ミルク抹茶ソフト
偏見だが、コメダでモーニングを断る人って、ミルクソフト・抹茶ソフト・ミルク抹茶ソフトの価値を並列として捉えていそうだ。
彼らはミルクの気分の時にミルクソフトを選ぶ、そういうことが出来る人間なんだと思う。わたしのようになんとしてでもコメダのモーニングを頼みたいタイプは、例え心がミルクに傾いていようと、ミルク抹茶ソフトがあったらミルク抹茶ソフトを選ぶ。というか、ミルク抹茶ソフトの方がやや高くてもそっちを選ぶ。そういう性なのだ。
アンケート結果を見ていたら、自分も『コメダのモーニングを断る』という体験をしたくなってきたので、コメダへ行くことにした。
しかし、意気揚々とコメダへ向かう道中、ふと思った。
わたしは今、お腹が空いている。このまま入店したら絶対にモーニングを断れない。
そういえば、モーニング断る勢には、『先に朝食を食べたから』って人がいたな。
小腹も満たされたので、いざコメダへ。モーニングのラストオーダー時間の11:00ギリギリに入店。
コメダに行って1人で茶だけしばいて帰った経験がないので、せめてもの思いでデカいサイズのドリンクを頼むことにした。
店員さんに「モーニングはいかがいたしますか?」と尋ねられる。なるべく何も考えず、「大丈夫です。いらないです。」と発声することに成功。
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早々にドリンクが運ばれてきた。しかしモーニングは来ない。なぜなら断ったから。
正直、今までコメダの豆菓子の意味がよくわかっていなかったが、今日は違う。この豆の存在意義をヒシヒシと感じている。豆、美味い。量もちょうどいい。
そうか、この豆はドリンクだけ注文した時に真価を発揮するのか…。
隣の席のお客さんがモーニングを注文しようとして、「申し訳ございません。本日はもうお時間が…」と断られている。
現在時刻11時過ぎ。もうどーしたって、今日を『コメダでモーニングを食べる日』にすることは不可能になった。
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モーニングを断ったことがあるという経験をゲットして満足したわたしは、コーヒーを飲み干した後、そそくさと退店した。
しかしその満足感は、外気に触れた瞬間にフッと消え失せた。わたしは駅に向かって歩きながら、食べなかったトーストのことを考えた。
温かかったはずのトースト。フカフカだったはずのトースト。トッピングは、いつも通りジャムとたまごペーストにしよう。ジャムに覆われた表面をはがし、柔らかい生地の上に玉子ペーストをたっぷりと塗って…。
コメダのモーニングを断ったことにより、人生とは判断と分岐の連続であることを、否応なく意識させられた。
今のわたしは、コメダのモーニングを断った方の世界線を生きている。
偏見だが、コメダでモーニングを断る人って、ミルクソフト・抹茶ソフト・ミルク抹茶ソフトの価値を並列として捉えていそうだ。
彼らはミルクの気分の時にミルクソフトを選ぶ、そういうことが出来る人間なんだと思う。わたしのようになんとしてでもコメダのモーニングを頼みたいタイプは、例え心がミルクに傾いていようと、ミルク抹茶ソフトがあったらミルク抹茶ソフトを選ぶ。というか、ミルク抹茶ソフトの方がやや高くてもそっちを選ぶ。そういう性なのだ。
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