今回の構成
今回の記事はこういう構成になっています。
1ページ目と2ページ目、小林製薬の製品名を分類、傾向を探ります。3ページ目と4ページ目は色んなものをリネーミングしてみたいと思います。
ズラリならぶ色んな製品。
まずはネーミングを知ろう
まずは小林製薬の製品がどんな名前なのか改めて調べなくてはならない。近所のドラッグストアとホームセンターに行ってみた。
並んでた小林製薬の製品名はイメージ通りにいい感じだった。売り場でもよく目立つ。
アンメルツヨコヨコ。ポップにも「ヨコヨコ!の響きでお馴染み☆」って書かれてる。ヨコヨコは塗る部分は横を向いてるからだそうな。
アイボン。4文字の名前で強烈なインパクトです。
熱を冷ますから熱さまシート。「熱さましシート」ではないところが小林製薬っぽい。
喉に塗るから「のどぬーる」。最後の部分を伸ばす名前も多い。
一応傾向はあるっぽい
他にも色々と小林製薬の製品を見つけた。あと、Webサイトを見たらすごくたくさん載っていた。全部は無理だったけど、代表的な製品名を系統別に分けていったら一応傾向っぽいものが見えてきた。
ケア系
・コムレケア(こむら返り)
・サカムケア(指のさかむけ)
・ブレスケア(息リフレッシュ)
対象の後に「ケア」が付くタイプである。ケアは保護、心配、気をつけるなどの意味があり、語感的には治療するイメージがある。ファイナルファンタジーってゲームでは回復魔法がケアルって名前だ。
それぞれこむら返りやさかむけに対応する治療薬って事で名前から意味がわかりやすい。
これは成分の「リドカイン」をもじったんじゃないかと思う。ラナはポーランド語で傷って意味があるらしいが、ちょっと違うか。
ノン
・アットノン(傷跡を目立たなくする)
・ズッキノン(肩こりからの頭痛に効く)
・チクナイン(ちくのう症、慢性鼻炎に)
ケア系と同じで、対象の後に「ノン」が付くタイプ。傷跡や痛みを無くすという意味で、薬の名前として判りやすい。
チクナインは何かの痛みを和らげるのかと思ったらちくのう症の「チク」だった。言われてみれば判りやすい。
去年指切った後しばらく塗ってたけど、いまいち効果はよく判らなかった。
ラック
・イララック(気持ちを穏やかにする)
・シビラック(手足の痺れに)
これも接尾語系で、「ラック」が付く。おそらく「楽」と掛けている。薬なので「運」の意味のラックではないだろう。
そういえば便秘薬には「ラック」が付く物が伝統的に多い。そこら辺にも引っかけてるのかも知れない。
これはエスエス製薬の便秘薬「スルーラック」。
ピタン
・ナリピタン(耳鳴り)
・カゼピタン(鼻づまり)
・ガスピタン(お腹の張り)
これも判りやすい。ナリピタンは語尾に「~なり」って付いちゃうコロ助とかに飲ませると、あの変なしゃべり方が直る薬である。
風邪ピタン、ガスピタンなんかも判りやすい。僕はおならがどうにも多く、僕がプリプリとおならをすると妻がプリプリと怒るので、あとでガスピタンを買ってきてみようかなって思った。
おそらく、今僕が最も飲むべき薬。
文字重ね
・熱さまシート(冷感シート)
・サカムケア(さかむけ)
・なめらかかと(かかとをしっとり滑らかに)
・ケシミン液(シミを防ぐ)
名前と機能の間の音が同じ場合に重なってる部分を1文字削っちゃうパターンだ。「熱冷ましシート」「さかむけケア」「なめらかかかと」「ケシシミン液」って書いちゃうと、声に出しても文字で書いてもわずらわしい印象がある。
薬剤師などに名前を伝える場合でも言いやすいってのは重要だ。その点、小林製薬の製品名はよく考えられていると思う。
