ロボットなんて作れない人たちが、自作の「自称・ロボット」を持ち寄り無理やりロボットバトルをするイベント、「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」。
2019年の大会は今週末、7/21(日)に開催!この記事では直前報告と題して、出場チームから寄せられた作業状況をもとに、今回の出場ロボットを紹介していこう。
※情報は先週時点のものです。さすがに今はもうちょっとできてきていると思いますが…。
ヘボコンとは
技術のない人が行き当たりばったりで作ったガラクタに、むりやり相撲をさせるイベントだ。「ロボットコンテスト」といわれてあなたが想像するもの……を全部のぞいて残った残りかすみたいなもの。それがヘボコンである。 詳しくは紹介動画をチェック!
完成してるやつ
というわけでここからは今年の出場ロボットの紹介だ。まず完成してるやつからご紹介していこう。
紫の太字はロボット名とチーム名、緑字はチームからのコメントである。
注文のヤバい料理長(KEROKEROBOT)
ヘボコン2019出場ロボット
— ケロケロボット 7/21 ヘボコン2019 (@kerokerobotmake) July 7, 2019
ふにゃロボ006(FR-006)
「注文のヤバイ料理長(The head chef of dangerous orders)」
本体&台座で、本体は頭の中に、、、
料理長は大会本番でお目見えします!
お楽しみに
#ケロケロボット #kerokerobot #ふにゃロボ #funyarobo #ヘボコン #注文のヤバイ料理長 pic.twitter.com/5NiiodY90O
「ポップ&グロテスク」、大会一背の高いロボット(の予定)
ヘボコンのロボットには縦横それぞれ50cm以内のサイズ制限がある。しかし高さ方向は制限がないため。それを逆手に取ったロボットがこちらである。
巨体を生かした有利な戦い方が予想される…のは普通のロボットバトルならの話で、ヘボコンにおいてはひたすら転倒しないかどうかが心配。
かぶと君1号(チームかぶと君)
水上戦対策としてボディにスポンジを装着しているが、親からの「そこは発泡スチロールにすべき」との助言が聞き入れてもらえていないので事実上の弱点化している。
作者は5歳。有効かどうかの前にそもそもロボット相撲の大会でなぜ水上戦対策をしようと思ったのかが謎である。
さて、ここまで2体を紹介したところで、皆さんに残念なお知らせがある。なんと完成してるやつ部門、これでおしまいなんだ…。
そろそろ完成しただろ、と思ってアンケートを配布したのが本番2週間前。読みが甘かったと反省している。ここはロボットを作る技術も集中力も計画性もない人たちの集まりなのだから…。
作りかけ部門
というわけで、ここからは作りかけのマシンを紹介していく。
猫戦車(あば)
ヘボコン界隈ではこの状態は出来たも同然である。 #ヘボコン2019 pic.twitter.com/Z519eZm9cN
— abanum (@lonely_somen) July 4, 2019
技術力の粋を集めて猫を組み込みました。技はベーシックにねこパンチ、威嚇、シュレーディンガーアタックです。
現段階ではちょっとどこにネコが組み込まれているのかよくわからない。色か。あと自分ができていないのを界隈のせいにする図々しさ!
がんばれ!熊本(くまのり)
瞬間移動と分身で相手を翻弄し隙を突いて攻撃する(予定)。ミニ四駆ベースなので素早い攻撃。
一瞬、「すごい、本当に瞬間移動しているように見える!!」と思ったが、実際は会場はもっと明るいのが懸念点である。明るいところで見るとただのミニ四駆なのではないかという不安。偶然ブレーカーが落ちるなどの軌跡が起こるだろうか。(そうなったらそうなったでイベント続行不可能になりそうだが)
福山雅治が頑張っています。(「新しい発見」)
福山雅治が光り廻り、女性たちがキャーキャーいう(はず)。
ハイテンションなコンセプトに対して、制作の方は地道に着々と完成に近づいているのに笑ってしまった。堅実!
