライン有料配信1,000円(税別)

詳しくは東京カルチャーカルチャーのページで!http://tokyocultureculture.com/event/general/31326

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