書き出し規定部門・モチーフ『官能』つづき
女将から渡された硬貨がじんわりと暖かい。
早百合
その10円には20円の価値がある!
社員証の中、昼の顔をした主任がこちらを見下ろす。
早百合
黄色い目の黒猫。黒い背表紙へ、指を滑らせる。
あやあや
マミは、張り付いたラバースーツの襟元に少しだけ空気を入れた。
タカタカコッタ
冷たい筆先が這う芳一の熱いビワが「ググッ」と生き物のようにうごめいた。
ぴすとる
黒板消しクリーナーの声真似が聞こえてくる西日がきつい教室でした。
かつを
いったん広告です
匠の潤滑油が、蝶番から滴った。
寿三郎
スウェットから脱皮し、マニキュアに夜を閉じ込める。
七世
ゆっくり堪えながら、茶筒は外蓋を受け入れた。
ろっさん
茶筒と外蓋、両方の立場から読みたい。
塗りたてのコンクリートは野良猫に焦らされていた。
寂寥
彼女の長い身体が腕に巻き付くと、その滑らかな鱗が、朝日を反射して艷やかに光っているのが見えた。
イーデェン
半ライス二杯食うならはじめから貴方を求めたりしないのに。
白石ポピー
風にはためく後れ毛は、口角の僅かな水分に囚われ遂に張り付いてしまった。
merumo
左手ききのキミが食べる水羊羹に月が映り込んでいた。
にら将軍ハルナ
役場の裏手に入っていく。
もろみじょうゆ
体育館裏の告白。役場裏の情事。
生きている人間は柔らかい。
フェノール藤宮
ピカピカに磨かれた木の手すりを、看護師は下から指先でじっ…くりとなぞっていった。
うにねこ
「二人の共同作業です」何年生きてもこの瞬間は慣れない。100人目の夫の手に手を重ね、ケーキにナイフを差し込む。感性が最高潮になった所でこの手は勝手に止まる。経験が憎い。
きうい神士
いったん広告です
僕は今、48歳になる妹とひとつ屋根の下で暮らしている。
スージー
このつづきが1mmも気にならないという、反書き出し小説。
いいのかい?11月を剥いだら残り1枚だけになっちゃうんだよ?
たこフェリー
最後の一枚をめくると、壁。
私が喘ぐと、通訳も喘いだ。
いちもくれん
そこに通訳がいるという状況笑
きりたんぽを食べようとすると男性陣は箸を止め、一様にグラスを持った。
タルク石
底なし沼に沈んでいく先輩の顔は上気して小刻みに震えていた。
カズタカ
「ユーリカ!」と彼女は叫び、ピンクローターを宙へ放った
鼻DE黒子
朝バナナダイエットの会のはずだった。
ナックルボール
やわらかいカブに菜箸が刺さっていく。
もんぜん
ここが世界の中心であるかのように、部屋はゆっくり回り始めた。
南極行太郎
「これは訓練です」防災訓練の机の下では、何が起きても訓練である。
るんぱ
「不意を突いて自然な姿の石像にするのも良いですし、家具や調度品に埋め込んで少しずつ石にするのも良い。快楽の渦に呑み込まれた一瞬を切り取るのも素敵ですわ」ゴルゴンの女は胸から煙草を取り出した、髪の蛇は紫煙を浴びると踊り子のように身をよじらせた。
prefab
石化のエロティシズム、からの蛇髪描写。オリジナリティの高い妄想と描写が見事。
独楽だ。
タルク石
彼女は濡れた舌でフタの付着物を存分にねぶり、海苔弁を食べ始めた。
ねもっ血風クン
田植えをする義母を目で追う。
g-udon
たべかすがまた胸の狭間に引っかかっているじゃないか。
g-udon
エロというよりスケベ丸出しで最高笑
いったん広告です
それでは次回のお題を発表します。
次回モチーフ『バカ』
次回モチーフ
『バカ』
『バカ』
新年恒例の『バカ』です。新春一発目、全開のバカから繊細なバカまで。初笑いの書き出しをよろしくおねがいします。常連のみなさまはもちろん、新人さんもこれを期に挑戦してみてください。
締切は1月16日、発表は19日を予定しております。下記の投稿フォームからご応募ください。みなさまの書き初め楽しみにしております!

