特集 2026年6月11日

ブラックサンダーをセキュリティデバイスにする ~「公開ブラックサンダー認証」を作った

ブラックサンダーの断面を鍵として登録

いきなりわけのわからないことを書いてしまった。
完成した作品を使って、流れを説明しよう。

まずはロック解除のための鍵を登録する手順だ。

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まず、ブラックサンダーを割って断面を作り出そう。
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そうしたら登場するのがパソコンと、今回開発したデバイス。
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このようにブラックサンダーを突っ込めるようになっている。
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デバイスの中にはカメラが入っていて、断面が撮影される。

こうして撮影した写真がデバイスに登録される。

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ブラックサンダーでロックを開ける

次に、鍵を開けるときの流れを説明しよう。

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ブラックサンダーを差し込んで、横のボタンを押すと読み取りが開始される。
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プログラムが差し込まれた断面と、登録した写真とを比較して判定するのだ。今回は同じブラックサンダーを使っているのでもちろん一致するはず。
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少し待つと、デバイスが緑に光ってロック解除に成功した!
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パソコンの黒い画面にもブラックサンダーと出ている。

あらかじめ登録した断面の写真、実物のブラックサンダーの断面がペアになっていて、両者が同じだと判定されたらロックが解除される仕組みになっている。

一連の流れを動画でもどうぞ。

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ロック解除失敗の例

もし悪い人が、別のブラックサンダーを使って鍵を開けようとしたらどうなるだろうか。

別のブラックサンダーを割ってみよう。

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すると、もちろん先ほどと断面が変わっている。(左がこれまでのブラックサンダー)

これでは登録した写真とペアにはならない。
デバイスに挿して解除できるか試してみよう。

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失敗した!

正しい鍵のペアではないことをプログラムが判定して、ちゃんとロック解除に失敗した。

いいぞ、これでブラックサンダーが鍵になるシステムが完成だ!

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最近暑くなってきている。溶けて断面が変わったら大変なので、冷蔵庫で保管しておこう。
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本当に言いたかったこと

さて、ここからが本題だ。
今回のイベントのお題は「エンジニアがブラックサンダーを食べたくなるアイデア」である。
エンジニアが興味を持つネタにする必要があるのだ。

先ほどのロック解除でやっていたことをおさらいしよう。

  • 実物のブラックサンダーの断面と、断面の写真という鍵のペアを作った。
  • 断面の写真はコンピューターに登録し、実物のブラックサンダーは手元に保管した。
  • 正しい鍵のペアならロック解除に成功したが、異なる鍵のペアならロック解除に失敗した。
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イメージにするとこんな感じか。

この仕組み、特にソフトウェアエンジニアならどこかで見たことがないだろうか。

そう、公開鍵認証である。

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公開ブラックサンダー認証

公開鍵認証とは、サーバーなどのコンピューター同士が安全に通信するために使われる認証方式の一種である。

以下がものすごいざっくりした概要だ。

  • 公開鍵認証では、「公開鍵」と「秘密鍵」という2つの鍵をペアとして作る。
  • 公開鍵を接続先のコンピューター(サーバー)に登録し、秘密鍵は手元のコンピューター(クライアント)で保存する。
  • 通信するときに公開鍵と秘密鍵が正しいペアであるかを検証する。
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こんなイメージ図。

……さっきとおんなじだ!!

そう、今回作ったのは公開鍵認証の考え方を拡張した、「公開ブラックサンダー認証」である。

つまり、先ほどの断面の写真が公開鍵、言うなれば「公開ブラックサンダー」で、実物の方が秘密鍵、つまり「秘密ブラックサンダー」である。

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こういうことです。

公開ブラックサンダーと秘密ブラックサンダーが正しいペアかを判定するのが、公開ブラックサンダー認証というわけだ。
ブラックサンダーがゲシュタルト崩壊してきたな。

そして公開鍵認証で重要なのは、公開鍵は他の人に見られても問題ないが、秘密鍵は絶対に漏洩してはいけないということだ。
これによってセキュリティを担保しているのである。

公開ブラックサンダー認証でも同様だ。

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ということでさきほど家の冷蔵庫にしまった秘密ブラックサンダーは、絶対に漏洩しないように厳重に管理してください。管理方法を監査で見られるぞ。
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デバイスも見ていってくださいよ

と、機能の説明はここまでだが、限られた時間で頑張って作ったデバイスなので見た目にも注目してほしい。

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参加賞として配られたブラックサンダーの箱とほぼ同じ大きさ。
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アクリル板にUVプリントしているので、やけにきれいな仕上がりなのだ。
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ブラックサンダーの挿入口。細かい説明も入っている。
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箱の中には書画カメラが入っていて、近い距離にあるブラックサンダーの断面をきれいに撮影してくれるのだ。

僕は普段の工作では見た目に全然こだわらないので、かっこいいデバイスを作ってくれたチームメンバーに感謝である。

他にこんな作品が

今回のブラッカソンで優勝したチームの作品はこちら。

ビーバーズ・ハイブ チームの「ブラックサンダー駆動開発装置(BTDD装置)」だ。
自動でブラックサンダーの封をハサミでカットして、渡してくれる装置である。すげえ。

それから当サイトWebマスターである林さんも審査員として参加していた。
林さんが選び、デイリーポータルZ賞を受賞したのはワタシハブラックサンダーチョットタベル_42 チームの「今日の彼女の機嫌はブラックサンダー 〜彼女の感情はロールバックできない〜」である。

AIを活用した恋愛ゲームだったが、ゲーム内の彼女はプレイヤーのパソコンを実際に操作することができる。

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プレゼン中のデモではケンカした彼女が勝手にブラックサンダーを100個買う展開があった。今ごろ本当に100個届いているはずである。

また恋愛ゲームらしくプレゼンの最後にエンディングが流れたのだが、このチームがたまたま発表順の最後だったのでブラッカソン自体のエンディングのようになり、良い締めくくりになった。

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しかもサビに入るところで時間切れとなり強制終了、というオチもついた。

ブラックサンダーまみれ

動作確認のためにブラックサンダーをかじり断面を作り出していたので、開発中はずっとブラックサンダーを食べる羽目になった。
血糖値が爆上がりである。パッケージに書いてあるカロリーはこわくて見ないことにした。

胃もたれしたが楽しいイベントに参加できてよかった。

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動作確認でかじる様子。口が甘くなりすぎて、このあと歌舞伎揚げを買いに走った。
編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
メーカーサイトからヒントを得て作ってるの、ハッカソン参加者のお手本みたいな開発手法(?)だと思いました。
UVプリントまでしてる筐体の凝りようもすごい。
別のチームの話ですが、ハッカソンなのにエンディングまであるゲームが完成してるのすごいですよね。AIコーディング時代だ…(石川)

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