パッケージデザインも判りやすい。
ダジャレ
・ファイチ(ファイト+血=貧血薬)
・ツージーQ(お通じ)
・ヒガサンヌ (UVカットスプレー)
貧血薬がファイト+血でファイチってのは、ダジャレとしては相当な冒険だと思う。これだったら、例えば疲れ目に聞く目薬はファイメで良い事になる。
ツージーQは便秘薬だが、ロック歌手の
スージー・クアトロをもじってるんじゃないかと思う。これもかなりダイナミックなネーミングだ。
ヒガサンヌは日傘を差してる女性のイメージで、UVカットスプレーを表している。良く出来た名前だと思う。
見つけたとき「マジかよ」って思った。
名詞+なぜか伸ばす
・のどぬ~る(喉に塗る)
・ナイシトール(内臓脂肪を取る)
・しみとり~な(服の染みを取る)
・シコンコート(歯根を守る)
・フェミニーナ軟膏(女性用かゆみ止め)
薬の名前としてよくあるのがこれ。例えば「のどぬ~る」は「ノドヌル」って4文字カタカナにしてもありそうだが、敢えて平仮名で伸ばしてみるってのが良い。
「しみとりーな」は洋服の染みを取る液体で、「シミトリン」とか名前を付けると「ケシミン」とかぶるから敢えて外したのだろう。
これも語尾を伸ばす系。デリケートゾーンって表記にドキドキする思春期脳。
命令形
・メグリナ(血の巡りを良くする)
・トマリナ(歯茎下がりを防ぐ)
・しみとり~な(服の染みを取る)
頭に「ちょっと」って付けたくなるタイプがこれら。僕の中では、「ちょっとトマリナ!」って、スカートと髪の毛が長いスケバンに後ろから命令されるイメージである。
南野陽子さんみたいな人(2代目麻宮サキのイメージ)に「ちょっとメグリナ!」とか「ちょっと染みとりーな!」って言われるわけだ。ゾクゾクする。
描写系
・トイレその後に
・チン!してふくだけ
・髪の毛集めてポイ
・トイレットペーパーでちょいふき
・ブルーレットおくだけ
もう、なんの説明もないパターン。名前が機能や使い方をそのまんな表している。これぞ小林製薬!というネーミングである。
小林製薬の製品はパッケージのおもて面だけ見れば使い方も機能も全て判るのがすごい。
裏面を見る必要がないくらいすごいパッケージだと思う。
なんとか中
・食器洗い機洗浄中
・クエン酸洗浄中
・ステンレス水筒洗浄中
・ポット洗浄中
・電気ケトル洗浄中
「おまえどこ中?」「ポット洗浄中」って、そんな話じゃなくて。
これらも小林製薬っぽい。例えば、バルサンを家で炊くときにドアに「バルサン中」って書いた張り紙を貼ったりするが、それをそのまま名前にしちゃってるのだ。
ポットの横に「ポット洗浄中」の箱があったら、「ああ、洗浄中なのね」って一目でわかる。
トイレ洗浄中ってのもストレートでいいが、「さぼったリング」ってのも秀逸。
分類出来ないけど小林製薬っぽい
・鼻スースースティック(かぐと鼻がスースーする)
・あせワキパット(脇の汗を吸うパット)
・天使のミミクリン(耳掃除セット)
・ボーコレン(膀胱炎治療薬)
・フキディア(吹き出物治療薬)
・キズアワワ(傷を泡で消毒)
・キズドライ(傷をサラッと消毒)
・ナイトミン(夜+睡眠)
これらは上手く分類出来なかったけど小林製薬っぽい製品名。名前を見れば大体機能がわかるし、口に出して言いやすい。どこかドラえもんの秘密道具っぽい雰囲気もあり、ナイスネーミングの宝庫であった。
小林製薬3連発。パッケージデザインもよく出来てると思う。
次のページでは、他社の製品名はどうなのかを見ていきたいと思います。
他社製品はどうか
