グリコは一粒300m
先日、このサイトの次回の記事について話し合っていたとき、石川さんは突然、「グリコはひとつぶ何mなのか?」という企画を発表しはじめた。他のライターの方々はみんないい大人なので遠まわしにやんわりと回避する方向へ誘導してくれたのだが、石川さんは断固として一歩も引かなかった。えらい!けど困る!
そのあと公園に呼び出され、次の記事はひとりでやってくれと頼まれた。自分は旅行に行くため執筆に参加できないと言う。だんまりを決め込んで拒絶を表現していたが、勝手に公園ドラマは展開されていたようで、結局ひとりでグリコひとつぶ何mなのか調べることになってしまった。ああいやだ。
300mと一口にいうけれど、意外となじみのない数字だ。陸上競技でも300m走というのは聞いたことがないし、想像しにくい。トラック一周で400mだとすると3/4周?曲がってるからイメージしにくい。あ、そういえばさっき他のライターさんが、東京タワーは333mと言っていたな。ということでちょっと感触を確かめに行ってみた。
タワーよりは小さい
東京タワーとグリコの大きさを比較しようと思ったけれど、どうにも東京タワーは大きく比較しようもない。
どうしようもないな、と思って目を落とした先に発見したゴミ。このゴミよりは大きそうなグリコ。東京タワーまで来てみたものの、「落ちていたゴミ(推定1cm)<グリコ<東京タワー(333m)」という図式がわかっただけだ。
この企画、大丈夫だろうか。不安になりながらも、300mのヒントが落ちていないか探しながら帰ることにした。
六本木ヒルズは270m
帰り道にあった案内板には、六本木ヒルズまで270mと書いてあった。
グリコが本当に300mなら、看板の前で持ったグリコの途中に六本木ヒルズが現れるはずなのだが、ヒルズの姿はない。実は六本木ヒルズは正直な人にしか見えない、とかそういう話ありましたっけ?
結局この日はあんまり成果がなく、モチベーションも上がらないまま家に着いた。そんなのぜったいに300mもないって!という思いは強くなるばかりだ。
ここで石川さんの笑顔が頭をよぎる。打ち合わせで「グリコ一粒300m」と言ったときのあの無垢な笑顔。心からこのフレーズが大好きなのだろう。原稿を押し付けて旅行に行ったのは少し自分勝手だと思うが、普段はけっこういいやつなのだ。いつも一緒に原稿を作っている仲間として、石川さんのがっかりした顔は見たくない。できることなら、一粒300mを証明して、石川さんを喜ばせてあげたい。