特集 2023年3月13日

南インドの一般家庭で食べられていた雑穀料理を食べる会

Kambu Kanji(カンブ=トウジンビエ粒の温かい発酵粥)

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ツブツブした香ばしいお粥で、これぞ雑穀という野性味のある風味と食感。今の時代ならセレブが喜びそうだ。他の料理はすべて常温だが、料理だけ温かかった。
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Varugu Adai(ヴァルグ=コド粒のお焼き)

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コドは日本だとススメノコビエと呼ばれる雑草のようだ。生地に適当な具を入れて焼いた、世界中にあるであろう料理のタミル版。タマネギや干しエビが入っているようだ。
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ヴァルグと一緒に食べるベジクルマ(野菜のココナッツカレー)がうますぎる。これは家庭ではなくレストランの味かもしれない。
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Karuvadu kuzhambu(干し魚のコランブ。魚はSura=サメ)

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コランブは酸味の効いたカレー。タチウオを予定していたがサメに変更された。アンモニアが含まれているため腐敗しにくいサメは、日本でも山間部でよく食べられていた。
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本日の特選素材、サメの干物。(写真:マハリンガム)
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インドの魚を干している様子。(写真:小林真樹)
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インドのサメの干物は伊勢で食べた「さめのたれ」という食べ物に似ていた。
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Kattari Vathal Kuzhambu(干しナスのコランブ)

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農村地帯では干した野菜もよく食べるそうだ。トマトの旨味を吸ったナスがうまい。
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Paruppu Thogayal(キマメのトガヤル=ペースト)

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キマメはトゥールダルと呼ばれる多年生植物の豆。味噌や大豆を思い出させる、ちょっと辛い豆ペースト。
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Puli Thogayal(酸っぱいトガヤル)

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強烈な辛さと酸味のペースト。料理というよりは調味料みたいな濃さだが、これが雑穀粥に合うのだ。

――南インドの家庭料理、堪能させていただきました。

小林:「マハさんはミールスやティファンなどのメジャーな南インド料理の他に、本人すら気づいていない引き出しを無数に持っている人なんです。そもそも雑穀料理なんて日常的過ぎて、自分のレパートリーと見なしてしていません」

――マハさんとしては自分が子どもの頃に食べた雑穀料理を、まさか日本人が食べたがるとは思わないでしょうね。このマッチングの楽しさはマハさんだけでなく、日本中にある世界の料理店、あるいは世界にある日本料理店の可能性なのかも。

小林:「そんな開かずの引き出しを今後もこじ開けて、お店と客の双方にメリットのある食企画ができればと思います」


日本とインドにおける共通点と差異を確認しながらいただく食事会は、知的好奇心の満足度がとても高かった。単純なおいしさやコスパだけを求めていたらたどり着けない味。食文化の深掘りの仕方は、まだまだたくさんあるのだなという学び。これらの料理に対応するであろう日本の家庭料理や雑穀の味も、もっともっと知りたくなった。

小林さんの食事会に参加した記録(わたしのブログ)はこちらからどうぞ。

千葉県柏市(増尾駅)のミナレストラン(Mina Restaurant)で、ベンガル人が作るケーララ料理を味わう

下総中山駅の「ロビンズキッチン」でケーララ州出身のキリスト教徒が作る料理を味わう

スリマンガラムの経堂店は閉店するけど祖師ヶ谷大蔵店は今後もマハさんが元気に営業を続けるよ

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