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もう忘れたこともたくさんある
林: 「偽一万円札騒動の一端に触れてきました」や「蓮田の用水路現金騒動」。もとの事件を憶えていたかい?
住:いや、まったく忘れてた。何の騒ぎだ?
林: そう、雨の日のもぐらのように忘れていたよ
住: おおそうだ、雨の日のもぐらだ。いつかは見たいな、モグラ。
林: モグラを見たいということすら忘れていたよ。
住: 人間は色々な事を忘れていないと生きていけない生き物だからな
林: 大事なことも、あの日の空の青さもな。 しばれフェスティバルの翌日の空の青さは憶えているがな。
住:ああ、あの悪魔の様な空、一生忘れないよ
林: 来年また行かないか?2年ぶりに。
住: えっ?
林: すに戻るなよ。正徳。
住: いや、本当辛かったっす。ここ数年でベスト5に入るっす。
林: だから戻ってるって。
林: 「おめかしコインロッカー」を鑑賞する。 これは大山さんの作品なんだが、
住:写真がプロ級だな
林: そうなんだ。写真の端がゆがんでないんだ。
住:おっと、雄司。最後まで言わなくても分かるぜ。レンズがうらやましいんだろ?
林: さすがお見通しだな。そうさ。いい広角レンズが欲しいんだ
住:きっとあの辺の山の一角が買えちゃうくらい高いんだろう?
林: 馬の鞍を売ってでも欲しいンだ。
住:雄司なら鞍無しの荒馬だって乗りこなせるさ、売っちゃえ
林: ありがとう。ルドルフ(馬)もわかってくれるだろう
住:ああ、やつは利口な馬だから大丈夫さ。
林: 肉まんとあんまんの区別もつくぐらいにさ!
地べたに寝るふたつのベクトル
林: 正徳が地面にうずくまっていたが、これも語らないわけにはいかないだろう。どこでもダイイン!。
住: これには驚かされたな。やってみたいと思うよ
林: これ(「布団で睡眠エブリウェア」)は似てるがベクトルが違うんだ。
住:ああ、まったく違う。かたや都会でかたややけに風光明媚。
林: 「こんなひと、ひかれちゃえ」と思うのは俺だけではないだろうな。
住:ああ、この崖っぷちの写真、落ちちゃえって。
林: 「安らげない。ちっとも安らげない」って。あたりまえだろう。
住:でも、砂浜では「住んでしまいたい」って。
林: 「住めよ」と思うな。 |