デジタルリマスター 2024年2月16日

手作りいかだで川を下る (デジタルリマスター)

不安渦巻く中、いかだを作る

いかだ作りに関して、現在編集部、ライターを含め経験者はいない。というわけでゼロからの出発、完全手探りである。

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道場主石原さんは高円寺の仲間から大量のペットボトルをもらいうけて参上。電車がさぞかし辛かったんじゃないかと思う。

実際に乗って川を下るメンバーを中心に本番2日前に集まっていかだ作りを開始した。

今回作るいかだはペットボトルをまず土のう袋に詰め、それらを縫い合わせて形を作り、最後にベニヤ板を乗せる設計だ。

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コーディング担当の橋田さんは乗らないのに一番働いてくれていた。

この僕がぼんやりと決めた設計をめぐって、同乗者のウェブマスター林さんと前日にケンカになりそうになっている。林さんは僕が書いた完成図がシンプルすぎて不安になったようだ。

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設計図最終版。まあメンバーが不安を抱くのもわからんではない。

しかし不安なのは僕とて同じだ。

最初、60キロの体重を浮かすのに60リットルのペットボトルが必要、って計算していたのだけれど、直前に住さんの記事を読んだら体重の倍の容量のペットボトルを集めるべき、みたいなことが書いてあった。

その話、みんなには内緒にしようかとも思ったが、リスクは報告すべきと習ったので隠さず話した。しかしみんなは僕よりも早い段階からもっと別の不安を抱いていたのか、さほど驚いていなかった。

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黙々と作業を続ける乗組員たちを見つめる上司(ピンクのシャツ)。ケガしたら労災下りますか、って聞いたら「そういうことをいまさら言うな」って言われた。
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そしていよいよ完成へ

今回のいかだは一人約60キロの大人が5人乗る。つまり300キロ分の浮力が必要なのだ。住さんの記事に従えば600リットルのペットボトルが必要となる。

計算していてそんなの無理だ、って思ったが、袋に詰めてみたらすでに600リットル以上のペットボトルが集まっていた。これで浮力は十分なはずだ。不安は全て解消したのだ。

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ほぼ出来た。

こうやって後から記事にしてみると、どんな困難も力を合わせれば乗り越えられる、みたいな書き方になるから不思議だ。

実際の現場は泥のような疲労感(この時点ですでに4時間くらい作業している)と、底知れぬ不安とで充満していた。作っている途中、何度か「でも沈んだらそれはそれで面白いですよね」って言ったが誰も笑わなかった。

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しかし5人が乗っても余裕の設計である。

このいかだ、どうだろう。作った僕らからするとこれが今できる最善だ。しかしふらりとこの場を訪れた人が見たら、ゴミをまとめてゴミを作り、それに乗って漕ぎだそうとしている無茶な人たち、って見えるんじゃないか。

しかしこれ以上考えてもどうしようもないので、当日の搬入をお願いしてある運送会社さんのトラックにいかだを詰めた。

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荷台にパンパンに積まれたゴミ、もといペットボトルいかだ。大会は明後日なので丸一日、運転手さんの家にこのまま置いておいてもらうことになる。その点本当に申し訳なかった。

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