思わぬ敵の出現
方法は至って簡単だ。カメラを三脚に固定してタイムラプスを撮影しているあいだ、自分の目でもじっと見ていればいい。
……
…………
……はっ!!!
ああおそろしい!あっという間に睡魔に襲われてしまった。張り込み中の刑事ならアンパンで頭を叩かれたのち即クビになるところだった。
「じっと見るだけ」なんて楽勝楽勝♪と思っていたが、もしかすると大変なことに手を出したのかもしれない。
まじで眠い、ぜんぜんわかんね~~!!
真面目に聞いてたのについていけず睡魔とともに脱落した学生時代を思い出しつつ、なんとか続いた1時間分のカメラロールを見返したときだ。
えっ、ちょっと、動いてる……!!!!???
ブワッと目が覚めた。わたしがうとうとしながら眺めていた花が、確かに目の前で動いている。らしい。悲しいかな全然実感はない。
その後もシャッターを切っては前の写真と見比べて、時々5分ほど意識をすっとばしつつもなんとか記録を続けた6時間がこれだ。
動いてる!!
手動シャッターによる手ブレを差し引いても、花びら全体がぶわっと広がっていくのがわかる。すご!!
拡大すると、もっと動きが見えてきた。
大地が轟くようなブレ加減で失礼しますね
画面中央、雄しべがズズズ……と伸びているのがわかるだろうか。
まったくピントが合っていない奥の花も、着実に開花の準備を進めていた
こんなに派手に変わっていたんだと驚かされるばかりである。「見ていたはずなのに見えていない」ということを、ここまで思い知らされるとは。