長崎と言えば、多くの人はどんなイメージをもつだろうか。異国情緒あふれるしっとりした街、自然や街並みが美しいところ、といった感じだろうか。
長崎に行ったのは今回が初めてだったのだが、そうしたイメージは確かにその通り。どの店に入っても店員さんは親切だったし、海や島といった自然もきれいだった。
そしてそれとは別に感じたのは、「なんだかテンション高いな」というもの。これは意外に思った。
そういうわけで、取材旅行中に見たテンションの高い長崎をお送りします。
(小野法師丸)
長崎入りしてまずはバスで諫早に移動。ほどなくして見えてきたのは、あんまり見たことない看板だった。
古い民家に金融業者や調査会社の看板が隙間なく貼られているのはよく見かける光景。ただ、長崎の場合はその看板をよく見ると「大木切ります!」。
デザインのテイストは金融の広告のようなのだが、書いてあることが違う。
どれだけ需要があるのかはわからないが、「まかせとけ!」という雰囲気がよく出ている看板だとは思う。
市街地で見かけたパン屋もちょっと違う。焼きたてパンに学割が効くのだ。
映画館でも遊園地でもなく、パン屋。
長崎では一般的なのだろうか。この店独自の戦略なのだろうか。僕が長崎で中学や高校に通っていたら、きっとこの店をアグレッシブに利用していたと思う。
T.斎藤さんの記事「男パフェ」で訪れた店のテンションの高さは相変わらず。ショーケースの中には縦横無尽にパフェの見本が展示されている。
さらには右の写真、釜めしも押してきているようだ。パフェと釜めし、新鮮な取り合わせだがいいだろう、まあそこまでは。
気になるのはセットメニューだ。イチオシであるらしい「浜ぶら御膳」の内容もよくよく見ると気になるのだが、その下に登場するのはハンバーグやグラタンとのセットメニュー。
釜めしの「和」とハンバーグやグラタンの「洋」。和洋折衷という言葉があるが、こういうことでいいのだろうか。
カロリーもテンションも高い。個人的にはハンバーグは白いご飯と食べたいのだが…。
そんなハイテンションにうちのめされながら、この店のある商店街を歩いていると、ティッシュ配りの人からティッシュを受け取った。そこまでは普通なのだが…。
手にしたものを見て驚いた。ポケットティッシュを6個も渡されたのだ。
たくさん欲しいと言ったわけではない。半ば強引に差し出されたものを受け取ってみると、こうだったのだ。振り返ってしばらく様子を見ていると…。
手の甲に押しつけるようにして配っている。問答無用のハイテンションだ。
さらに商店街はフルパワーで迫ってくる。
看板の左側、「牛右衛門」というレストランが読み取れるだろう。きっと肉料理を出す店なのだろう、後ろの垂れ幕にある「ニューヨークステーキ」がイチオシメニューらしい。
で、そのニューヨークステーキが1100円引き。あんまり見ないディスカウント。
どこら辺がニューヨークなのかは謎のまま、さらにはアイスクリームも半額だ。ニューヨークとは、そして定価とは何か、という普段あまり考えない思いも湧くハイテンションだ。
●長崎にもらった元気
繰り返しにもなるが、どこの店の人も親切で、食べ物もおいしかった長崎。そうした旅の基本的な満足度が高いうえに、ところどころ上ずったテンションまで見せてくれた長崎。本当にすばらしい街で、またいつか行きたいと思います。