はじめに
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「無人島には持っていかない、大切にしまっておく自慢の品」と題して、はげます会の会員だけ読めるコラムがあります。
先週配信したメルマガに掲載した、ライター江ノ島さんの「自慢の品」を紹介します。
編集部のほめられコメントを印刷した紙(江ノ島茂道)
ものに対して執着がないので思い出の品をバンバン捨てたのは先月の話だ。本や洋服などを捨てる中で見つけたのがデイリーポータルZ新人賞で銀賞を受賞したときの編集部コメントを印刷したものだ。
あれは2014年に開催されたデイリーポータルZ新人賞の話である。私は「茨城まで自転車で行こうとするが途中で自転車に乗るのが嫌になり、電車で向かう」という内容の記事で応募をした。
そんな記事で応募するな、と過去の自分に言いたいがそのときは最高の記事ができたと思ったものである。大変だったし。
自分のサイトの記事は消してしまった、というよりそのサイトそのものがなくなった(サーバー代を支払うの忘れてそのまま消えた)ので、デイリーのサイトを探せばあるかもしれない。恥ずかしいので載せないが。
元々、デイリーは好きで読んでいて地主さんの記事が好きだった。
余談だが、今、ライターの仕事をやってみて思うのが、地主さんの記事はどんな媒体でも自分の味があり、読みやすく、面白いというのは本当にすごいと思う。今でも会うと緊張する。すごい人だと思う。ほめたので今度1万円ほしい。
結果発表の日、サイトを見てみると自分の名前があった。うれしくて何度も見た。「なんかの間違えで載せてしまったとかないか? しばらくしたら消えないかな?」とF5を何度も押したのも覚えている。
実は今も間違えて、本当はデイリーに参加してないのに定期的に勝手に送っているだけかもしれない。8年間勝手に送っている。
このとき応募していたのは、今も書いているライターでは、爲房さん、與座さん、斎藤公輔さんだ。黄金世代である。いや、伝説の黄金世代である。いま、全然関係ないところで4名のハードルをめちゃくちゃ上げた。ごめんな。
他にも面白い人たちはたくさんいたが、そんな中で受賞できたのはありがたかった。
掲載されているコメントとして、
「圧倒的に文章がおもしろい」
「なにをやってもこれぐらいのクオリティが出せちゃうんじゃないでしょうか」
「文章のテンポがすごくいいですね」
「印象に残るところの多い、魅力的な記事だったと思います。」
とほめたおされている。どうだ、名作の感じがするだろう。でも、恥ずかしいから絶対に載せない。
普段、ほめられることもなく、今まで受賞なんてされたことがない。うれしくて何度も読んだし、あまりのうれしさに印刷して会社のカバンの中に入れてときどき見てはにやにやとしていた。
そんなほめられコメントを実家の引き出しに入れて大事にしていたのだ。このまま取っておこうと思ったが「調べたらサイトに載っているしな…」と思って捨てた。でも、画面のキャプチャ画像はGoogleドライブに保存した。
今度、落ち込んだときスマホで見て、にやにやしようと思っている。
終わってふたたび解説です
江ノ島さんインターネットに載ったものを紙に印刷して持っていてくれたとは、驚きました。そしてあっさり捨てたところもいいですね。
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