製作現場とか、見てみたいなぁ
フィリピンならではのジプニーアート、いかがだったろうか。
同じデザインは二つと無いというジプニー。確かに町で観察してみると、それぞれに個性があり、道路脇に腰を下ろして道行くジプニーをぼーっと眺めているだけでも楽しかった。
日本に帰ってから聞いた話によると、マニラ郊外にはこのジプニーを製作する工場があり、ジプニーの製作の様子を見学できるのだという。それはおもしろそうだ。次にマニラに行ったときは、いの一番にかけつけてみよう。
道路を行き交うジプニーを見ていて、ふと、サソリをモチーフにしたデザインがやけに多いことに気が付いた。
何でサソリなのだろう。サソリといえば毒針。この図柄には、何か攻撃的なニュアンスでも含まれているのだろうか。幅寄せしてきたら刺すぜ、とか。
しかし、別のジプニーに描かれていたカニの絵を発見して、ようやくそれが何であるのか理解した。あぁ、なるほど、これは星座だったのだ。サソリ座と、カニ座。
なんで星座なのか、そしてなんでサソリ座の割合が多いのか、それは依然不明であるが。
サソリ座、かに座の他にもこれだけの星座を見つけることができた。さすがに12全部を見つけることはできなかったが、他の星座もきっとどこかにあるのだろう。よく見られるサソリ座は、きっと人気の高い星座なのだ。
しかし、やはりなぜ星座なのかが気になる。星座しか描かない専門の塗装職人とかがいるのだろうか。塩ラーメンしか作らないラーメン屋さんみたいな。いや、それはちょっと違う。
フィリピンはアジア唯一のキリスト教国。国民の大半はカトリックを信仰している。どんな田舎に行っても町の中心には必ず教会が建っており、日曜日にはミサに参列する大勢の人々で賑わうという、そんな国。
そのような、敬虔なクリスチャンの多いフィリピンでは、ジプニーにおいても宗教に関する絵を見ることができる。
ところで、カトリックが影響しているのか、それともスペインやアメリカに統治されていた時代があったためか、フィリピン人の名前は総じて欧米的な名前だったりする。
顔はどう見てもアジア人なのに、ジョニーとか、アントニーとか、みんなそういう名前。もちろん、通称ではなく本名。田舎の村の、トライシクル(フィリピンの三輪タクシー)のもっさいおっさん運転手であっても、掲げられている運転免許証を見ると名前がトーマスだったりして面白い。
さて、最後は直線によってデザインされた、幾何学的な模様のペイントを紹介しよう。これは標高の高いの避暑地である、バギオという町にて多く見られたデザインだ。
個人的には、この幾何学模様タイプが一番好きだったりする。単純そうに見えて、線のもっていきかたとか、配色とか、結構奥が深い模様なのではないかと思うのだ。そういうところにも、塗装職人のセンスが垣間見れる。
フィリピンならではのジプニーアート、いかがだったろうか。
同じデザインは二つと無いというジプニー。確かに町で観察してみると、それぞれに個性があり、道路脇に腰を下ろして道行くジプニーをぼーっと眺めているだけでも楽しかった。
日本に帰ってから聞いた話によると、マニラ郊外にはこのジプニーを製作する工場があり、ジプニーの製作の様子を見学できるのだという。それはおもしろそうだ。次にマニラに行ったときは、いの一番にかけつけてみよう。
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