春巻きだけでパーティーができた
コロッケや豚肉を巻く方法は、お料理レシピとして普通におすすめ。でも、お惣菜をいろいろ包んで揚げてみたのは本当に楽しかった!そのまま食べても美味しいお惣菜ですが、春巻きにすることで「選ぶ楽しみ」が生まれ、完全に春巻きパーティー状態に(カットしてカラフルな断面を見せたのもよかったかも)。多めに買った春巻きの皮がまだあるので、さらに追求してみようと思います。
春巻きがかなり好きです。でも手作りは面倒だし、中華料理屋では餃子とラーメンで満腹以上になるのでなかなか注文できない。つまり、あまり食べる機会がないんです。
でも今回、ひょんなことから春巻きの皮の可能性に気づきました。もしや、春巻きの皮で包めば何でも美味しいのではないでしょうか?
春巻きの皮の便利さに気づいたのは、久しぶりにコロッケを作ろうとしたとき。ひき肉と玉ねぎを炒め、じゃがいもの皮を剥いて茹でて潰した時点で充分美味しいのに、さらに小麦粉をはたいて卵に浸けてパン粉をまぶす必要があるのか!?
そのとき、たまたま賞味期限間近の春巻きの皮があることを思い出し、えいやと包んで揚げてみたのでした(春巻き好きなので皮は買ってしまうんですよね…使わないくせに…)。
失敗はないだろうと思っていましたが、これが、期待を超える大正解だったのです!
パン粉ならではの美味しさとは違うものの、コロッケバージョンは皮のパリパリ感と具のホクホク感がパイのよう。行きつけの居酒屋にあったら、毎回頼む系のやつです。
子ども(小1男子)からも「これなに美味しすぎる、止まらない」という手放しの絶賛をもらい、「自分でも天才かなと思う!」と、自画自賛をかぶせてしまいました。
豚肉巻きは、トンカツとは全く別物。お肉揚げました!というダイレクトさとサクサクの皮は、どちらかというとセルフうどん屋の鶏天っぽい。ミョウガ入りも作ってみたのですが、チーズ、大葉、バジル、梅肉などなど、なんでもイケそうです。
要は、春巻きの皮って手軽な衣なんですね。パン粉を使うのが面倒なときは春巻きの皮で巻いてしまえばいいことを発見してしまいました。
とりあえず春巻きの皮を常備しておこうと心に決めた私は、ふと思いました。もしかして、春巻きの皮で巻けば中身がなんでも美味しいのではないか?と。
心おきなく時間を使える週末を待ちわび、スーパーに走りました。
フライに定番の牡蠣や海老に加え、今回チャレンジしてみたいのはお惣菜やお弁当系。そのままでも普通に美味しいけど、巻いて揚げたら新しい世界が広がりそうな予感!
すべての具にパン粉を付けて揚げるのはゾッとしますが、春巻きの皮で包むだけなら手軽。準備が皮と水溶き小麦粉だけで済むのが嬉しいです。ナイス省スペース、ナイス省洗い物!
さあ、どんどん巻いて揚げていきましょう!
作ってみてわかったんですが、春巻きはフライや唐揚げに比べて揚げ油が汚れにくいんですね。たくさん揚げたいとき、これは大きなメリットです。
揚げ物は揚げたてがいちばん。ビールを用意してさっそく食べまくっていきましょう。数あるなか、ダントツでビールに合ったのは、チャーハン春巻き。
ポイントはなんといっても「ゴロゴロ焼豚」ですね!チャーハン、チャーシュー、揚げ物(の皮)が三位一体となっているわけです。ビールが3倍必要だと言っても過言ではないでしょう。
「温められて気持ち悪いサラダになるのでは…?」と心配もあったポテサラ・スパサラ・マカロニサラダも、マヨネーズがまろやかでちょうどいい感じのおつまみに。加熱されて酸味が飛ぶのかも。
断面が残念になってしまいましたが、アボカド&サーモンも「つまみ春巻き」として激推し。マリアージュという言葉はこの組み合わせのためにある、と思えるほど好きな味です。スモークサーモンがおすすめですが、お刺身や生鮭でも。
これは昔よく通っていた居酒屋の天ぷらメニューで、やたら揚げ物が上手いバイトリーダーの創作料理だったんですよね(バイトリーダーがいない日の揚げ物はひどかった。それもまた懐かしい…)。
ちなみに子どもたちから「うわ、美味しい!もう1回作って!」と高評価を得たのが、ケチャップ味のナポリタン春巻き。ポテサラや納豆巻きも好評で、「そもそもなんで春巻きになってるのか?」という疑問は特に持たないようでした。
「想像してたのと違うけど、これは知ってる美味しさだ!」となったのが、筑前煮。食感のいい野菜、種類豊富な具材、だしが効いたうま味……、筑前煮は、本物の春巻きと共通する部分が多いんです。普段は別々に食べるから、共通点に気づかなかったのか!
特にタケノコの部分に春巻きらしさを感じたので、春巻き味のスナックを作るならタケノコエキスは必須だと思います。
そして、9マスに分かれたお弁当を見てどうしてもやりたくなったのがこれ!
お弁当のおかずが全部詰まった、お弁当春巻きです。
お弁当春巻きはひと口ごとに味が変わるのがおもしろいし、次は何かな?という闇鍋的な楽しさがありました。
法事で余って半日経ったお弁当とか、春巻きにするのもけっこういいなと思いました。このお弁当に関しては、おこわのモチモチとあんかけ豆腐が良かった!
大成功っぽい感じで書いてきましたが、実はいくつか失敗も……。
外はカリカリ、中はとろとろ。史上最強の春巻きになるのではと期待していた茶碗蒸しが、でろんでろん状態に。フライパン内でひっくり返すのも一苦労でした。水分量の多い具との相性が悪いようで、グラタンも皮がやわらかく持ちにくい仕上がり。「クリームコロッケのパイみたい!」とはなりませんでした。残念。
パン粉や天ぷらと違って密閉に近い状態になるので、膨張・破裂しがちな食材にも要注意。牡蠣の2回目はきちんと水気を拭いたので破れはしなかったものの、プスプスと音を立てていて危険な兆候がありました(フォークでかなり穴を開けていたのですが)。
※牡蠣で怖くなったので、はんぺんのチャレンジは断念。
プリプリ食感を味わいたくてそのまま巻いてみた海老。味はよかったのですが、加熱されてかたくなった海老が皮を突き破ってしまいました。海老カツのイメージで、刻んで包めばよかった!
そして、もみじ饅頭。春巻きの皮で巻いて揚げたのは、もちろんすごく美味しかったです。が……、揚げながら気づいてしまいました。春巻きの皮で巻くより、そのまま素揚げのほうが美味しいんじゃないか?
素揚げしてみたらやっぱりそっちのほうが美味しくて、わざわざ巻く意味とは……?となりました。というわけでも、これも失敗かな。ちなみに普段は、広島出身の友人に教えてもらった「電子レンジで10秒、そのあとトースターでごく軽く(あんこを温めてから外側をカリッとさせる)」で食べています。
コロッケや豚肉を巻く方法は、お料理レシピとして普通におすすめ。でも、お惣菜をいろいろ包んで揚げてみたのは本当に楽しかった!そのまま食べても美味しいお惣菜ですが、春巻きにすることで「選ぶ楽しみ」が生まれ、完全に春巻きパーティー状態に(カットしてカラフルな断面を見せたのもよかったかも)。多めに買った春巻きの皮がまだあるので、さらに追求してみようと思います。
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