親父の小言
ざっと9つの心得を確認するように体験してみて、懐かしい感じとともに思ったことは、「大体いいけどちょっと変だなあ」ということ。言うなればよく居酒屋にある「親父の小言」みたいな距離感だ。
でも、中学生が先生から言われたり、生徒手帳に書かれてたりしたらそのおかしさに気がつかないで真に受けすぎてしまうかもしれない。 真に受けてしまったら進歩はないだろう。
なのでこの生活の心得も、額縁に入れてトイレに飾っておけばよいのではないだろうか。そんな教育の提言をしてみる。
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生活の心得 6 礼儀を守り、他人に悪い気持を与えないこと。 |
他人に悪い気持を与えないようにするには、人と会わないことが一番だ。隠れて生きよ。
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生活の心得 7 人権を尊重し、自分の安全をはかると共に、他人に危害を与えないようにし、特に交通道徳を必ず守ること。 |
「人権尊重→自他の安全→交通道徳遵守」という話の流れはわからなくもないが、少々強引だ。どうして急に交通道徳が出てくるのだろう。確かに交通安全は大切だけれども。
生活の心得も7つ目ともなると多少無理な感じが出ていると言わざるを得ない。
けどあえて交通道徳を守ってみる。
「交通道徳を守ること=青信号で横断歩道を渡ること」という発想がイメージの貧困さを表しているのかもしれないが、そうでないにしろ交通道徳を守ることは大して難しいことではない。
一方人権尊重の仕方は一体どうしたらいいのかよく分からない。「人権尊重しなきゃ!」というときはあるのだろうか、中学生は。
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生活の心得 8 愛校心を持ち、公共物を大切にすること。 |
どうだろう。読点の前後の文のつながりが分かるであろうか? 僕にはわからない。しかも「物を大切にする」というのは生活の心得その4で出てきたはずである。
「愛校心を持つこと」というだけの心得にしなかったのは、なんだか強要するだけで嫌な感じになってしまうからだろうか。勘ぐりながらも愛校心を示すべく、母校へ向かう。
学校付近で本物の中学生とすれ違って気がついたのだが、僕は服装において大きな過ちを犯している。本物の中学生はポロシャツをズボンの中に入れている。
こんなに暑いのによくそんな格好できるなあと思ったが、きっと愛校心のなせる業なのだろう。こうしてはいられない。
入れてみた。すっかり心が引き締まる思いだ。「服装の乱れは心の乱れ」という言葉をかつて散々耳にしてきたが、今になって初めて実感できることもある。
引き締まった心を胸に、かつての学び舎に向かって愛校心テレパシーを送る。これで満足か、母校よ。
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生活の心得 9 法律、規則、約束などをしっかり守り、明るい楽しい学校を作ること。 |
最後の一つもやっぱり前半と後半の内容に大きな隔たりがある。規則と明るい学校に関係があるだろうか。
中学校を卒業してしまった今では、もはや守るべき規則もなければ、明るい楽しい学校をつくることもできない。土手に佇んで生徒手帳を読むことしかできないののである。るるる。
そんな悲しみをようやく僕は受け入れる。
ざっと9つの心得を確認するように体験してみて、懐かしい感じとともに思ったことは、「大体いいけどちょっと変だなあ」ということ。言うなればよく居酒屋にある「親父の小言」みたいな距離感だ。
でも、中学生が先生から言われたり、生徒手帳に書かれてたりしたらそのおかしさに気がつかないで真に受けすぎてしまうかもしれない。 真に受けてしまったら進歩はないだろう。
なのでこの生活の心得も、額縁に入れてトイレに飾っておけばよいのではないだろうか。そんな教育の提言をしてみる。
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