デジタルリマスター 2023年7月7日

針を落とせば円周率(デジタルリマスター)

ビュフォンの芯

ビュフォンの針は確率的な円周率の出し方なので、回数を増やせば増やすほど確かな数値になっていくはずだ。

というわけで、いっぺんに何回もやるために、10本くらいの針を投げたかったのだけど、同じ長さの針が10本も家になかった。改めて考えると10本もの針を投げたり拾ったりするなんて、危なかったりもする。

じゃあどうしよう。細長くて危なくないもの…

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これがよさそう

シャープペンシルの芯があった。細長くて、危なくない。長さも調節できる。紛失しようが代わりはたくさんある。炭素。いいことずくめだ。

といわけでビュフォンの針改めビュフォンの芯ということで、実験をやってみようと思う。どうなるだろうか。

まずは、8センチの芯を半分の4センチに切る。針だったら切れないけどシャープペンシルの芯なら切れる。

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カッターでごりっと切ると
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ばちっと4センチになる

そして4センチの倍の8センチの平行線を紙に書いていく。方眼紙があったので、これも楽勝だ。

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このあたりは楽なものだ

そして次に、芯を落としたとき、何本が平行線と交わったか記すために作ったチェック表だ。

ものすごく細かいが、(25×40=)1000コマある。1回につき10本なので、つまり10000本の芯を落とした分の確率が出せる。一応、出せるようになっている、ということだ。

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細かくしすぎたかもしれない
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そんな気がする

準備も揃ったところではじめよう。一か所に固まらないようにばらばら~っと芯を落とすことが、作業のうち唯一気を使うところだ。

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パラパラと落とす

地味すぎる作業。芯を落とし、落とした芯を眺め、数をチェックし、集め拾い…傍から見たらちょっとした苦行っぽくもあるけど、辛くはない。今のところは。 

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ソォーン

そんな地味な作業を続けること二十数分、ようやく表の一行分(25回)を終わらせることができた。えっ、まだ一行? えー

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この下にはあまり見たくない空白が広がっている

軽い絶望が襲った。このままでは100回やるのにさらに一時間以上かかってしまう。仮に1000回やりきるとして何時間かかるというのだ。僕にはそれが永遠にも感じられた。

これはいかんと思い、工夫することにした。特に時間のかかる芯の回収作業を簡略化するために、折り曲げた紙を使うことにした。

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こうすると早く集められる
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他に工夫するところはもうない
いったん広告です

実際やってみると作業はだいぶ効率化されたみたいで、2行目は十数分で終えることができた。それでもだいぶ時間がかかりそうだ。休んでる暇はないぞ。

では、この後の作業をダイジェストでご覧ください。

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芯を集めては
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ばらまき
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交差した本数を徴し
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集め
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ばらまき
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250回終えようとしたところで
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腰を休め
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ばら
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まいて
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これは交差してなくて
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これは交差してる、とか考えながら
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ようやく500回

芯落としマシーン

ダイジェストにしたのは記憶があんまりないからだ。途中で意識が薄らいで、芯落としマシーンと化していた。

3時間かけて250回終わったところで腰が痛んだので少し休んだ、というのが唯一人間らしい判断と言おうか。その後、腰にベルトを巻くなどして身体をカバー。いつまで経っても埋まらない表を半分切り捨ててメンタルをカバーした。

結局500回で打ち止めにしたが、はじめに1000回分印刷したのが悪いのであって、500回で終わりにしたのが悪いではない。恥じることは何一つない。

そして出来上がったのがこの表だ。

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ただの数字の羅列ではない、何かすごいもののように見える。僕には。

 計5時間ほどA3サイズの地獄を相手に繰り返し作業を行ったわけである。終わるころ、僕の眼鏡には“空虚”の文字がぺったり張り付き、視界はグレーの景色で埋められていたという。

そして円周率

もちろん目的は表を埋めることではなくて、円周率を出すことだった。一体いくつだったのか?

落とされた5000本の芯のうち、線と交差したのは1632本。計算すると…

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けいさんはけいさんきがやってくれるのでらくです
π=5000/1632=およそ3.0637

というわけで、円周率は今日から3です。以上、現場よりお伝えいたしまいた。


円周率は3

ちゃんと1/3前後の確率で芯と線が交差するのは、今だに不思議な感じがする。でも個人的な感想を言うと、せめて1/3.1~という数値くらいは出て欲しかった。これ以上の精度(桁を増やすレベル)を求めるなら、複数人でやる必要があるだろう。いわゆる分散コンピューティングだ。

頭を使わずに円周率を出したいと思って始めたこの記事。頭を使っていればこの6時間の間にもっと正確な円周率を出す方法を学ぶことができたのではないかという思いがしないでもない。頭を使えば体を動かさずに済むし。

そんな逆説的な教訓で締めたいと思います。

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