やっぱり小林製薬のネーミングは面白い。気が抜けているようでいて、製品の機能を短く表現する見事な名前だ。ストレートっぽいのにそのまんまって名前じゃないのがすごい。
じゃあ他社製品はどうかって探したら、割りと小林製薬っぽいのもあった。
桐灰の「エアコンのホコリ集めてポイ」。
小林製薬で言えば「描写系」に分類するだろう、「エアコンのホコリ集めてポイ」。使い捨てカイロで有名は桐灰の製品だ。どっちが先に発売したのか知らないので細かい事を言うつもりはないが、「髪の毛集めてポイ」によく似たネーミングである。
なるほど、こういう名前は小林製薬じゃなくてもアリだったのか。
デリケア、良い名前です。
虫さされ薬のムヒで有名は池田模範堂からは、名前に「ケア」が付くケア系の塗り薬がいくつか出ている。
デリケートエリアのかゆみを取る「デリケア」は、デリケートのケとケアのケを重ねている文字重ね系でもある。
他には、すね毛や腕毛を剃った後の肌荒れにつけるケアレケア、ひびやあかぎれに付けるヒビケアなど、それっぽい名前の製品があった。
池田模範堂のパッケージは手とか足がなまめかしい。
ピカーって光る演出がなんか薬っぽい。
ムヒと同じく、池田模範堂の「お熱とろーね」は前ページでいう「名詞+なぜか伸ばす系」である。やっぱり池田模範堂の製品名は小林製薬とどこか似ている。
ムヒが有名な池田模範堂の冷却シート。「とろーね」と、伸ばしてるのがそれっぽいっちゃそれっぽい。
代表はやはりこれか。ピンクの小粒コーラック。
便秘にはラック系だ
僕にとって便秘薬といえば、やはりピンクの小粒でお馴染みのコーラック。今は大正製薬の製品らしい。
僕は大体便秘で困ることがないので便秘薬についてはあまり知らないのだが、売り場を見てみると色んなのがあって、名前に「ラック」って付いてるのが多かった。
コーラック、ビューラック、スルーラック。コーラックはよくわかんないけど、ビューラック、スルーラックは確かになんか出そうな名前である。スッキリ出して楽になろうって事なんだろう。
全部色がピンク。やっぱり、「ピンクの小粒コーラック」ってイメージが強いんだろうな。
この、ラック全盛の便秘薬業界において「ツージーQ」という名前を付けた小林製薬の勇気には拍手を送りたい。
ただ、便秘薬業界で一番すごいネーミングは「スリムドカン」だと思う事は一言添えておく。
サラ・コナーズに引っかけてるのだろうか。
虫コナーズは秀逸だ
金鳥の虫コナーズは良い名前だと思う。映画ターミネーターに出てくるコナーズ親子を連想させる。虫コナーズって名前を目にするたびに脳裏にサラ・コナーズが現われてターミネーターを見たくなる。
更に色々
ライオンの冷えピタもどことなく小林製薬っぽい。
なお、小林製薬っぽいなんて書くと「なんだ、うちが真似してるみたいじゃないか」ってライオンの人に怒られそうだけど、雰囲気が似てるって言ってるだけで、どっちが真似したとか他意はないので流しておいていただきたい(商品発売の順番とか調べてないですし、どちらかを糾弾したいわけでもない)。
あくまで雰囲気の代表として小林製薬を勝手に出してるだけです。
シンプルなイラストとシンプルな名前が良い。
ケロリンのパッケージが可愛い。薬って「リン」が付くのも多い気がする。
ジョンソンみたいに外国のメーカーだと長い横文字の名前が多い。余談だけど、どっかの子供が「あたしもトイレにスタンプしたいー!買ってー!」ってこれを欲しがっていた。子供のスタンプ好きおそるべし。
殺虫剤の名前が面白い
あとついでに、小林製薬はもはや関係無いんだけど農業用殺虫剤コーナーの商品名がおかしかったので紹介しておきたい。見つけたオモシロを文脈に関係無くみせたくなってしまう貧乏性である。