現在ただの針金である福山雅治をどう完成させてくるかが楽しみである。かっこいいだけでなく「女性たちがキャーキャーいう」ところまで自給自足で実装するのも好感度が高い。
くいしんぼうワニの「ぴっちゅ」(人気YOUTUBER はぁとキラキラチャンネルのツバサちゃんとパパ)
ヘボコンの進捗です。力尽きたので寝ます pic.twitter.com/uSBN5sDb5X
— モッサリオ・モッサモッサ (@mosamosaboy) July 8, 2019
回転して体当たりしてパンチしてキック、食べたものをはく、みかんのかわ、ヨダレと舌
くいしんぼうというより腹を食い破られた感じの見た目だが、人気Youtuberのツバサちゃんとパパが言うのだから間違いないのだろう。なおこの人気Youtuberは嘘なのでキラキラチャンネルは存在しないし、ツバサちゃんとパパも偽名である。ロボットの前に存在自体が虚像。みんな騙されないでほしい。
チミツとクローバー(こやしゅん)
ハーバリウムは特殊なオイルで作らないといけなかったんですね
— こやしゅん@ヘボコン2019 (@koya_ma_shun) July 10, 2019
水道水だと、ただただ腐りました…#ヘボコン #ヘボコン2019 pic.twitter.com/io3dias9dc
四つ葉のクローバーや茶柱など、運がよくなるものをたくさん搭載している
こやしゅんさんは昨年の最ヘボ賞受賞者で、ほら貝の風力で進む(という設定の)ロボで、この最も名誉ある賞を受賞した。それが成功体験になってしまい、以来ロボットを作ると言っては四葉のクローバーを集めに行くような奇行をするようになってしまった。反省している。
ポールダンスロボ 暴走天使(アニポールきょうこ)
6月終わるからとりあえずポールダンスロボのポールダンサー部分からはじめる #ヘボコン2019 pic.twitter.com/4roroVkvnK
— アニポール きょうこ (@AnipoleKyoko) June 29, 2019
特徴:シャコタンによりポールダンスの回転とスピードがポールダンスロボ史上最大(予定)
技:タケヤリスピードアタック
初回大会よりポールダンスロボのシリーズを作り続け、2016年のワールドチャンピオンシップでは最ヘボ賞を受賞したアニポールきょうこさん。こちらも毎回ロボットを作ると言ってはまずバービー人形のメイクから始めている。ヘボコンで認められるとロボット観がゆがんでしまうことがわかる。
プリンロボ(秘密結社 デウス・エクス・マキナ)
現在の進捗です。 #ヘボコン pic.twitter.com/VPnqKJijtO
— 異国カラス (@outlandkarasu) July 7, 2019
デザイナーの妻がデザイン。プリンがプルプルします。
よく見ると左側に映りこんでいる完成予定図のイラストがうまい。さすがデザイナー。しかしヘボコン最大の魅力は計画と完成品のギャップであると言っても過言ではない。存分に楽しむため、今からこの図のうまさを目に焼き付けておいてほしい。
ぱいそんろぼっと(しゅろっと)
Python買いました。
— けーた (@schrott_) July 5, 2019
最短で10~17日なので
届くの間に合うのか心配です。#ヘボコン2019 pic.twitter.com/2rdrlTPcFd
ロボット制御するならPythonと聞いたけど、思ってたのと違うみたいです。
Pythonというプログラム言語があり、それと蛇(パイソン)がかかっているのである。…かかっているのであるが、どう見てもパイソンではなくコブラだこれは。
写真がない部門
他にも直前アンケートの結果から、写真はなかったけど回答が気になったものを挙げたい。
実際の鉄道部品を使おうと思いましたが重すぎて車庫から持ってこれませんでした――鉄道事故防止運動くん(MC_MC(Motorman&conductor))
手を動かす前に気づこう。
今年引退を表明したスペインの元代表であるフェルナンド・トーレス選手へ感謝と敬意をこめて、スペイン無敵艦隊を蒸気機関を用いた列車に見立てました。――機関車トーレス(Temp32)
読点の前後で論理の飛躍がすごい。
RoboMasterS1の購入資金の全てを飲み代に使ってしまったため、7/7現在全く何もできておらず、どうしようか途方に暮れてるのがヘボいポイントです。――RoboMasterHK1(チャーリー浜岡GP)
本気のダメな人が出てきたなという感じがします。RoboMasterS1は最近発売された強そうな市販ロボット。
各自ロボットを作成しはじめてしまい合体させることになった――(仮)それいけ!BYS!(チームBYS)
5人チームのチームBYS。かなり直前になって「ロボットは一人1台でしょうか」という問い合わせが来たので「チームに1台なので複数作っちゃったら縦に積んでください(※)」と回答した結果である。トーナメント戦なのにまさかそんな、という感じの問い合わせだが、何を隠そう去年も全く同じパターンで合体ロボが登場した。
※前後左右方向の合体はサイズ制限があるが、上下はないため
ちなみにチームBYSは(はぁとキラキラチャンネルと違って)実在するYoutuberのチームで、以前ヘボコンの動画もアップしてくれていた。
海外からの刺客
さらにさらに、今回は海外からも刺客がやってくる。
Nahual(Team Azteca)
メキシコでヘボコンを開催するオーガナイザーらによるこのロボ。残念ながら渡航費は工面できなかったため、ロボットのみを受け取り当日は代理でスタッフが操作する。
――このロボットはどういうロボット?
「Nahual(ナワル)というのはメキシコに伝わる魔女の名前。ナワルがジャガーに変身しようとしたところ、間違ってサイボーグ・ウサギになってしまった。」
――どうやって戦うの?
「特徴はタイヤがないこと。跳ねたり、押したり、ひっぱたいたりする。あとつぶらな瞳がいつも敵をバカにした目で見る。」
――ヘボいところはある?
「常にバーサーカーモードで、コントロールが効かないところ。自分で土俵の外に出ていくかも。」
ヘボコンは世界の25か国くらいで開催されているが、海外の映像を見ていると、総じて日本のロボットに比べてかなりパワーが強い。日本で標準的なミニ四駆のモーターと違い、でかいモーターを使っているのだ。
そしてこのNahualも例にもれず、めちゃくちゃパワフルである。
これをいかにしてねじ伏せるか、あるいは対戦しないで済ませるかが、今回のヘボコンの重要な攻略ポイントになりそうだ。
投票特典もあるよ
さて、偶然だが7/21当日は参議院選挙の日である。投票を済ませてから会場に来ていただいた方には、受付で「投票してきたので特典ください」と言っていただければ、特典の「参議院初登院」シールを差し上げることにした。こちらは観客/出場者問わず。ただし限定100枚、先着順です!
というわけで7/21(日)は渋谷でお会いしましょう!チケットはそろそろ止めるので、もし売ってたらすぐ買おう!当日券は出ません!(たぶん!いちおう当日会場のTwitterをチェックだ!)