デジタルリマスター 2023年10月19日

僕のイメージで、お願いします(デジタルリマスター)

ハウツゥおれの曲作り

ひよせさんには僕との会話から僕のパーソナリティを探り出してもらい、それを曲にしてもらうことにした。

照れ隠しに一般的な話から入る。そもそも曲ってどうやって作り始めるものなんだろうか。ひよせさんに聞いてみた。

「私の場合、鼻歌から出来ることが多いですね。詩とメロディが合わさって出てくる感じでしょうか。それに肉付けして形にしていきます」

--こうやって外で作るとインスピレーションが降りてくる、なんてこともありそうですよね

「部屋の中で作りますね。落ち着いた場所じゃないと、やっぱり集中できなくて難しいです」

--で、ですよねー

この後もずれた歯車はきしみながら回り続け、僕とひよせさんとのやりとりは続いた。

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隣で子供がバットを持って走り回る落ち着かない環境。

--ええっと、ではこれまでの話をふまえてさっそく曲の方、お願いできますか

「わかりました。まず曲調はどんなのがいいですか」

--そうですね、入場するときに流れるようなやつがいいです。清原ならとんぼ、みたいなのが。

「…」

--いや、でもひよせさんの得意なジャンルでもちろん構いませんよ。

あ、そうだ、散歩しながら口ずさめるようなのがいいですね!メロディが頭に残る感じのが。

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メロディをなんとなく口ずさみながらそれをコードに落としていく。緊張の中にもプロの技を見た。

作詞を進める間もひよせさんは僕から趣味の話とかこれまでの人生だとか、いいろ聞き出していく。僕は担任の先生に活発さをアピールする子供のように努めてはきはきと話した。

--ほら、サメとかって泳いでないと死んじゃうっていうじゃないですか、あんな感じですよね、僕

「え、サメ?そうなんですかー」

浅いところで共感してもらえるとひよせさんとしてもやりやすいかと思い投げかけた例えだったのだが、場の集中力を途切れさせただけだったようにも思う。

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しかしこういう状況でも明るく振る舞える僕の資質をせめてプラスに受け止めてもらえたらと願った。
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そして曲が完成した

よく「逆の立場ならどうする」という例えを使う人がいるが、あまりに立場が違いすぎる場合には使えない表現だな、と思った。防御することで精一杯の戦いだ。

そんな落ち着かない僕をよそに、ひよせさんの僕に対するイメージが曲という形でできあがっていく。

こうして曲が完成した。タイトルは「大森の忍者」。

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いつの間にかできあがった僕の曲。正確には僕のことを歌った曲。

説明する前にとにかく聞いていただきたい。後ろで僕が踊っているのは完全に照れ隠しなので目障りならば音だけ聴いもらえればと思います。

※公開当時ここには動画がありましたが、@niftyビデオ共有のサービス終了にともない消えてしまいました。すみません…

 

「大森の忍者」 作詞作曲:ひよせさん

あんどうまさのり 34 大森の忍者

趣味はマラソン岩登り サーフィン献血だ

「サメは止まると死んじゃうよ」 そんなこと言いながら

趣味が体をむしばんで 足腰痛めてる

にんにんにんにん 忍者

手裏剣まきびし霧隠れ

あんあんあんあん 安藤

来年 35

 

***

いい曲が出来てしまったと思う。「他のアーティストさんに曲を提供するのって初めてですよ」と謙遜していたが、大丈夫、僕はアーティストじゃないので次回が初めてになります。

この曲で僕がすごいなと思ったのは、僕の本質をちゃんと盛り込んでいるところだ。ポイントとしては

・いろいろやりたがるアクティブな人
・しかし調子に乗りすぎてそれが命取りに
・ふと振り返ると自分で自分の首をしめていることに気付くが
・いまさらどうにもならないので念を押すようにもう一度自分をアピール
・で、結局意味のあること何も言わずに終わる

こんなに短い時間の中で、よくここまで僕をわかってくれたと思う。安っぽい言葉かもしれないが、さすがプロだ。


自分像が見えました

写真と音楽を通して他人から見た自分を具現化するプロジェクト、どうだろう、他の人から見た僕像がかなりはっきりとしたのではないか。どんなに仲が良くても「おれのことどう思う」ってなかなか聞けないものだ。そういうときにはこういう手段で遠回りに聞いてみてもいいかと思う。直接聞くのとはまた違ったインパクトがある。

この他にも「僕をイメージしたカクテル」とか「僕をイメージした髪型で」とか、やり方は幾通りもあるだろう。僕は怖くなってきたのでこれ以上挑戦しなかったが、勇気のある人はやってみてもらいたい。自分を見つめ直すことができるかもしれませんよ。

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