愛用のスニーカーが限界を迎えた
私事ではあるが、3年間履き続けた愛用のスニーカーが限界を迎えている。
靴のメッシュ部分の穴が日に日に大きくなっているのだ。靴上部がまるまる剥がれて、街中で途方に暮れる未来が容易に想像がつく。
といっても、3年間苦楽を共にした靴だ。ポンとゴミ袋に入れてしまうのも気が引ける。悩んでいると「魚拓」の存在が頭に浮かんだのだ。
そうだ、魚拓と同じように靴拓を取って記録を残してしまえば捨てる決意が出来るのでは、と。
正解がわからないままの靴拓
準備した道具は以下の通り。靴拓のノウハウを見つけられなかったので、魚拓の取り方を参考にした。
参考にはしたが、基本的には何もかも探り探り、道なき道を歩いている。
・墨汁と墨汁を入れる紙皿
・刷毛
・半紙
・新聞紙
・歯ブラシ
・筆
まず始めに、靴の汚れを落としていく。
こうすることで靴拓が奇麗に取れる気がする。気がするだけで、確かな方法があるわけじゃない。本当は闇雲に進めているのだ。
狭すぎて屈むたびに尻を壁にばんばんぶつけている。靴拓のために広い風呂が欲しい。
次に、軽く乾かして置く。風呂の浴室内乾燥機フル稼働。すべての工程が浴室で完結する。なんてシステマティックなのだろう。
乾いたら靴の裏に刷毛で墨汁を塗っていく。
次に靴拓のメイン工程、最も楽しそうな作業である半紙に靴をくっつける作業だ。
なんだかよくわからないのですが、うまくいきました
ところが、一番苦労したのもこの工程。ハンコを打つみたいには全くいかないのだ。
手でやさしく半紙を押さえつけていくと、墨の付き方も加減できるので、本当にお勧めだ。靴拓のゴールドスタンダードになるやり方に違いない。
最後に、靴の種類、自分の名前、全長、日付を書いて完成だ。筆を取るのが10年以上ぶりで手が震える。
靴拓との達成感とともに、靴への名残惜しさが消え去ったように感じた。おかげでゴミ袋に靴を突っ込む決意が出来た(それに墨まみれなので、もう一度履くのは難しい)。
みなさんも、捨てる踏ん切りがつかない靴があるなら、靴拓を取ってみてほしい。