めちゃくちゃいい地名がゴロゴロ
西村:亀戸の方に戻るんですけど、旅所とかよくないですか?
102so:へー、そんなところがあるんですね。めちゃくちゃいいですね。
西村:ざっと検索してみたんですけど、そういう地名があったわけじゃなくて、旅所橋という橋があったっぽいんですよね。旅所って、お祭りのときにお神輿とかを一時的に置いておくところを御旅所なんて言ったらしいんですけど、たぶん御旅所が付近にあったんでしょうね。
102so:そういう地名があったら良かったんですけど。
西村:今調べたら、墨東病院のすぐ脇に旅所橋という橋はあるんですけど、この旅所ガードの位置とはちょっと距離が離れてますね……。
西村:もしかしたら、御旅所が複数あって、橋のところとガードのところがそれぞれ「旅所」なんて呼ばれていた可能性もなきにもあらずですね。
102so:どうやら小字名なんかにも無いみたいなんですけど、これは昔の人が場所を言い表すときに使ってた通称がそのままついてる可能性もありますね。
西村:総武線は、ガード名もなんですが、高架名にいい感じの旧町名が付きがちなんですよ。例えば、旅籠町(はたごまち)。
102so:秋葉原の辺ですね、旧町名ですねこれ。
西村:隣の佐久間町は……。
102so:神田佐久間町は今でもあります。
西村:そのとなり、餌鳥町。
102so:餌鳥町、めっちゃ範囲が小さい町なんですよ。旧町名ですね。いやー、いいですねこれ……こういうの大好き。しかもこの町、浅草餌鳥町と神田餌鳥町に別れたのかな。最後まで残ってたのが神田餌鳥町だったはずですね。
西村:台東区と千代田区の境目あたりにあるんですね。旧町名としては発見されてますか?
102so:餌鳥町は範囲が狭いので、くまなく探したんですけど、もう残ってないですね。
西村:ということは、当時から残っているものはもう無いけれど、高架名として、文字だけはなんとか残っている……ということですね。
102so:そうですね。
西村:気になる方もいらっしゃるかと思いますので、いちおう触れておきますが、餌鳥町は、鷹狩の鷹のエサになるスズメなどを集める人が拝領した屋敷があったためこのような名前になった。ということだそうです。
西村:あと、気になったのが、茅町。
西村:これはおそらく、高架の下にある店舗にある表示なんで、高架の名称の看板そのものでは無いんですが。なので一応(?)とはしたんですが。茅町は旧町名ですよね?
102so:茅町は旧町名ですね。茅町は不忍池のあたりにもあった地名なんですよね。こっちの茅町は浅草茅町というふうに言われていて、不忍池の池の方の茅町は下谷茅町というふうに言われてたはずですね。
西村:これは発見されてます?
102so:浅草茅町は、東京35区が成立した1932(昭和7)年頃になくなった(1934(昭和9)年に消滅)「旧旧町名」なので、なかなか残ってないんですよね。
西村:下谷茅町も、浅草茅町も、どっちも水辺で、昔はまさにカヤが生い茂っていたんでしょうね……浅草橋周辺の旧町名、いいのが多いですね……。
102so:そうなんですよ、この界隈、瓦町とか猿谷町とか、見てみたいですねー。その頃に行ってみたいですね……。
西村:総武線は、ガード名だけじゃなくて、高架名にもかなりいい旧町名が残ってる。そういうことがわかりました。
なんと、中央線は次回!
というわけで、総武線にはかなりいい旧町名が残っていたということがわかりました。
次は中央線……ということですが、なんと、次回に続きます。
乞うご期待!
私ライター西村が11年前から注目し続け、陰ながら応援してきた102soさんの「旧町名をさがす会」の活動が、ついに一冊の本となりました!!
『旧町名さがしてみました in東京』
102so著/二見書房刊/1925円(税込)
そもそもの旧町名とは、住居表示とは、といった基本的なところから、102soさんの旧町名へのこだわり、そして旧町名偏愛者として有名な能町みね子さんとの対談など、かなり読み応えある内容となっております。ぜひどうぞ。
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西村まさゆき著/天夢人/1760円(税込)
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あと、これは大きな声では言えませんが、若干表記がおかしかったところが直っております!
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