特集 2026年3月23日

書き出し小説大賞 301回秀作発表

規定部門『それっきりの人』つづき 

夏祭りの夜、ぼくの向かいでヨーヨーをすくっていたあの子はもう、この小さな町とさよならしただろうか。
たに
ここでは雪が降らないんだよ、と教えてくれた貴方の名前を私は覚えていない
美しい傘

実は地元の人じゃないかもしれない。

どうせ三回忌には来ないくせに坊主への文句だけ口やかましい。
いずも
バナナジュースはメニューにないと伝えると、男は席を立ち店を出て行った。
寿三郎

冒頭に出てくるこの男は二度と出てきません。

まるで雨なんて降ってないかのように。公園で遊ぶ少年たちは走り廻っていた。
べくとる~
小学6年の修学旅行の後、貼り出された写真の中からバスガイドさんの写った1枚をなんとなく買った。
ぐるりん

「修学旅行のバスガイドさん」から連想されるすべてが好き!

「あのおじさん顔こわいー」と指差した子どもより、「失礼でしょ」と嗜めた親に腹を立てている。
g-udon

子供は無邪気だけど親は顔に出るかなね……

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「バイバイキン」と言って去っていった彼女と二度と連絡が取れなくなった。
もんぜん

ガチが冗談か読めない。彼女のドキンちゃん(小悪魔)ぶりがいい!

田中くんは女湯に入ったきり、二度と出てこなかった。
番台名無子

田中くんはその後、月の女王様になったという。

小雨の降るなか、私に傘を差しだしてくれた彼女は部屋着でメガネでサンダルだった。もう一本の傘で彼氏のお迎えに来たんだろう。
七世
あの時助けていただいたカメムシです、みたいな表情で隣に座っている。
鯨谷いさな
旅行先の寺で老婆からバルサミコ酢をぶっかけられたことと比べたら、何てことはない。
カニカマもどき
おじいさんが持っていたパンパンの茶封筒からはミートソースが垂れていた。おじいさんは満面の笑みを浮かべて僕にキスをせがんだ。
なかもりばなな

その後二度と合わないけど、一生ぶんのエピソードを残す人がいる。

「引いたカードを覚えておいて下さい」と指示されたまま、手品は終わった。
ろっさん
ギャルの集団が「あそこでabemaの収録やってるでやんす」と走って行った。
いそうろう
猥談に花を咲かせていると、マサカリを担いだ黒ギャルが現れ、俺達に温かい缶コーヒーを投げ入れてくれた。
ガンダーラ磯崎

ギャルが現れると、なにかリセットされた気分なる。

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どこに埋めたか忘れちゃった。
タルク石
地方のスナックでくらいはワガママでいさせてほしい。
カズタカ
これあっしの名刺、と賞状サイズの白紙をくれた。
いちもくれん

白紙?名刺ですらないのか!笑

プール帰りの少年たちはメッシュ生地の水泳帽をお面のようにつけると、年上の少女たちを自転車で追い越す瞬間挑発するように手を煽っていた。
ビールおかわり
それっきりの人ほど、次に会ったときの第一声を無駄に準備してしまう。
夢雀
あれ以来、ドッキリ用ニセ番組のアシスタントとは一度も会っていない。
たこフェリー

ドッキリはまだつづいているのかもしれない。

二度寝の夢には現れてくれなかった。
タカタカコッタ
走馬灯に知らない人がいた。
いずも

あなたの人生に関わらなかった人の代表です。

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それでは次回のお題を発表します。

次回モチーフ
『リスタート』

次回のテーマはリスタート。再開、再始動、再出発など。再び動き出した気持ちやなにかに思いを馳せて考えてみてください。新しいなにかをはじめるときと同じくらい、あるいはそれ以上に、なにかをやり直すには強い気持ちが必要です。前向きな作品に限定するわけではありませんが、読んでなにかしらパワーをもらえるような作品が読みたいです。
締切は4月17日発表は20日を予定しています。下記の投稿フォームからご応募ください。力作待ってます!

最終選考通過者
さらり ミリオンあんず ヨードホルム 伊藤都道府健太郎、免許返納予定 首廻り寝具 きうい神士 スミレ ウウタルレ
 

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