最初はカダンのアリ用殺虫剤から。
かなり遠くから見えて度肝を抜かれた。「アリ全滅」って。
除草剤のネコソギエースX。エースとXっていう強そうな記号を二重に付けちゃう辺りが良い。最初は猫を避ける薬かと思って驚いた。
「名詞+なぜか伸ばす系」がここにも。内臓脂肪とコケは同様に取るべきものなのらしい。後ろのコケレスなんか野球選手の名前みたいで良い。
ここまでで大体、小林製薬っぽい名前の傾向が判った。じゃあ、そのネーミングセンスを他の製品に生かしてみたらどうだろう?という試みが次のページである。
小林メソッドですべてを小林製薬っぽく
前の2ページで小林製薬っぽさを判っていただけただろうか。では次に何をするかというと、その辺のものに小林製薬っぽい名前を付けてみるのだ。
頭を空っぽにして元の名前を忘れて新たに命名する。神の所業である。
まずはすき家のハンバーグ。
フワフワで安いわりにちゃんと美味い。すき家はご飯も美味しい。
デミグラスソースが掛ったデミバーグ定食である。480円。すき家は意外にご飯も美味しいし、ご飯の大盛りが無料だったりするので困ってしまう。
この「デミバーグ定食」を小林メソッドでリネームするとこんな名前になるだろうか。
なんか違う。
これだ!と思ったけど、よく考えたらこれ違う。例えばこれを「髪の毛集めてポイ」に例えると、ハンバーグ自身は集められてポイされる髪の毛に相当してしまう。
ハンバーグ自体の機能についてわかる名前にせねばならない。例えばこんなの。
これだ。
食べれば空腹がピタンとおさまる。これこそハンバーグの機能を表している。しかしなんか物足りない。他にも文言を入れてみるべきじゃないか。
で、出来たのがこれ。
ぽいね、ぽい。
空腹に効きそうです。
よし。大体判った。この調子で他のものも小林メソッドの餌食にしてやろう。
公衆電話もこの有様だ。
なぜ野良猫がいたのか。
もう死も怖くない。
鬼瓦も小林化。
マニ車のイメージが変わる。
ちゃんと止まりましょう。
カツラックじゃダメだった。
これで大丈夫。
楽しい
僕のネーミングセンスが面白いか寒いかは別として、小林メソッドでリネームするの楽しい。なんにでも「ザ・」を付けてダイソーごっこをするのと同じ、いや、それ以上に楽しい。
次のページも同じように続きます。
「光る眼」っていう映画を見て以来憧れていた。
眼が光るのって格好良いし便利そうなので、こんな薬があったら飲んでみたい。
次、ウニ。
ダジャレですわ。
ウニ食べたい。
次。世界一臭い缶詰と言われる「シュールストレミング」。一度食べたことがあるが、匂いはともかく味はなかなか良かった。塩辛みたいで。だったら塩辛食べてりゃ良いって気もしたけど。
大体、寂れた公園の公衆トイレみたいな匂いでした。
そろそろ考えるのツライ。
宇宙線をどれだけ防げるかとかは、正直知らない。
もうなにも思いつかない。自分の限界を見た気がしたので、ここで終わりにさせていただきます。
お腹減ったのですき家でクーフクリア食べてこようかな。
小林製薬を応援していきたい
今後も面白い製品名を見せてもらいたいので、今後も個人的に小林製薬を応援していきたい。製品名が面白いってだけでそれを買っちゃうのって僕だけですかね。そんな事無いよね?
なお、この記事は単なる個人的な趣味に基づいて書かれたもので、今流行りのステマやその他なんかみんなが嫌いそうなアレじゃないので陰謀論とか言い出したりしないよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。