特集 2023年6月19日

レンタサイクルでセルフこころ旅

自転車の旅は、寄り道しながら進む

さらに進むと港があった。

これまで何度も通った道だが、自転車でなければ気がつかなかった。

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自転車旅は寄り道がしたくなる

こころ旅らしく、誰かとふれあえないかという思いもあって立ち寄ってみるが、人の気配なし。

少し休んでまた出発。

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電動チャリオは上り坂もラクラク

本家「こころ旅」では長い登坂は火野正平さんの天敵だが、我がレンタサイクル、電動チャリオならばスイスイのぼって行けて楽ちんである。

今まで電動自転車は高いなあと思っていたが、今回はじめて乗ってみて、それだけ支払う価値はあるなと実感。

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積極的にふれあいを探す

こころ旅らしく、誰かとふれあいたいと、橋の上から行きすぎる船に向って手を振ってみるが誰も手を振り返してはくれなかった。

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老舗の料亭

さらに進んで黒塀の通りに来た。どうやら老舗の料亭のようである。

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行形亭(いきなりや)

そこの行形亭という高級料亭の隣には…

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行形亭の横の地獄極楽小路

地極極楽小路というなんだか物騒な名前の道があった。

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その昔、料亭の横の小道を挟んで刑務所があったらしい

向って左の黒塀が料亭、右のレンガが昭和46年まであった新潟刑務所跡。

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新潟刑務所跡に再現された通用門

今は公園になっている。

かつては、こんな小さな道を挟んで地獄と極楽があったのか。

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極楽に行きてえ

今度、デイリーのネタ会議で「老舗高級料亭に行きたい!」という記事を提案してみようとよこしまなことを考えながら通り過ぎた。その前に入店を断られるかもしれないが。

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海浜公園

長い坂道を登りきったところにある海浜公園に入った。

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海が近くにある巨大な公園

少し行くと、ドン山なる看板を発見。

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ドン山

なんだろう?

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由来

大正時代まで正午の時報がわりに空砲を撃っていたらしい。

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大砲と

ダイナミックな時代だったのですね。

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再び出発

ちょうどいいところで、休憩ができた。

さて、そろそろ海だぞ。

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海が見えた

海浜公園を抜けると目の前が海だ。

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日本海

海沿いのまっすぐな道をしばらく進むと

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目的地とうちゃこ(到着)

寄り道しながらなので2時間弱かかったが、目的地とうちゃこ。

「こころ旅」では到着を、とうちゃこと言うのです。

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我が心の風景

いつも当サイトの投稿コーナー「自由ポータルZ」の結果を見ていた場所へ着いたぞ。いつも「もう一息」だったよなあ。

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とうちゃこ

さて、我が心の風景に到着。

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とうちゃこ!

ここでもう一度、手紙を朗読しよう。

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再び手紙を読む

私の心の風景は、新潟県の関谷浜です。

私は3年ほど前、デイリーポータルZのライターになるため、ライターへの登竜門である投稿コーナーに投稿しておりました。

毎週公開されるそのコーナーは、入選を5回果たすとゲスト執筆の機会を与えられるというものです。

私は記事を投稿した週は、心を落ち着けるため、いつも関谷浜で海を眺めながら祈るような気持ちで結果をみていました。

しかし半年間に渡って投稿を続けましたが、記事は掲載されるものの力及ばず入選は一度だけという状況。

これではゲスト執筆までに何年かかるのかと不安になっておりました。

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ブツブツ言う男を不審がるワンちゃん

自分には才能がないのかもしれない。この海を見ながらそう思いました。

もう次で、投稿は最後にしよう、それで入選しなければライターになる夢は諦めよう。
だから最後の記事にふさわしい記事を書こうと決め、気合を入れて記事を作成。
自分でも納得の行く記事ができあがり自信満々で投稿。

最後になるかもしれない結果発表も関谷浜で待ちました。

しかし、結果は入選どろこか掲載もなし。

これで自分には才能がないことがはっきりした。

それまで禁酒をしていましたが、心が乱れ、今日ぐらいは酒を飲んで憂さ晴らしをしようとスーパーへ行き、安物のウイスキーを買い物かごにいれました。

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人が通りかかると小声になる

その瞬間です。デイリーポータルZの編集部から「今回の記事は素晴らしいので、投稿コーナーではなく通常の記事として、
そのまま掲載したい」というメールが届きました。

私は慌ててウイスキーを棚に戻し、代わりにぼた餅を購入。

この浜に引き返し、海を見ながら食べたぼた餅の味が今でも忘れられません。

一度よかったら、私の心の風景を見に、新潟県の関谷浜へお越しいただけませんか?

 読み終えて、海を眺める。海の近くに住んでいてよかったと思った。新潟よいとこ一度はおいで。


人生下り坂最高!

自分で言い出しておいてなんだが、なかなか気恥ずかしい企画であった。

だが、やってみると自分を見つめ直すこともでき、また今の状況に感謝できたりもして、機会があればまたやってみるつもりである。

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いったい何を読んでいるのか心配になる
 

しかし、景色のいいところで、スマホではなく紙の手紙を読むという姿は、それを見る人に対して何かしらの緊張感を与えることがわかった。

なので、今後はスマホで読むつもりだ。

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