いらないTシャツを満喫した
いらないTシャツがなんでこんなに面白いんだろう。
欲しいものは買ったり探したりして家にあるが、いらないものは家にない。だから新鮮で予想外に感じるのかもしれない。
いらないTシャツの後ろから殴ってくるようなデザインはまさにそれである。消費社会のラストステージみたいなイベントだった。
次回はいらないランニング交換会(どんどん袖が短くなる)でお会いしましょう。
7月11日12日にいらないTシャツ交換会が開催された。
いらないTシャツ同士をランダムに交換するイベントだ。
誰が見てもいらないTシャツが集まった。でもそれらはなぜか妙に愛らしく、受け取っるとなぜか嬉しい(いらないのに)。
参加者同士に不思議な一体感がうまれ、「なぜか楽しい」がたくさん起きた奇跡のイベントを紹介したい。(まとめ・林雄司)
いらないTシャツを持っていくと、誰かのいらないTシャツと交換できるイベントだ。サイズだけは選ぶことはできるが、なにがあたるかはランダムである。
まずはどんな交換が行われたかを見てもらいたい。(こんなおもしろ交換がすべて偶然なのだ。すごいですよね?)
※左が持ってきたTシャツ → 右が交換後のTシャツ
こんな奇跡は人生の大事なときにとっておきたい。そう思う組み合わせが次々と起きた。
そのたびに会場では拍手と歓声(「いらね~(笑)」という声を含め)がわきあがった。いらないTシャツで知らない者同士うっかり一体感が出てしまった。
「いらない」という感情は個人のもののはずだ。
でも、会場に登場したTシャツはどれも「確かにこれは買う、でも着ない。」という共感があった。断捨離された側にこんな芳醇な世界があったとは。
そう、へんなTシャツ着て電車で1時間ぐらいの海に行くのが夏休みだ。
楽器やPAをやってる人ならいちどは見たことがある人。
渋谷の真のランドマーク、三千里薬品。あのネオンを意識したのか、プリントがラメ。
背中にpH5.5と書いてあって気が利いてました。
ちなみにこれを持ってきてくれた男性はいまはラッパーではないタイプのおしゃれになっていた。大学1年って中2ぐらいの迷いの時期ですよね。
トラ、USA STYLE MIND!、星、袖だけボーダー。完璧です。
在庫品を涙をのんで持ってきてくれた人もいました。
たんぽぽハウスは10円で服が買えるショップです。
袖メッシュ、数字の奥には宇宙。いらないTシャツって人知を超えた組み合わせを見せてきますよね。
持ってきたのは男性でした。
説明がトートロジー!
なぜいらないのか、その理由はひとそれぞれ。
自分の知らないところで知らない人が知らない人生を送っているということを教えてくれる。そんないらなさ。
こんな手紙がついていたら大事にするしかない。
2002年、自分がなにをしていたかを思い出すとエモいのだが、それを微塵も感じさせないタコの柄。
まぐろが好きなだけなのに。
かわいい猫が人を襲ってます。
5秒ほど見てると圧を感じますね。
将太の寿司パターン。記号性が高いTシャツは要注意ですね。
旅先でテンション上がって買い、日本についてスーツケースを開けてみると「?」となるイリュージョンを起こした珠玉のTシャツも集まった。
貿易赤字、民間消費という言葉の実態はいらないTシャツなのだ。
「ハワイのドンキホーテ」というワードだけで優勝。
すごくいいものがスペインから。
難易度の高さ。
SAMPLEらしき文字の一部が透けてある虫もあり、カンプそのまま使ってるワイルドなデザインだった。
旅行土産+知識がない。いらない要素2冠のTシャツ。
別の人から似たようなタイのTシャツが集まった。
ビアラオの飲み方情報が魅力的。
酔っぱらいから買うのも旅行ならでは。
ロシアTシャツも多かった。柄がどれも力があって「買うけど着れない」を見事に貫いている。
いらないTシャツがなんでこんなに面白いんだろう。
欲しいものは買ったり探したりして家にあるが、いらないものは家にない。だから新鮮で予想外に感じるのかもしれない。
いらないTシャツの後ろから殴ってくるようなデザインはまさにそれである。消費社会のラストステージみたいなイベントだった。
次回はいらないランニング交換会(どんどん袖が短くなる)でお会いしましょう。
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