なんでもない風景に色がつくのが好きだ
ぼくは物語が好きなので、このなんでもない道を昔ハチ公が歩いたんだ、と思うとちょっと嬉しくなるたちです。この道はむかし川底だったとか、何でもいいのですが、そういうことを知るといつもの風景がちょっと違って見える。そういう経験をなるべく多くしたいなあと思います。
ハチ公はけっこう大きな犬だったらしい。文献集によると「肩の高さ二尺一寸三分」 とある。 だいたい65センチ。
それくらいの目の高さで、写真を撮ってみた。場所は、小林さんのお家から最初に大きな道が見える三叉路。
(とつぜん)ハチ公一口メモ: 「ハチ公はチクワが大好きだった」 |
ハチ公一口メモ: 「ハチ公はいつもうつむいて歩いていた」 |
ハチ公一口メモ: 「ハチ公は焼き鳥が大好きだった。焼き鳥目当てに駅まで通っていたという説もあるらしい。」 |
ハチ公一口メモ: 「ハチ公は実はかなりでかくて、渋谷駅にたむろしていた周りの犬を威圧して焼き鳥をもらったりした」 |
現在の渋谷の駅前をハチ公のような犬がひとりで歩いていたらそうとう奇妙だろう、と思ったのだが、だいたいそのとおりだった。
「夕方時分になると、大きな犬が改札口の傍らに、ちょこんと座っている姿をよく見かけました。無名の頃のハチ公でした。亡くなった飼い主を待っていたのです。(ハチ公文献集より)」
という当時の証言がある。実はハチ公も最初の数年はその悲劇性をまったく知られてなくて、まわりの人に蹴飛ばされたりしたらしい。新聞記事で取り上げられてから一気に有名になった。
いまの渋谷で新たなハチ公物語が展開されたとしても、なんか変な犬がいるから警察に連絡、とかいうことになるんだろうなあと思う。
ぼくは物語が好きなので、このなんでもない道を昔ハチ公が歩いたんだ、と思うとちょっと嬉しくなるたちです。この道はむかし川底だったとか、何でもいいのですが、そういうことを知るといつもの風景がちょっと違って見える。そういう経験をなるべく多くしたいなあと思います。
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