豆腐を干す
豆腐は大きめのサイの目に切り、全体に塩をまぶし、たまに転がしながら三日ほど陰干しをする。豆腐の干物を作るわけだ。
豆腐を外に置いておくと、落語で言う「酢豆腐」や「ちりとてちん」になるんじゃないかと心配だったのだが、塩のおかげか腐ることなく、パルミジャーノ・レッジャーノのように仕上がった。削ってパスタにかけたらうまそうだ。
麹で漬け汁をつくる
続いての作業は、豆腐の漬け汁をつくること。二週間ぶりに冷蔵庫から麹の泡盛漬けをとりだすときに、紅麹を使わなかったけれど、麹菌が泡盛で酔っぱらって真っ赤になっていたらいいななんて思ったが、やっぱり吸水した玄米みたいなビジュアルのままだった。
これをすり鉢でゴリゴリしてつぶし、砂糖と塩を適当に入れる。砂糖はちょっとでも沖縄に近づくべく、黒糖を使ってみた。味見をしたところで、正解がよくわからない。
このようにして出来上がった漬け汁だが、やっぱり豆腐ようはサンタと同じで赤くないと気分が盛り上がらない。
白いサンタなんてただの厚着したおじいさん、あるいはケンタッキーのカーネルサンダースだ。やっぱり豆腐ようは赤くあってほしい。
無理やり赤く染めてみる
赤くないなら、赤く染めよう、米麹。字余り。
※ホトトギスの句のパロディです。って説明しないとわからないですね。
食用色素、いわゆる食紅を加えてみることにした。
わーわーわー。なんだこの林家ペー・パー子みたいな派手なピンク色は。アメリカのお菓子のような強烈な色。煮物を作っていて、みりんと酢を間違えたような強烈な後悔の念。
ひと匙の食紅が、二週間かけて並べた豆腐ようという名のドミノを一気に崩壊させた瞬間だった。
仕方がないのでこれていきます
わかった、透明な水みたいなものだったら食紅で赤くなるけれど、白いものに食紅を入れると、その中間のピンクになる訳だな。
白+赤=ピンク。こんなの小学校の頃に理解していた計算式のはずなのに。これ以上食紅を入れても、どうせ求めている赤にはならず、どぎついピンクになるだけなので、もうやめておこう。
これを三ヶ月間寝かせれば、ピンクの電話、ピンクのモーツァルトに続く、日本三大ピンク、ピンクの豆腐ようの完成だよーん。
あーあ。